桐島です
監督 高橋伴明
出演 毎熊克哉 北香那 山中聡 原田喧太
ちょっと気にはなっていた作品を、高く評価している人がいたので、映画館へ。
東アジア反日武装戦線、腹腹時計、古い記憶の隅にはある。70年代のその過激な活動を語るシーンにはイライラうんざりしてああ間違ったかな、と思っていた。が。
70年代の連続企業爆破事件により指名手配されていた男、桐島聡。2024年1月、末期の胃癌で神奈川の病院に入院していた男が、桐島です、と名乗ったというニュースに驚いた。指名手配ポスターで長年目にしていた男。内田洋と名乗って、土木関係の仕事に就いて普通に暮らしていたのだった。
ライブハウスでもあるバーのマスター役を原田喧太がやっていて、お、と思った私であります。原田芳雄さんの息子のギタリスト。今でもたまに演技もやっているのか。まあこの役は役名もケンタ、芝居は要らないけど。その店でキーナと言う女性が歌った『時代おくれ』を聞いて、店を飛び出して涙する内田洋。北香奈が演じるキーナの澄んだ声のその歌は、河島英五の歌であることをちょっと忘れる雰囲気。
淡々と普通に、カラオケで歌ったりバンドの演奏に浮かれていたりする生活、だけれどキーナに寄せられる思いに答えることはできない。テレビ画面でしゃべる安倍首相に耐えられず画面に物を投げる。そこは監督の感情だったかもしれないが。
過激派の理屈の部分が過ぎたら、その地味な生活に引き込まれていた。
出自がロマンポルノやピンクの役者さんが何人か出ている。ちょっとした感慨。









一人で49年間も、別人として逃げ続ける。というか別人として生き続けた。
(精神的な意味で)何故それができたのか?
とても興味があるけど、きっと本人の言葉でなければ分からないことですね。
この映画では、気づいていた人もいた、と取れる形になっています。私のように声でわかったとか後ろ姿でわかったとか言われる人間には無理かと。
平野啓一郎の『ある男』も、別人として生きていた話ですが。
死を前にして、名乗ったというのも、その心情はどういうものだったかと思いますね。