西湖畔に生きる

監督 グー・シャオガン

出演 呉磊 蒋勤勤 陈建斌 王佳佳

『春江水暖』に続く顾晓岗監督作品。杭州の西湖界隈の美しい自然が描かれる一方、西湖の向こう側にはビルが立ち並ぶ都会が見えているように、現代のマルチ商法詐欺に引き込まれていく母親、阻止するために動く息子の姿。

茶畑で茶摘みをしていた母・苔花とその息子・目蓮。父は10年前に行方不明になっている。母も恋をする。相手の男の母親が怒鳴り込んできて、仕事をクビになる苔花。

友人に誘われ、高額を手にすることができるとうたうビジネスに引き込まれていく苔花。そのグループの新興宗教教祖のような謳い文句、祭りのような勢い、叫び。地味に茶摘みをしていた女が、派手な化粧や服装になり、高揚し自己肯定感に包まれていく。家を売り払って資金を作り、商品を積み上げている。足裏に貼る湿布だよ、それであれもこれも健康になるってさあ。

苔花を演じている女性、時代劇ドラマで見た顔・・・「清越坊の女たち 当家主母」だ。息子は『琅琊榜』の時にはまだ少年だった呉磊、成長を見守るハハゴコロというかババゴコロと申すかそんな気分。3歳の頃からこの世界にいるそうだ。

頑張って母を助け出す。その後の描き方はどこまでが現実か幻想か。息子は大学を出ているのになかなか良い仕事に就けない様子なのは今の中国の状況だろう。生活費はどうしている?と疑問が沸くのだが。

『目蓮救母』と言う、釈迦の十大弟子の一人が地獄に落ちた母を救うという物語をベースにしている。音楽は梅林茂。山水映画第2弾ということなので、杭州の美しい景色を舞台にしたシリーズが続くのだろう。俳優たちは南方訛りの中国語で話していた。

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