欲望の翼

監督 王家衛
出演 張国栄レスリー・チャン 張曼玉マギー・チャン 劉嘉玲カリーナ・ラウ 劉徳華アンディ・ラウ 張学友ジャッキー・チュン

1960年代の香港、サッカー場の売店、そうそう、昔そうやってコーラの瓶のふたを開けた、その男ヨディ(レスリー)が売り子のスー(マギー)にささやく、「一分間だけ時計を見ろ、1960年4月16日午後3時1分前の一分間、二人は確かに一緒にいた、友達だった。この一分を忘れない」。
あの頃の美しいレスリーからそんなこと言われちゃったらねえ、そりゃ落ちますわ。
結婚するつもりなどない男から去るスーは、それでも思いを断ち切ることができない。男はすでにミミ(カリーナ)と寝ている。

金持ちの義母の金で遊び暮らしている男は、実母に会いたい。義母がアメリカ人の男とアメリカに行くことになり、フィリピンにいるという義母を探しに行く男。

メインストーリーはそんなものだけど、そこに別の女や男たち、届かぬ想いたちが絡んで、フィリピンの森林の緑とザビア・クガートの音楽。クリストファー・ドイルのカメラ。

スクリーンで観たのは初めてだけど、TVやビデオで2~3回観ている。そして今回初めて気づいたこと、義母の言葉は上海語だ。お手伝いさんの言葉も聞き取れないからなに人だ?と思った、けどそれも上海語だったのね。上海から香港にやってきたのね、義母。水商売で生活してきた人。
そしてもう一つ、エンドロールで歌が流れる、梅艶芳アニタ・ムイが歌っていた。ザビア・クガートの曲。

ラストの唐突なトニー・レオン登場については、まあ王家衛作品だからね、きっとたくさん撮影はしていて、残りのシーンはカットされた、ってことでしょう。昔読んだものでは、2部作にするはずだった、けれどどんどんスター階段を上るキャストの都合がつかず。で、間に「恋する惑星」「楽園の傷」「天使の涙」「ブエノスアイレス」が作られ、ずっと噂だけがあってタイトルが次々変更されて、2000年の「花様年華」2004年「2046」につながった、とか。

「欲望の翼」「ブエノスアイレス」は、レスリーあってこそ、と言う作品。ほかの誰か、と言うことがイメージできない。

のだけど、フィギュアスケートのアダム・リッポン知ってる?彼の演技を見ていると、あー、レスリー!と思う、この映画の中でレスリーが一人踊ってるシーンを見て、やっぱりアダム・リッポンを思い出すのでありました。お嬢ちゃん、姫、な、あの感じ。

アンディ・ラウは、レスリーと並ぶと美しく見えない。88年の王家衛「今すぐ抱きしめたい」でのアンディはどうだったか?どっちかと言うと最近のほうが良いかも。
この映画では、マギーよりもカリーナの迫力が勝っている。そして、後に、カリーナとトニー・レオンは長い交際ののち、結婚し、今に至っている。

 

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