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ゆれる

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http://www.yureru.com/splash.html

監督 西川美和
出演 オダギリジョー 香川照之

 DVD鑑賞。
 ゆれる と言うタイトルが・・・吊り橋がゆれる、心が揺れる、記憶が、揺れる・・・のですよ。

 地元で地道に働く兄、都会でカメラマンとして華やかに暮らす弟。母の法事で帰郷した弟、幼馴染の智恵子と三人で渓谷に出かける。兄は高所恐怖症なのだ。吊り橋から智恵子が落ちる。その場から離れていた弟がその様子を目撃し・・・。
 
 女性を挟んで兄弟の心が、揺れる。女性を挟んで、兄弟の葛藤を挟んで、見たものが何だったか、そこにあったのはどんなことだったか、心がゆれ、確かなはずの記憶がゆれる。そして・・・。

 オダギリジョーと香川照之の、丁々発止の演技一番勝負、うーん、やっぱり香川照之の勝ちかな。
 きちんと誠実に作られた良い作品ですが、もう一度見かえすのはつらい。機会があるなら数年先にしたい。

 それにしても。あの最後のシーン、どうしただろう。あの兄は。

MOVIE
comment(0) 2008.01.27 22:59

靴に恋する人魚

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http://www.ffcjp.com/kutsu/index.html
監督 ロビン・リー
出演 ビビアン・スー ダンカン・チョウ

 日本版ホームページ可愛いよ!ちょっと重いかも。
 日本では、あーそんな子いたねー、と言う状態かな?ビビアン・スー主演、30過ぎて相変わらずとても可愛らしくチャーミング。

 足の悪いちいさな女の子がいました。絵本が好きなその子に、パパとママは「人魚姫」の絵本を見せたがらなかったのです。人魚姫は、足を得る代わりに声を失う悲しいお話だから。
 女の子は、手術して歩けるようになると、靴をたくさん集めるようになりました。靴が大好きでした。
 飛び出す絵本を作る出版社に勤めていたある日、歯医者に行き、それから歯医者さんと恋をして、結婚しました。そして・・・。

 『アメリ』に似た色彩。風変わりな人々。絵本のような映画。私は大好きですよ。本当に大切な物は?と言う作品。

 制作に参加しているアンディ・ラウがナレーション?気が付かなかった。

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comment(0) 2008.01.23 21:36

ALWAYS続・3丁目の夕日

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http://www.always3.jp/
監督 山崎貴
出演 堤真一 薬師丸ひろ子 吉岡秀隆 小雪 須賀健太

 冒頭、んなわけないじゃん、なゴジラ大暴れシーンに大笑いしてしまった。監督そんなんやりかった?

 まあねえ、やられてしまう、乗せられてしまう、うるうるしてしまうように出来ている、よーくできている、わかりやすい作品ですよね。前作以上に、そのCGによる昭和が楽しめる。看板とか、細かい商品名とか、昭和生まれには記憶を呼び覚まされる。

 なんというんでしょう、アクのない寅さん映画のようなつくりなんです、ですが、そういうのに乗せられたいときがあるんです。善人ばかりで、おせっかいで、お隣さん関係が緊密で、またそういうことが必要だった時代。いや、近所にも小悪人はいただろうし(この映画のように)、同じ時代、農村ではその害について知らされていない人たちが農薬を大量に使い始めていたでしょうが。

 で、あの茶川さんの芥川賞候補作品ですが・・・あれはちょっとね。まあいいか、読んだことないけどケータイ小説ってあんな感じなのかな、と思いましたね。いや、憶測です。すみません。

 
 


 

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comment(0) 2008.01.18 23:46

韓流シネマフェスティバル「卑劣な街」「レストレス中天」

http://www.cinemart.co.jp/han-fes2007/movies/movie01.html
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卑劣な街
監督 ユ・ハ
出演 チョ・インソン ナム・グンミン

 ドラマ『バリでの出来事』での訳のわからんお金持ちファッションの憎めない御曹司や、日本のCMでのさわやかな姿を期待して見た韓流ファンにはお気の毒なほどの、本格ヤクザ映画。
 
 いささか地味な暴力団の、兄貴分に恵まれないNo,2の男。黒幕の親分のためにその兄貴分を殺す。映画監督になっている同級生との出会い、そしてかつて思いを寄せていた女性との再会。心鬱屈して泥酔した日、同級生への気の緩みで殺人を話してしまう。
 裏切り、のし上がり、裏切られ、刃物でえぐられる卑劣な下克上の世界。ヤクザって実はこんなものなんだろうな、と思われる。が、ふと気付くと映画やドラマの古典的なテーマである。ビジネスの世界や映画界(『イブの総て』とか)や、さまざまな世界で親しく可愛がっていた後輩にいつか座を乗っ取られるという姿が描かれてきた。

