山河ノスタルジア

山河ノスタルジア監督 賈樟柯ジア・ジャンクー
出演 趙濤チャオ・タオ 張譯チャン・イー 梁景東リャン・ジントン 董子健ドン・ツージエン
張艾嘉シルビア・チャン

1999年、山西省・汾陽(フェンヤン)。一人の女に二人の男。仲のいい3人だった。が、二人の男はそれぞれに女を想い、自分のものにすることを願ってした。積極的にアプローチする成金の男。次第に惹かれていく女。結婚が決まり、残された男は故郷を離れる。

2014年、女は離婚し、生まれた男の子は父親の元、新しい母親と上海で暮らしている。女の父親が急死し、葬式のため男の子ダオラーを呼び寄せる。

2025年、ダオラーは父とオーストラリアに移住し大学生となっているが、すでに中国語を忘れている。中国語教師の女性と親しくなり。

ペット・ショップ・ボーイズの「GO WEST」で踊る1999年の中国。そしてサリー・イップの広東語の歌「珍重」が、90年代から2025年をつないでいく。

なーんでそっちの男を選ぶかなあ…。田舎の成金丸出し。

この監督前作でもそうだったが、中国語が方言なので、イントネーションが全く違う。そもそもそういう方言の地方から、上海に引っ越して育った時点で、母と子のコミュニケーションになにがしかの祖語を生じる。上海の国際学校から、今度はオーストラリア、父と子は、グーグル翻訳を通して会話しなければならなくなってしまう。この父と子は、同じ言語を話したとしても、話が通じそうにもない。成金青年だった男は、西洋の地で洗練などしていない。なぜか金には不自由しないらしいが、息子がマミーと呼んでいた二度めの妻とも別れたのか?

ふと気が付くと、スクリーンのサイズが途中で変わっていた。

中国の激しい変化の中で、もう一人の男は石炭採掘の仕事で塵肺になり、故郷に戻ってくる。女から治療費を借りることになる。

台湾の女優であり監督でもあるシルビア・チャンが、中国語教師の役で出てきたのに驚いたが、実年齢が私とそう違わない彼女が、大学生になった息子と恋愛?うーむ。サリー・イップの歌つながりで彼女に母の面影を見た、のだけれど。

成金男を始め、なんかヒトの嫌な部分が結構出てくる。嫌だなあと、思うが、ヒトの生きる時間には当然、嫌な奴だった時がある。自分にももちろんある。何度もある。

おそらく、年齢が高い観客のほうが、感じるものがあるだろう。若い人が見ても面白くないだろうと思う。

 

 

 

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