幸福路のチー

監督 ソン・シンイン
声の出演 グイ・ルンメイ ウェイ・ダーション

アメリカで暮らしているチーのもとに、台湾の祖母が亡くなったと知らせが入る。久しぶりに帰った台湾は、昔とずいぶん違っている。
祖母は少数民族であるアミ族だった。子供の頃は、そのために野蛮人呼ばわりされたこともある。
そんな、75年生まれの少女の小学生時代、アメリカ人との混血の子ベティと親しくなる。その後医者になれという両親の期待で苦手な勉強をしていた時代、医学部ではなく自分の好きな文学部に入って学生運動をしていた大学時代。大地震。まだ戒厳令が存在していた時代、政治の話をすることが危険だった時代から、その後の民主化へ、変化の時代。今の、現実の問題と、思い出の中の、あるいは空想の中の、時を行き来する。
両親は台湾語で生活している。北京語はできない。学校では北京語を話さなければならない。祖母は本来アミ族の言語を話すのだろうが、ここでは北京語を話している。実際のこの時代ではまだ日本語の方がしゃべり易かったかもしれない、などと思うのだが。

社会人になって、忙しく働き、機会を得てアメリカに渡る。縁あって結婚する、そしてその関係の終わりが見えていて。

子ども時代のシーンで、誰呀誰呀誰呀(シェイヤーシェイヤーシェイヤー)♪と歌声、おお、誰だ・誰だ・誰だー、空のかなたに踊る影、ですよ、ガッチャマン!台湾でも放映されていたんだ。個人的には小虎隊(日本の少年隊をモデルに作られただろうアイドル)のポスター(マンガだけど)にニヤリ。

監督は京都大学で映画理論を学んだ後、コロンビア・カレッジ・シカゴで映画修士号を取得した女性。
2020年の初めに観た映画は、とても好きな作品でした。

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