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ブロークバックマウンテン

監督アン・リー(李安)、最近では2000年「グリーンデスティニー」とか'03年「ハルク」など、台湾からハリウッドに進出してこの『ブロークバックマウンテン』でベネチアの金獅子賞、アカデミー賞で監督賞、ほかいろいろ受賞 。
'60年代のカウボーイ同士が、同性愛の状況に落ちる、そして・・・20年の歴史の物語です。見始めてからだいぶ経つまで、なんだか違和感がありました。これ、そんなにいい映画か?なんだか違わないか?そしてほぼ終盤に近くなって、しーんとしみてきて、見終わってから、香港映画「美少年の恋」中国映画(監督は 香港だけど)「藍宇(情熱の嵐)」などのゲイムーヴィーの終わりごろのシーンを思い浮かべ、しばらく思いに漂っていました。

性的にマイノリティであること、時代、地域性、キリスト教、という背景を負っているからこその作品なのですが、自分がどの立場に立つかによって感想はずいぶん違うでしょう。奥さんの立場になってみろ、とか、子どもが知ったら、とか、気分を悪くする人もいるでしょう。

ほとんど暴力的な勢いで恋に落ちる、欲情する、という状況からずいぶん離れてしまったこの頃であることなど我が身を省みたりも致しました。
道を阻む物が山のようにあるからこそ20年にわたって熱情が続いたのではあるでしょうが、もしも時代が違い、背景が違えば、魂の片割れと運良く出会ったカップルとしての穏やかな日々があったのかもしれません。

アン・リー監督には、台湾時代に「ウエディングバンケット」('93)というゲイカップルとその回りを描いた作品があります。まるで雰囲気も色合いも違う作品です。あ、御存じない方に念のため、監督は男性ですよ。

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comment(0) 2006.04.19 14:29

トニー滝谷

http://www.tonytakitani.com/
西島秀俊の、脱力のナレーション、セピアに色を落とした映像、時にほとんどモノトーンに見え、ふと気づくと色づいている画面。
イッセー尾形、宮沢りえ、ともに二役。ほとんど演じていないように、見える、存在の仕方。
人によっては、透明なナイフを胸に当てられるような痛みを感じるかもしれない、けれども、この映画によってなにが語られようとしているのかおよそ感じない人もいる、だろう。

金城武主演の、「ターンレフトターンライト」という香港映画があります。ジミーという台湾の絵本作家の原作を映画化した、アイドル路線と言ってもいいかわいらしい映画です・・・が、少しだけ、孤独な魂のありようが似ている気が、したせいか、38歳ぐらいになった金城武でリメイクすることをふと夢想しました。
村上春樹の原作を、後で読みました。ナレーションの西島秀俊がもっと年を取ったあたりの方が、原作のイメージに近いかもしれません。
市川準監督作品「東京夜曲」ビデオに録って、途中でなぜか見続けられなくなったまま置いてあるのです。そろそろ再チャレンジしてみましょう。

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comment(0) 2006.03.14 14:28

オペレッタ狸御殿

2http://www.herald.co.jp/official/tanuki_goten/ 
カンヌ招待作品って・・・こーのすっ頓狂な作品を最後までちゃんと映画祭で見た人何人いるかなあ。狸が化けるとか、狸バヤシとか、日本ではお約束でもガイジンにはナンノコッチャなわけで。
えー、生きとし生けるものの中で一番美しい、ことになってる安土桃山さん、平幹二郎じゃ、そうは見えませんのよ。たとえばジュリー沢田研二、に、キャスティングしてたけど断られたとか・・・この映画でなんでもない普通の役やってる篠井英介でもよかったんじゃないでしょうか。とにかく、ふんだんに怪しいけど美しくないんですけど。
で、肝心の狸姫チャン・ツィイー(章子怡)が、今ひとつ可愛く見えないんです。「初恋の来た道」の頃の雰囲気と、ちょっと違う、せいか、この作品の中では明らかにオダギリジョーのほうが美しい,顔が小さい,繊細である、せいなのか。
見た目ではなんだかだけど歌を歌うからその声ですぐわかる薬師丸ひろ子さん、途中まで誰だかさっぱりわからなくて仰天した由紀さおりさん、しばらくわからない山本太郎、最後の字幕で名前見て、どこに出てた?と思った篠井英介、まーとにかくなに遊んでんです?あーたたち、な、映画なので、皆様にお勧めは出来ません。泉鏡花があんみつ姫で遊んでみたような電気紙芝居。
ですが、私は結局妙にはまってしまいました。ソーダ水の~♪という歌が口をついて出てしまいます。「阿修羅城の瞳」の市川染五郎の所作、色気がオダジョーにあったら、とか、ツィイーちゃんが薬師丸ひろ子さんほど歌がうまかったらとか、まあ欲を言いたいのは山々ですが。なにせ舞台風書き割り風わざとチープな美術だし素人臭い、ダンスや歌が、合わないもんでもないでしょう。衣装きれいです。薬師丸さんの襟の重ねとか。
デジタル美空ひばりのシーン、「プロミス」の女神とダブってしまった。
「チゴイネルワイゼン」や「陽炎座」の鈴木清順監督しか知らない方にはとんでもない作品でしょうが、たとえば日活時代に宍戸錠主演で「殺しの烙印」てのがあります。妙な作品でした・・・たまたまTVで見たのですが。「ピストルオペラ」ってその続編なんだって。江角マキコ映画見る気は無かったけど、さて見てみようかな。

