MOVIE+BOOK              

Log

「再見~また会う日まで」中国

監督&脚本:ユイ・チョン(兪鍾)
出演 ジジ・リョン(梁詠琪) ジャン・ウー(姜武) シア・ユイ(夏雨) ツイ・ジェン(崔健)

 DVD鑑賞。原題「我的兄弟姉妹」。
 音楽教師をクビになった父、病気を隠している母、でも親思い兄弟思いの家族が、事故によって突然両親を亡くす。バラバラになる4人の兄弟姉妹。
 その過去の時間の流れと、25歳の指揮者となってアメリカから凱旋帰国した姉を中心として流れる現在の時間が交錯する。
 子どもは実にかわいらしくあどけなく、中国映画らしい、家族の情愛を描く佳作。
 
 この作品、中国映画や中国の流行音楽を知っている人にはキャスティングが楽しめる。まず音楽教師だった父を演じるのが80年代後半中国ロックの開祖、崔健。指揮者となっているのが香港で歌手としても活動しているジジ、大学生になった弟役の夏雨は、デビュー映画『太陽の少年』で名優姜文の子ども時代を演じたのだが、この作品では姜文の実の弟である姜武と兄弟の役。
 
 良かったんですよ、いわゆる情愛ものなんですけど。でもね、ジジに指揮の勉強させてやりなさいよ監督!幼稚園の発表会か。興ざめもいいとこです。それに、コンサートに行ってあーんな形で中断されたら怒ります。プロの仕事を見せてくだされ。
 と、いう、詰めの大甘さ…クラシック音楽に造詣の深い方にはお勧めできないかも。

MOVIE
comment(0) 2006.07.09 23:28

僕の恋彼の秘密

台湾映画。http://www.bokukare.jp/
監督 DJチェン(陳映蓉)
出演 トニー・ヤン(楊祐寧)ダンカン・チョウ(周群達)

 DVD鑑賞。あっかるい青春ゲイ・ムーヴィー。青空の下プールの中で、あれあれそんなことしていいの…と思ったらベッドの中で目が覚めた、というマンガチックな始まり、地方の素朴な(でもしっかりゲイの)高校生、ある夏、都会へ真実の恋を探しに出かけます。出逢ったのはプレイボーイの誉れも高い男で。
 処男(処女じゃなくて)という言葉があるらしいのですな、中国語には。ゲイの世界だけの言葉でしょうか?その処男とプレイボーイが出逢ったにしてはえらくもどかしい展開、実はプレイボーイ君がプレイボーイとなったについては…まあそんなところで突っ込まないでおきましょう。
 髪の長いダンカン・チョウはちょっとカリスマホスト城咲仁に似ている気がするし、そのほかも誰かに似ているゲイピープル数名。そんなことでも遊べます。
 別にゲイ映画である必要は特にない、屈託なく笑える青春映画です。原題「十七歳的天空」こちらの方がよろしくない?

 で、私はこの主役トニー・ヤンくんが出たゲイ・ドラマ『にえず』にお目にかかれる日を待っています。いえ、別にその世界が格別好きだというわけではないのですよ。ちょっと一部で(輸入VCDなど見ている中華作品ファンの間で)評判なのでね。あ、それとダンカンとヴィヴィアン・スーの映画『靴に恋した人魚』も見たいでーす、ミッテさーん…。東宝さんでもいいけど。

MOVIE
comment(0) 2006.07.01 13:12

リンダリンダリンダ

http://www.linda3.com/
監督 山下敦弘
出演 ぺ・ドゥナ/前田亜季/香椎由宇/関根史織

 DVD鑑賞。ペ・ドゥナいい!
 元から韓国の女優で一番のお気に入りは彼女かも、と思っているのだけど。これは彼女無しではありえない企画でしょう。
 高校の学園祭、オリジナル曲を練習してきた女の子バンド、でも直前にギタリストが指を怪我、ボーカルも抜けてしまう。急遽スカウトした韓国人留学生をボーカルに、ブルーハーツのコピーをすることになる、さてその顛末は、というストーリー。
 高校生の娘がいたら親子で見ることをお勧め。

 あちこちにあれえ?という人が出てきます。そもそも先生役の甲本雅裕、甲本という苗字だし、なんだか似ていると気がつきつつも、あまりにもキャラクターが違うのであの甲本ヒロトと関連付けて考えなかったかつての私、もちろん弟さんですね。インディーズの音楽に詳しい人ならもっとうわ、うわ、と嬉しいのであろう人がこれは出ているはず、と思いつつ見ていましたよ。
 ブルーハーツはとっても良いすごいバンドだけど、CDは持っていなかった(80年代後半バンドブームのころとっくに大人だったし)、絶対買うぞ、という気にさせる映画でありました。

