私のことだま漂流記
著者 山田詠美
講談社文庫
山田詠美のデビューからファンだった。
いつの間にかあまり読まなくなった。何かで今は日本人と結婚していると知って驚いた。
かつての彼女の作品で、基地の黒人の恋人との奔放な真摯な恋愛模様、別れなど描かれていた、それが非難されるべき生き方などとは微塵も思わなかった。が、当時、一部のオジサンたちには面白くないことであったらしい。へーえ。実に、へーえ。確かにクラブのホステスなどの職業、黒人と付き合う女たち、恋愛の合間に軽食のような関係を持ったり、私の知らない世界で物語は動いていたけれど。
野坂昭如が言ったそうだ。「そりゃ嫉妬だよ、だってあなた小説うまいじゃないの」何かに秀でた女に嫉妬する男は何かしらケチつけるものを見つけようと躍起になる、のだって。令和の今、芥川賞であれ直木賞であれそのほかの文学賞であれ、女性の受章者は多いよね、実に隔世の感。
半村良、久しぶりに目にした名前だ、彼の言葉に“作者は読者のなれの果て”というのがあるそうだ。なるほどね、作家の皆さんどちら様も、どこにそんな時間があるんだか、誠にによく読んでいらっしゃると思う。例外として先日見たテレビ(あの本読みました?)の中で若い理系の作家さんが、読まずに生きてきて、突然ストーリーが湧いた、デビューしてから読んでいる旨の話をしていて、驚いたが。詠美さんも本ばかり読んでいないで、と言われる子どもだったようだ。フランソワーズ・サガンの『悲しみよ こんにちは』に出会って酔う中学生…今では存在しないだろうなあ。えーと、現国の教科書読むのが楽しみだったのは、私も同じ。
湾岸戦争が勃発し、「湾岸戦争に反対する文学者同盟」と言うものができて誘われた時の話。夫がアメリカ軍人なのに行けるわけない!という、まさに当事者だった彼女の叫び。
宇野千代ファンなのは知っていた、さもありなん、な気がするが、河野多恵子が都度都度適切なアドバイスをくださった、と言う。そしてうっかり河野先生、と呼んだら、あなたの先生は宇野千代だけじゃなかったの、と意地悪な声音で言われた、って。
田中小実昌、水上勉、ほかいろいろな作家の名前が出てくる。ストリップ小屋でのアルバイトを終わる時の、そこの主のようなオジサンとの話も良い。
1959年生まれの詠美さんだったか。そうか。









もうあの爬虫類系の顔を見るのも嫌になって、これではいけないと思うものの。どうして…