著者 恩田陸
集英社文庫
とこの と読んでください。柳田國夫の遠野物語を意識したタイトルと、すぐわかりますね。
東北のほうに常野という土地がある、そこに住む(住んでいた)人々にはある種の能力があり・・・。まず最初の“大きな引き出し”という章。たとえば日本の古典文学をまるごと記憶して頭の中の引き出しにしまっておく能力がある家族。
私はこの章でほぼ恋に落ちました。いや、この作家と。性別?お気になさらず。この前に読んだ『ライオンハート』では態度保留だったのですが。今までなんで読まなかったんだろう、と思っています。
その第一章は、爽やかなジュブナイル仕様ですが、それぞれの章によって苦い味わいや、かなり気持ち悪い感じや、迫害の時代や、いろいろあります。能力を隠して市井にひっそり埋もれて暮らす、という設定は珍しくは無いのですが(最近また『七瀬ふたたび』って脚光を浴びてるよね、多岐川裕美バージョンを覚えている人手を挙げて!)、やはりそこは遠野物語風味ということで、宇宙戦争とかにはなりません。
この常野物語シリーズがあと2冊文庫化されているじゃありませんか、早速、と言っても近所の○タヤにあるかなあ、あとで行ってみます。
atcon 2010.10.10 09:13 edit
テスト投稿です。スパム対策に投稿キーをつけました。