MOVIE+BOOK - 恋文の翻訳ー日中おうらいー  陳躍              

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恋文の翻訳ー日中おうらいー  陳躍

 ファイル 41-1.jpg 通い始めた頃の中国語講座の、隣のクラスの先生は、南日本新聞に連載されていた「日中おうらい」をを書いている人だった。ラジオやテレビの中国語講座を頼りに独学で中国語を勉強しているころ、中国関係と見ると何でも飛びついたものだったのだ。が、そんなことを抜きにしてもとても楽しく読めて発見が多い読み物だった。
 まとめて本になった物をあらためて読み直すと、実に、うまい。時に鹿児島弁を交え(~だがね、とオクサンが言うとか)、時にオチンチンを中国語でなんというか(小鶏鶏シャオジージと言うらしい)など入り込み、人に読ませる、読んでもらう文章を書くこととはこういうことか、と思う。それでいて中国人と日本人の違い、誤解がどこから来ているか、理解できてくる。それはもちろん著者の人柄と、身に備わった文才あってのものだが、それに加えて、どんな風に努力し、工夫したことだろう。1958年上海生まれ、文革を経験、上海師範大学卒業、筑波大を経て1994年鹿児島大学大学院文化人類学研究室修士号修得、とプロフィールにある。
 そして、この陳先生は、日本語で書いた詩集『故郷』によって2004年には地元新聞社の主催による南日本文学賞を受賞している。詩ですよ!

 これを読んだあとに、梨木香歩の随筆『春になったら苺を摘みに』(新潮文庫)を読んだ。 1959年鹿児島生まれであるという著者が、英国滞在中に出逢った人々との交流が描かれている。下宿の主人ウエスト夫人という稀有な豊かな女性を中心に、交友が広がって行く。
 両方の著作に共通しているのは、他国の言語を、日常生活に不自由ない以上、ある程度哲学的形而上学的なことまで表現できるところまで修得した人の、出来うる限り公平であろう、わからないことまでわかった気にならないで、且つ、自分の位置にしっかり立っていようとする姿勢、というようなことだ。

 自戒し、ああもうちょっと中国語をきちんと勉強しようと思うああるであった。
 

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2007.01.15 13:24

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