 カラオケのシーンが何度か出てくる。ド演歌を歌うチョ・インソンなかなかうまい。日本のヤクザ社会とシステムが違うらしい(多分)のが、ヤクザがスポンサーを見つける、と言う話。
 いろんな意味でえげつないが、うーん、そんなもんかも。それにしてもあの映画監督の行く末もなかなか・・・。

レストレス中天
監督 チョ・ドンオ
出演 チョン・ウソン キム・テヒ
衣裳 ワダエミ
 現世とあの世の間に“中天”があり、死者が天国に行く準備をするところであるらしい。時は新羅の末期であるのだが、死後に悪鬼となって昇天できずにいる(らしい)生き物が現世を跋扈している。それを退治する退魔師がいる。退魔師のボスに誘われ悪霊退治の処容隊に入るチョン・ウソン。ある日、まだ生きている身ながら中天に迷い込む。
 
 『無極プロミス』とか小野不由美原作『十二国記』とかはたまたオーラの泉とか、『英雄ヒーロー』のジェット・リーのシーンとか、いろんな作品を思い起こさせ、またこれが体から鎖が何本も生えてバーンと飛び出すのよ斬新だがあんまりだ…がしかし。
 輝ける愛の物語でもある。戦い、きっとまたいつか会える と言って死を迎える恋人たち。
 今の私には心地よく感じられる映画でありました。チョン・ウソンによく似合う役柄だと思います。

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comment(0) 2007.10.25 22:35

めがね

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http://www.megane-movie.com/index02.html
監督 荻上直子
出演 小林聡子 もたいまさこ 三石研 市川実日子 加瀬亮

 去年の映画『かもめ食堂』の監督。
 一人旅、春の南の島にやってきた女性小林聡子、宿の主人三石研、宿に泊まって次の朝、ふと気配に目覚めると傍らに地味な中年女性の姿、にこやかに「朝ですよ」。でも起き上がらずにまだ寝入ると、なにやら音楽が流れて、その元を探して歩いていくと、海岸でゆるーい体操をしている人々がいる・・・。朝ですよ、の主もたいまさこが前に立って模範の形でゆらゆらうごいている。
 そのメルシー体操という名の脱力ゆるゆる体操が、実は大変よく出来ています。ヨガ教師の私の言うことだから信じてください(?)。珍しいキノコ舞踊団の人が振り付けした体操だそうです、大概知らないだろうけど、そういうダンス集団があるんですよ。

 で、観光したい、どこかお勧めは?と聞くと、そんな場所なんかありませんよ。ではここに来た人は何を?返ってきた答えは“たそがれる?”

 こないだうち日本テレビ系朝番組「スッキリ!」の終わりごろ『朝のたそがれ』という矛盾したタイトルのコーナーがあったのはこれの前振りだったのねー!
 
 もうほとんど初めからクスクス笑いながら見ていました。朝ですよ、とかそういう雰囲気に辟易した主人公が別の宿“マリンパレス”を訪ねるとそこでは宿泊客も裏の野菜畑で労働して汗を流して育てた物を食べる、そういうコンセプトなの!と言う薬師丸ひろ子さんのお姿なんていかにもありそうでケラケラ笑いになってしまった。

 ゆるりと無為に風に吹かれている・・・なんて時間は、充分大人になってしまうとそれは夢のように手に入らないものです。しばしの夢の時間を、ふうわりゆうらり過ごしている、おそらくはそれぞれの人になにかしらの事情があることは表に出てこないまま。・・・しかしこの期間が実は何日間だったかわからないけれど、この人たちの職業は?まあいいけど。

 私にとっての今年の日本映画第一位が、もう決まりました。あと二ヶ月の2007年にどんな映画が来たとしても、これ以上ではないと思います。時間が無い、或いは時間はあるけれどなにがしか目を配って神経を使っていなければならない大人へ、しばらくの理想郷をお届けする映画です。
 

MOVIE
comment(0) 2007.10.01 18:02

夜の上海

http://www.yorunoshanghai.com/
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監督 張一白
出演 本木雅弘 趙微(ヴィッキ・チャオ) 西田尚美 竹中直人

 原題「夜。上海」。近頃中華圏の映画タイトルには句読点の入ったものが多いのはなぜだか。『色、戒』『野。良犬』etc。
 さてこの映画、タイトルからは思いもよらぬコメディーです。竹中直人そこまでやるか?それ必要か?毎度の竹中直人だけど。
 カリスマへアメイクアーティストのモックン、私的生活にはそれなりの問題を抱えています。上海の音楽祭にヘアメイクとして呼ばれ、仕事の後町を散歩して歩いている内に暴走タクシーにぶつかって(その直後のモックンのあのふらふらへろへろはそういう演出?なんだあ?と思ったらやっぱりアドリブを拾われたらしい)…。女性運転手は中国初のアイドルと言われた趙微、小汚い造形だけれど、そういうわけだから結末は想像付く次第。
 脇に出てくるのが香港のサム・リー(日本映画『ピンポン』にも出たことがある)、台湾の“もこみち”ことディラン・クオ。あと塚本高史とか和田聡宏とか、お好みはどちら?みたいなキャスティング。

