神去なあなあ夜話

神去なあなあ夜話三浦しおん
徳間文庫

前作に「神去なあなあ日常」〈http://art-container.net/mbblog/diarypro/archives/233.html参照〉があり、その後日譚。

お気楽にテキトーにフリーター人生に突入するつもりだった若者が、林業の世界に放り込まれ…で、そのうちその世界になじんでそれなりに成長を遂げ、というお話のその後は?
パソコンに向かって文章を入力しているだけなのだが、一般読者が存在している、という妄想のもとに書き進んでいる、ことになっている。

高齢で足が悪く大概茶の間にちんまり座っているはずの、繁ばあちゃんが、いつの間にかパソコンの扱いを覚えて、デートの事情を盗み見られたり。

昔ながらの儀式や決まり事を守って生活している田舎の、のどかそうな日々の中にも、辛い過去や、事情が隠れている。少しずつ垣間見えてくるなにやかやを受け止めながら、少しずつ山仕事の人間になりつつある平野勇気クンなのである。

先日、半分眠りながら聞いていたラジオの深夜放送の中で、林業の世界に入りたくてストーカーのように押しかけ、無理やり目的の会社に入った女性の話があった。可愛らしい声の、若い女性、しかも東大農学部卒!仕事道具はチェーンソーや刈り払い機!

ほとんど死に瀕していた林業が、復活の兆しを見せているらしい。森林もきちんと人の手が入ってこそ守り育てられる。若者が、女性が、その世界に進出してくれているのは心強い限りであります。

勇気くんの成長物語としては前作のほうがより面白かったのではありますが、まあ今後続いていくことを期待して、次回作もまた!

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