 実に青春映画なのだけどなんというか適当に乾いていて、肌触りが心地よい、皆様にお勧めできる作品ですよ、かつて高校生であった皆さんも機会があったら見てくださいね。

MOVIE
comment(0) 2006.06.26 21:07

花よりもなほ

http://www.kore-eda.com/hana/
監督 是枝裕和
出演 岡田准一 宮沢りえ 古田新太

 是枝監督作品には、あれ?と思うキャスティングがわりにある。『誰も知らない』の母親役YOUにしてもそうだ。それは今まではあまり演技経験のない、ちょっと前までモデルだったひと、というようなことが多かった。
 この作品では芸達者な、とか、なんとベテランの、とかそういう役者さん芸人さんがゴロゴロ出てきてしまう。
 江戸の長屋って貧乏なりにもうちょっと小奇麗にしてたもんじゃないの?というそりゃ汚い長屋の汚い住人たち、の騒ぎに、ちょっと乗り損なってなんだろなこの映画は、と思っていましたよしばらくね。
 ストーリーとしてはあれやこれやの仇討ちが絡んでさて、いかなる結末かは見てのお楽しみ。
 『ワンダフルライフ(1999)』ではARATAだったけど今度はフルタアラタなのね、などと思いつつみていた、その古田新太の衣装がなかなかおよろしかった、けれどひとりなんだか舞台の発声。
 結局はうまいこと乗せてくれる作品。
 脇で出てくる浅野忠信、相変わらずそこにいるだけで素敵、夏川結衣さんはいい女優さん、この人誰?オダギリジョーに似てるけど声が違うし、と思ったのは加瀬亮くんですか。『アバウトラブ』の台湾編に出てた人ね。
 岡田准一くんは、とても良い俳優サンなので、Tタワー(すでに出来てる方の)なんぞで中途半端にセレブな人妻と恋愛するようないかにもな役ではない、いい作品にめぐり合わせてください。目だけできちんと表現できる、映画にはとてもよい素材だと思いますぞ。

MOVIE
comment(0) 2006.06.17 21:53

「デイジー」韓国映画

監督 アンドリュー・ラウ ( 香港 )

出演 チョン・ウソン チョン・ジヒョン イ・ソンジェ

チョン・ウソンは、私が最初に名前を知った韓国人俳優。レスリー・チャン、アンディ・ラウ共演の 96 年香港映画『上海グランド ( 新上海灘 ) 』で、終わり近くにほんの少しの間出てくる殺し屋。

大きな役でお目にかかれる日を待ち望んでいたのがこのところ『私の頭の中の消しゴム』に続いてスクリーンで見る機会を得た、のでありますが・・・うーん、見始めてしばらくは、こりゃ困ったな、という状態で・・・。

先日、このサイトの管理人さんとのやりとりで、NHKBSの懐かしのフォークソング番組で、早川義夫さんが『サルビアの花』を歌っていたと伝えたところ ( 年齢限定! ) 、あれは究極のストーカーソングだよね、との御返事があったことなど思い出してしまう展開。

http://www2j.biglobe.ne.jp/~tryandgo/asset/UTA/saru.htm

チョン・ウソンは見事に美しい立ち姿を見せ、チョン・ジヒョンの表情はときに実にかわいらしく、イ・ソンジェがまたとてもよい、のでありつつ私の目にはかなり無神経に鬱陶しいぞ、という景色で、あったのですよごめんねチョン・ウソン及びファンのみなさん。

デイジー畑はじめオランダの風景は美しい、真っ白い部屋も美しい、後半、殺し屋なれど純情青年なる男の思いの描かれ方は、うん、悪くない。インターポールがそんな街中で発砲しまくるんかい、などと言う突っ込みはしません。

中途半端なんだよアンドリュー・ラウ!というのが全編見終わっての私の心の叫びでありました。アンドリュー・ラウは、最近では『イニシャルD ( アラン・マックと共に監督 ) 』『インファナルアフェア』など、スピード感あふれる映像の多い監督らしい部分が急に挿入され、お、アンドリュー・ラウ、と思うのである、が、なんだかね、中途半端・・・私は泣けなかったし。惜しい。

MOVIE
comment(0) 2006.06.02 14:44

「寝ずの番」

マキノ雅彦監督
http://www.herald.co.jp/official/nezunoban/

はーーー、びっくりしたー。

R指定18禁どころか、だーれにもお勧めできなーい・・・下ネタ満載。落語家さんが倒れて、手術する、けれどもう危ない、シーンから始まり、あー活字に出来ない放送できない言語がすぐに発せられます。連発です。中島らも原作かー。

のっけからケラケラ笑わせていただきましたが、少なくとも途中までは、じゃあこれが好きな映画に入るかというとおいおい勘弁してくれよ、という気分でした。

次々に関係者が突然死して、お通夜、お葬式です。落語家の奥さんは元芸者さんということで、それはそれは次々に春歌というかお座敷歌の上品ならざる系統を聞かせていただきました。そういうお座敷文化 ( ! ) があるってことなのねー・・・お勉強になったわー。素人に太刀打ちできない世界ってものだわー。

かといって、ベタに下品ではないのですよ。大女優富司純子さんはもちろんのこと、木村佳乃がとてもよくて ( さらっとスカートをめくり、とか ) 、助演女優賞候補がもうひとり現れた、と思いました。春歌猥歌三昧のシーンで、中井貴一の声の良いこと、まさか吹き替え?と疑うほど。