 で、お財布も携帯も持たずに出かけて事故に会い、勢いでタクシーに乗せられ、しゃべれる中国語は“真漂亮(とっても綺麗)”のみ、もちろん日本語まったく話せない運転手趙微、その彼女の片思いの成り行き、その他もろもろ絡んで勘違いの一方通行のかかわりが次第に少しずつ変化していく。

 チャーミングで私は好きですよ、でもね、西田尚美さんの気持は?そういう具合にすっきりいく?それだけひっかかった私であります。理恵役の女の子、大塚しのぶサンは中国の演劇学校に留学したことがあるんだって。

MOVIE
comment(0) 2007.09.27 12:38

スキヤキウエスタンジャンゴ

http://www.sonypictures.jp/movies/sukiyakiwesterndjango/index.html
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監督 三池崇史
出演 伊藤英明 佐藤浩市 伊勢谷友介 安藤政信 香川照之 桃井かおり 木村佳乃 

 なんとまあかくも豪華なキャスティングをもってこーんなとんでもない映画を作っちゃうもんかい三池監督・・・。
 のっけから風呂屋?みたいな書割をバックにクエンティン・タランティーノさんじゃあありませんか、何やってんの?と、いう間もなく(そういえば慎吾ちゃんも出てたな)源義経という名の男率いるにーちゃんたちと平清盛という名の男率いるにーちゃんたちがお宝探して山奥の村で対立してたら一人のガンマンが流れてくるのさ。で、死屍累々の騒ぎになるのですよ。なぜか全編(ごく一部を除き)英語の台詞。大概の人は英語へたくそ。
 
 予備知識無しに見に来たらしい年配のご夫婦が途中で退場なさっていました。無理も無い・・・。

 なんだかんだ過去の映画や役者のパクリで遊んでいる、その中で香川照之がやっているのが『ロードオヴザリング』の二重人格の狂言回しの生き物、名前何といったっけ?の明らかなパクリ。その香川と、木村佳乃サンと桃井かおりサンを、見に行きましょう。見る気がある方はね。木村佳乃サンの英語はほとんどネイティヴ。最後のあたりもひょっとして自閉していた少年が“シェーン、カムバーック”と叫ぶかと思ったけれどさすがにそれはしなかった、が、伊藤英明の存在はほぼそんな感じ。で、少年は後にイタリアに行ってジャンゴと呼ばれる男になったんですとさ。わかる?マカロニウエスタン『荒野の用心棒』。

 うーん、まあ、ワースト系の作品ですが、北島三郎さんの歌『ジャンゴ』耳に残りましたね。むかーし聞いた歌ではジャンゴウー、と歌っていた、北島さんは、ジャンーゴと発音するんだなあなど思って。

MOVIE
comment(0) 2007.09.22 22:58

楽日

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台湾映画 2003年作品 DVD鑑賞
監督 蔡明亮
出演 苗天 チェン・シャンチー、李康生 三田村恭伸

 楽しい日、ではありません、らくび と読んでください。古びた映画館、上映されているのは1960年代武侠映画の大ヒット作として知られるキン・フー監督の『血闘竜門の宿』。観客はまばら。その映画館は、この日を最後に休館することになっています。

 何も起らない。起りそうにはなるが、何も起らない、淡々と過ぎる映画館終わりの日。足の不自由な従業員の女性が、大きな桃饅頭を炊飯器で暖めていたり。
 その劇中劇として上映されている映画に、出演していた往年のスター(実際の話)シー・チュン、そしてミャオ・ティエン(苗天)がばったり出会って語るシーンがある。“近頃はみんな映画を見なくなりましたね・・・”。

 で、メインで出てくる男、「我是日本人(僕は日本人だ)」としゃべるだけの男は、何?実はゲイだったの?ただその映画館に紛れ込んだだけ?最終上映だと知っていてその映画館を味わっているの?わからないんだよお・・・。

 いつも蔡明亮の映画で主演している李康生は、ここでは映写技師としてただ普通に出てくるだけ。

 原題『不散』これと前に紹介した李康生監督の映画「迷子」の原題『不見』を合わせると“不見不散”中国語で会えるまで待ってる、必ず会おう、と言った意味。初めは、『不見』のラストでおじいちゃんと(迷子の)子供が出てくる、そして『不散』の日本人が映画館に入る、という構成の一本の作品になるはずだったらしい。

 うーん・・・変な映画です・・・かなりマニアックな方にしかお勧めは出来ませんが、『西瓜』『不見』『不散』を、もしもまとめてみるエネルギーがあったら、あん?この俳優さんがこんなとこに!とか発見があるでしょう。面白くない人には全然面白くもなんとも無いでしょう、が。

MOVIE
comment(0) 2007.08.29 21:52

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