緑の夜

監督 韓帥ハン・シュアイ

出演 范冰冰ファン・ビンビン イ・ジュヨン

テレビの『中国語ナビ』を観ていたら、番組の中でこの映画を紹介していた。え?范冰冰!ゴージャス美女がこんな地味な作りで!このところ映画情報に疎い私だ。近場で観られるかすぐ調べたら、その次の日が最終上映だった。

保安検査場で仕事をしている女ジン・ジャ(范冰冰)が、緑に染めた髪の不審な女(イ・ジュヨン)と出会う。危険を察しながら、なぜかかかわっていくことになる二人。

中国から韓国へ移住し、配偶者ビザのために結婚した夫がいるジン・ジャ。額に傷が。

初めからずっと不穏なヒリヒリする気配。そういう映画を観たのは何十年も前かもしれない。そしてかつて観たそんなひりひりする映画は男の映画だった気がする。

中国の女性監督による、韓国を舞台に、中国人のファン・ビンビンと韓国人のイ・ジュヨンを主役に、香港映画として作られた作品。

暴力を振るうのは男だが、その男が“許す”という言葉を口にする。優位に立つのは男、という象徴。それに激しく反応する女。范冰冰という女優が、2018年以降、脱税を理由に中国で仕事をできない状態である、という現実を、つい思う。

バイクに二人乗りして逃げる彼女たち。そのシーンの疾走感にウォン・カーウァイ『天使の涙』を連想する。

あー、そういう最後か。

2010年頃、日本でウーロン茶のCMに出ていたころのファン・ビンビンは、かなりスッピンな感じだったりした。この映画では地味なりにそりゃあ細心の注意を払った感のメイクなのが気になったなあ。そして『梨泰院クラス』も『ベイビー・ブローカー』も観ていないので知らなかったイ・ジュヨンが良い。

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