MOVIE+BOOK - 吉原手引草              

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吉原手引草

ファイル 62-1.jpg
作者 松井今朝子
出版社 幻冬舎

 第137回直木賞受賞作品。そういうものをすぐに読むことはほとんど無いのでありますが、吉原という舞台に惹かれて。
 吉原の位の高い花魁にはそうそう簡単にはお目にかかれない、いろいろと手順を踏まなければならない、程度の知識しかない者には、その世界のしきたり、言葉、など大変興味深い。芸者と比べて、一般には芸を売る芸者の方が性を商売とする女郎より格上のように言われる…がしかし、その成り立ちにおいて、吉原では幇間を男芸者と呼び、その後女芸者が生まれた?とすると必ずしも…。

 ストーリーは、花魁葛城が突然失踪した、ということについて調べている男が、吉原のいろいろな人にそれについて聞きまわる、それぞれの人の語りだけで成り立っている。さまざまな視点で語られる中から浮かび上がってくる葛城のひととなり、失踪の理由。
 時々ありますね、こういう手法で語られる物語。例えばなーんだっけ、と思っていた所、有吉佐和子の『悪女について』と比べている人がいました。
 
 ミステリーとしての仕掛けが、所々にあるのに気付かずにぼんやり読んでしまった私でした。吉原に(江戸風俗に)関心をお持ちの方にはとっても面白い作品ですよ。

BOOK
2007.08.23 22:27

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