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comment(0) 2006.03.12 14:27

プロミス 無極

http://wwws.warnerbros.co.jp/promisemovie/
賛否両論ある作品です。私だって、見終わってかなり好きな作品だったことにびっくりしたぐらいです。ビデオではちょっときびしい映像かも・・・。
で、あまり中華圏の映画を見ていない方への参考書として御紹介してみようと思います。 
●監督 陳凱歌 1952年生まれ 1993年「さらばわが愛 覇王別姫」でカンヌ映画祭パルムドール受賞 張芸謀監督と並ぶ国際的に有名な中国人監督。映画の最初に出てくるポニーテールがゆらゆら浮いてる女神(というか魔女?)役の美人女優陳紅は奥さん。
●光明 真田広之が、かつて千葉真一のジャパン・アクション・クラブに所属したアクション俳優だったことは今では知らない人も多いかもしれません。80年代「皇家戦士」なんて香港映画で、「グリーンデスティニー」や「SAYURI」に出たミシェール・ヨーと共演しています。今や英国ロイヤルシェークスピア劇団でも演じた名優ですが。
●崑崙 チャン・ドンゴン 韓流ブームで知らぬ者がない、漢字表記では張東健、アジアで一番美しい男と韓国では言われているらしいのですが、薩摩にはこの顔で5頭身ならいる、と思うよね?映画「友へ チング」が、私は好きです、が、これは映画館で見るべき作品。
インタビューの様子など、本当にとってもいい人。
●無歓 謝 霆鋒ニコラス・ツェー 1980年芸能一家に生まれて子供の頃から有名人、正式デビュー前に日本でレッスンしたことがあり、かなり日本語ができる。カナダ育ち。香港でアイドルとして「ジェネックス・コップ」「香港国際警察」などたくさんの映画に出演、歌手としても活動している。
この作品はニコの映画だと、真田さんは伝えたかったそうです。
●鬼狼 劉燁リウ・イエ 1978年生まれ。「山の郵便配達」「小さな中国のお針子」「藍宇情熱の嵐」と、それぞれの作品で別人のような姿。中国の若き名優。今回ほとんど顔が見えなかったけど。「藍宇」はゲイ映画なのでだめな人にはだめでしょうが、後の作品は皆様にお勧め。
●傾城 張柏芝セシリア・チャン 1980年生まれ デビュー2作目の「星願」1999年作品の彼女が良いですよ。香港生まれオーストラリア育ち、英語・広東語・北京語の上に韓国語、タイ語もしゃべれるというのに、今回のプロミスではほとんどを吹き替えられてしまいました。なぜか?ハスキーな声が、この役に合わないと判断されたらしい。よく声を聞いてください、映画の中で少なくとも2種類の声が聞けます。現実にセシとニコは、かつて恋人だった時期があります。
真田広之、チャン・ドンゴンともに、見事に中国語を頑張って話しています。ガイジンの中国語 ではないと思われます。みんな見事なはまり役。それぞれの俳優たちの熱が寓話世界を形作って、うるさいほどのCGを凌駕していると私には感じられます。
架空の宇宙の架空の時代架空の国で、ある種の人類がいたんです。そう思って見てくださいね。派手な衣装デザインのほとんどは日本人イラストレーター正木公也。

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comment(0) 2006.03.07 14:13

美しき野獣

http://www.beautiful-beast.com/
原題「野獣」、このままでよかったんじゃないの?
おー、優作かおまえは>クォン・サンウ
優作もの見てるでしょ>監督ほかスタッフのみなさん
するてぇとユ・ジテくんの役は・・・唯一無二のユ・ジテくんだけど、25年前の白竜っぽい?
ふ・ふ・ふ、なんか典型的な、なんかね、この手の映画・ドラマの見本みたいな、ごめんね、笑っちゃうんだけど、いや、シリアスなのにゴメンよ
やくざの恐い会長かっこいい!薄笑いの会長
は、優作かと思ったら織田裕二?熱血>クォン・サンウ

うーん、玉砕ぶり、優作ぅ>クォン・サンウ

でも、ユ・ジテくんの方だよね,優作こっちの役やりたかったでしょ?って知り合いか桃井かおりか>ワタシ

なんて心でつぶやいておりました。いや、結構面白かったんです,それにしても、イ・ビョンホンの「甘い人生」といい、男の映画を普通の御婦人方に見せてくださる韓流ブームさん、ありがとう。
ユ・ジテくんのことを良く知らなかった方、「春の日は過ぎ行く」での、広い肩幅の分だけ情けなさがつのる姿、「オールドボーイ」の恐い役(シャチホコ立ちポーズ、実写だって)、と見てくださったら嬉しい。
会長(ソン・ビョンホ)は「パイラン」「オアシス」に出てたのかあ・・・「大統領の理髪師」まだ見てないから今度ビデオ見ましょう。舞台もやってる人らしい。故・成田三樹夫(それこそ松田優作の探偵物語とかに出てた)と建もの探訪の渡辺篤史が合体した顔立ちに見えた・・・のはきっと今回だけなんだろうな。

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comment(0) 2006.03.03 14:26

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