ババヤガの夜

著者 王谷晶

河出文庫

7月に英国推理作家協会賞・ダガー賞の翻訳部門で日本人初の受賞!とニュースになった作品。ダガー賞というものは目にしたことがあるけれど、王谷晶という日本の作家のことは初めて知った。そしてニュースで知ったその姿はなかなかのインパクトがあった。

暴力団排除条例とか法律上の規制が厳しくなる前の時代、ヤクザの組に路上でスカウトされてしまう女、新道依子22歳。組長の娘・内樹尚子の運転手兼ボディガードとして。

最近は血腥い小説を読まないが、かつて読んだ裏社会物のどれよりひどい気がする暴力と下卑た言葉の暴力と下卑た男達の頭の作りたるや、実に!なんだかんだ言って、男性が書くと同じ事でももう少し理屈つけカッコつけた任侠世界っぽくなるんじゃないか。女性作家だからこその身も蓋も無さ。

なんだけど。

そもそもババヤガって何?ググったら、スラブ民話に出てくる魔女バーバ・ヤーガ、日本の山姥に似て、人をさらって食うこともあるが人助けもする、というものだそうだ。ムソルグスキーの『展覧会の絵』の中に『鶏の足の上に立つ家 バーバ・ヤーガ』と言う楽曲があるって。なんだか祖母を指す意味もあるとか。で、もう一度この暴力小説を読み直すと、そう、新道依子は祖父からは暴力の使い方を教えられ、青灰色の目をした祖母からはお話を聞いて育ったのだが、依子が一番好きだったのは鬼婆の話で、鬼婆は鶏の足が生えてる家に住んでる、というのをお嬢様尚子に聞かせる部分があるじゃないか。

四十年後、というところに及ぶのだが今から読む人のために詳しくは申しません。トンデモな破壊力、でも読後感は悪くない。映画化したくてもキャスティングが厳しい、セリフが(だけじゃないが)汚すぎる、たとえ映画化されたとしても、決して地上波で放映できないね。

 

 

コメント (4)

atcon2025年8月26日(火曜日) at 7:23 PM

この前「武田砂鉄のプレ金ナイト」に王谷晶さんが出演されていました。
「ババヤガの夜」についての話、面白くて聞き入りました。
王谷晶さんのエッセイ「カラダは私の何なんだ?」も気になります。

武田砂鉄 × 王谷晶 【プレ金ナイト】15分23秒から
→https://www.youtube.com/watch?v=0glf0fz985I

あある2025年8月30日(土曜日) at 8:31 PM

この作家、もっと読みたいと思っています。
26日にコメントくださって、私が気づいたのが昨日だったのですが、実は、24日日曜日の昼前に、スズメバチに刺されました。里山方面でちょっと草を払おうとして。すぐ水道で流し、持ってきていた氷水で冷やし、従姉に迎えに来てもらって、近くで薬も買って、冷し続けたけれど腫れは広がり。あ、刺されたのは右手の小指と薬指の根本の間、すんごい厚みのある手の平、腕の方までだんだん広がり、周期的にひどいかゆみに襲われ。
というわけでご返事遅くなりました。今はほとんど元に戻りました。

atcon2025年8月31日(日曜日) at 11:01 AM

スズメ蜂!それは痛かったでしょう!
私は以前墓地でアシナガ蜂に刺されたことがあって、日が暮れてから蜂の巣駆除に行き、暗いし怖いし、、、ってことを今思い出しました。
しかし、スズメ蜂の駆除は素人では難しいし、痛みも腫れもスズメ蜂の方が断然酷い感じですね。
夏は何かとやっかい。速く秋になって欲しいーー

あある2025年9月2日(火曜日) at 11:14 AM

私も蜜蜂の巣を退治したことならあります。レインコートや被り物で万全の準備をして、蜂用スプレーで。
『スズメバチの巣』って検屍官シリーズにありましたね、コーンウェルだったかな。

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