我が日本のお座敷文化に御関心をお持ちの方、よろしかったらご覧ください。6月には休館して しまうシネシティ文化にて。そうそう、監督は俳優・津川雅彦です。

MOVIE
comment(0) 2006.05.16 14:42

「スピリット 霍元甲 」「 The Myth 神話」「トムヤムクン」

The Myth 神話 http://www.themyth.jce.com.hk/indextw.html
トム・ヤム・クン http://www.tyg-movie.jp/

ジェット・リー 李連杰 1963 年生まれ、中村獅童がなかなかお得な役柄で共演している「スピリット ( 中国 ) 」、中村獅童の空中演技はスタントであることがバレバレでありつつも、がんばっています。ジェット・リーのカンフー演技は相変わらず美しい。それに、演技力が付いてきましたね。ただ、何か物足りない気がしました。異種格闘技大会場面が多かったのに、アクション映画として何か物足りない・・・。『少林寺』の頃の舞いのような団体拳法演技を求めたい気持があるからでしょうか。

ジャッキー・チェン成龍 1954 年生まれ、韓国の美人女優キム・ヒソン共演の「ザ・ミス ( 香港 ) 」、香港映画にはそう珍しくない輪廻もの。インドの俳優も出ていて、最近流行のアジア各国の俳優とのコラボレーション大作。インド人の老師が、「ヤングマン!」と呼びかけるのですよ・・・そりゃ無理あるでしょう、ジャッキー 52 歳。そうは言っても、この前の「ニュー・ポリスストーリー」といい、ジャッキー映画は香港製作がやはり好い。それにも出て、今回も出ていたという日本人葉山豪 ( ひろ ) という俳優がいるのですが、どの人だかわからなーい!台湾でモデルとして活動した後、香港に渡ってジャッキーの事務所に所属しているそうです。
ところで、広東語・英語の台詞はジャッキー本人でしたが、北京語はなぜか吹き替え。キム・ヒソンが中国語を頑張っているのに。おまけの NG 集ではレオン・カーファイに向かって北京語がナマッテルなんて言っているのに。北京語でヒット曲出してるのに。

さて、トニー・ジャー 1976 年生まれ、トニー・ジャーは外国向けの名前で、パノム・イーラムが本名なんだとか。「マッハ!」に続く主演作「トム・ヤム・クン ( タイ ) 」ですが、いやいやこの生身のアクションはもう笑うほどすごい!元々スタントマンだそうです。時代はトニー・ジャーでしょう、やっぱり。
で、映画「トム・ヤム・クン」の中で中国人ニューハーフやくざの怖いおねえさんが出てくるのです。アクションが出来るのです。何者 ? と思ったら、有名なバレエダンサーで、中国政府の許可を取って性転換したのだそうで。ベトナム人役の手下さんも気になります。ベトナムとアメリカの混血だそうです。ちょっといい男でした。はは。
ジャッキーのこと大好きなんですね、トニー・ジャーさん。同じように本編終了後におまけ付き。別に NG 集というわけではなかったけれど。
タイ語は、さすがに一言もわからない。さわでぃかーっぷ と聞こえる挨拶の言葉だけしか。それがちょっとね、くやしいけれども、いくらなんでもタイ語までは手を伸ばしきれない私であります。

MOVIE
comment(0) 2006.05.05 14:39

「デュエリスト」韓国映画

http://www.duelist-movie.jp/

監督 イ・ミョンセ 出演 ハ・ジウォン カン・ドンウォン アン・ソンギ

かくも耽美な映像にして、麗しのカン・ドンウォンを比類無く美しく見せ、美しく動かし、そしてコメディ仕立てだなんて!

韓国にもクリストファー・ドイル ( 香港の王家衛監督『ブエノスアイレス』『2046』など、中国の張芸謀監督『ヒーロー』『ラヴァーズ』などのカメラマン ) がいるのね、という鮮やかにして速く大きく動くカメラワーク、そしてダンスのレッスンをみっちり受けたというカン・ドンウォンの動きの、その 186 センチの体をしなやかに使いこなして剣を振るう姿のなんと美しいこと。すべて本人が演じているらしい。

原作はドラマ『チェオクの剣』と同じ韓国のマンガ『茶母ナムスン』だそうで、ハ・ジウォンは同じ役をやっていることになるけれど、キャラクターはまったく別人。なんぼなんでもうるさいよ、というほど。そこへ、名優アン・ソンギが狂言回し的に出ているのがコメディ演技でありながら引き締め、引き立てる。

とは言え、映像に気を取られてストーリーはなんだっけ?になってしまう、のではあり、きっちりとストーリーを追いたい人にはお勧めは出来ません。クリストファー・ドイルのカメラや、北野武監督の映像が好きな人、そしてダンスが好きな人にも多分お勧めできるはずです。貴公子好きの方もどうぞ。

MOVIE
comment(0) 2006.04.27 14:35

move