いますぐ抱きしめたい

監督 王家偉

撮影 劉偉強

出演 劉徳華 張学友 張曼玉

原題『旺角卡門(旺角カルメン)』英題『As Tears Go By』。1988年香港、王家偉初監督作品。撮影はまだクリストファー・ドイルではなくて、『インファナル・アフェア』などの監督、アンドリュー・ラウ。だが、その初めからウォン・カーウァイらしい映像なのだなあと改めて思う。

話はまあその後の彼の作品らしくは無い。黒社会のチンピラたち、アンディ・ラウは1961年生まれだそうだから、1988年には27歳、ピカピカの美しい男だが仕事は借金の取り立て、その手段は喧嘩。彼を慕う弟分、のちに歌神と呼ばれるジャッキー・チュンがどうしようもない莫迦な役。脳とか神経のどこかに問題があるとしか思えない行動ばかり。

従妹のマギーが肺の不調を病院で調べるためにやってきて、アンディの家に泊まることになる。初々しいマギー。

アンディだって褒められたものじゃない。長く付き合っていた女に見切りを付けられるに十分な理由だろう、それは、と思うぞ。

切れやすいジャッキーに振り回され。見放さないアンディ。

ああ、このシーンだ、昔のポスターの!と思うが私が観たのはレンタルビデオの表紙だっただろう。この作品、いくつか違うバージョンがあるとは知っていたが、公開される国で編集を変えたとか。それぞれの国情に合わせているらしい。死なないバージョンもあるそうだ。今回、劇中歌の女性が歌う曲、なんだっけ、これ知ってる、と思ったがなんと“トップ・ガン”の主題歌だった。林憶蓮の歌声。そのほかの歌声はアンディ。劇中歌もいくつかの組み合わせがあるという。

そして、クソな弟分のジャッキー、うまい。全くすっきりしないけれど、香港チンピラ映画の名作だと、今回スクリーンで観て思ったのでした。

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