カフネ

著者 阿部暁子

出版社 講談社

死んだ弟の元恋人を、カフェで待つ姉。元恋人は遅刻している。現れた女、小野寺せつなは、デニムのつなぎ服、コンバットブーツ姿。遅刻を詫びることも無い、不躾な質問にいら立っていた姉、薫子がその場に倒れる。倒れた薫子をマンションまで送ったせつなは、強引に部屋に入り込み、そこにあった豆乳とコンソメなどで温かいそうめんを作り、薫子に差し出す。

妊活を頑張っていたのに夫に離婚され、溺愛していた弟に死なれ、アルコールに逃げていた生活であったことがわかってくる薫子。職業は法務局の供託官。

『カフネ』という家事代行サービス会社に勤めるせつな。薫子の片付けの腕を見込んだせつなが、サービスチケットで2時間業務を行う部分の相棒としてスカウトするのだ。

登場人物それぞれに、それぞれの事情がある。と、言うことが、だんだんに見えてくる。弟・春彦は自然死だったのか?自殺ではなかったか?という、ミステリーな気配も漂う。

2024年5月初版発行、この、今の時代、が、さまざま現わされる。

ところどころで涙腺緩む。誰かの姿に自らを投影させたりする人が多いだろう。が、もうちょっと先取りしてほしかったかなあ…と、感じる私は何者?

第一回あの本読みましたか大賞、その番組を見ていたので読みたいと思った作品。

 

 

コメントをどうぞ

コメント(*必須)

CAPTCHA