罪の手ざわり

罪の手触りhttp://www.bitters.co.jp/tumi/

監督 賈樟柯ジア・ジャンクー

出演 姜武ジアン・ウー 趙涛チャオ・タオ 王宝強ワン・パオチアン 羅藍山ルオ・ランシャン

うーん、現代中国中国の田舎の、貧しさ、格差、閉塞感は、80年代日本の「そこのみにて光り輝く」の姿を圧倒するなあ。

賈樟柯の作品は、初期のものを除いてオフィス北野が関わっている。なんだかなあ、ことさら北野カラーだなあ、今回、と思いつつ見る。追い剥ぎのような目に会うかと思いきや、その追い剥ぎを撃ち殺す男。後にわかるが、彼は、重慶の家族には出稼ぎと言って、強盗を繰り返し、仕送りをしている。

山西省の炭鉱で働く男は、村の共同財産であったはずの利益が実業家と村長によって独占されていると疑っている。

湖北省の女は、不倫の関係の男と関係を切れないままサウナ(性を売る女がいる)の受け付けをしている。

広東省の縫製工場で働いていた若い男は、同僚にけがをさせたことでそこを辞め、香港や台湾からの客を相手にするナイトクラブのボーイになる。

私は中国語学習者だが、この映画ではなまりがひどくて聞き取れない。そして彼らが起こす殺人、或いは自殺、それは実際に起こった良く知られた話だそうだ。映画の中で、いわゆるドサ回り芝居であるらしい京劇(かな?)の内容に触発されて銃を取って行動に移したり、その内容と自分の心の中を二重写しさせたりするシーンがある。

中国での正式上映の可能性を、初めから捨てているのだろう。性産業は中国には存在しないことになっているはずだ。ちなみに幽霊とか高校生の恋愛とか婚前性愛とかできちゃった婚とか、無いことになっている。

なかなか人が入らないよね、こういう映画。カンヌで脚本賞獲ったと言えど。監督夫人でもある趙涛がナイフを手にしているシーンが、そりゃあ素人のナイフあしらいじゃ無い!と思われたが、監督はなにやらあれこれ武侠映画を意識していたらしい。なるほど。

 

 

 

コメントをどうぞ

コメント(*必須)

CAPTCHA


*