家裁調査官・庵原かのん
著者 乃南アサ
新潮文庫
家裁調査官という職業については、この文庫の解説で説明している。少年非行に対応するために、心理学・教育学・福祉学・社会学・法律学と言う5領域から選抜されるものだという。そして、この連作の最初の『自転車泥棒』の中にも説明がある。「少年」と呼ぶが、女子も含まれること、問題を起こした少年の「問題の原因を探る」ために存在するのが家庭裁判所調査官であること、など。
例えば親の過干渉、発達障害、ドメスティックバイオレンスそれも性的な、etc.。
庵原かのんはホテル業界で3年働いた後、裁判所職員採用総合職試験を受けて家裁調査官補に採用されたという経歴を持ち、遠距離交際中の恋人がいる今年35歳になる女性。ビアンキという(イタリア製の)自転車に乗っている。この仕事は3年おきに転勤がある。だから、彼女が担当した少年のその後を知ることはまず無い。
こういう職業に就くには、自らの精神のバランスがぶれない、揺るぎが少ない人でないと難しいだろうなあ…と、何かと揺らぐ私は思う。
動物園に勤めている恋人とか、弟とかがチラッと出てくるのだがこれがなかなか魅力的。恋人との関係の中で、ちょっと心が揺らぐシーンがまああるけどね。
乃南アサは、東京家裁で家庭裁判所委員を2期務めた後、これを執筆したそうだ。かつてこの作家の作品を『凍える牙』を始めいくつか読んだ。庵原かのんの続編やそのほかのものにまた手を伸ばそうという気になっている。帯には乃南ミステリー新シリーズとある。広義にはミステリーかな?









乃南アサのデビュー作『幸福な朝食』が衝撃的に面白かったです。
『凍える牙』も良かった。
あー、思い出したらなんかミステリーを読みたくなった~
「幸福な朝食」って読んでないと思う。どうやらイヤミス?今は後味良い系の話を読みたい。歳のせい、気候のせい?
確かに。今思えば乃南アサの初期にはイヤミスに分類できる作品が多かったかも。
「幸福な朝食」も救いのない話だった。でも嫌な気持ちというより、ちょっと切なくなる読後感でしたよ。
私は湊かなえの「告白」を読んでから、イヤミス系小説はなるべく避けるようになりました。
とは言えドラマ化されたものは結構観ているから、エンタメ化されると抗えない。