GF・BF
出演 グイ・ルンメイ ジョセフ・チャン リディアン・ヴォーン
初めは、短パンを穿きたい、スカートはやだ!とデモンストレーションする高校生の女の子たち、現代。双子の女の子の親代わりであるチョンリャン。
そして、1985年。まだそこは戒厳令下にあった台湾で、高校生だった女の子メイパオと、二人の男子チョンリャンとシンレンは仲のいい友人で、高校生活を謳歌していた。メイパオとチョンリャンはカップルとみなされていた。が、ある日、チョンリャンは、メイパオとは何もない、付き合っているわけではないといういるわけではないと言う。それを聞いて、シンレンはメイパオに告白する。…校内誌にも検閲が入る状況なんだけどね。
台湾の青春映画には、どういうわけかしばしばゲイ・ピープルが登場する。制作される作品数の割合としては多いと思うよ。ネタばれで悪いけど、彼女は彼を思い、彼は彼を思い…という報われない関係。
と、言っても、前半はいかにも台湾青春映画らしいあけすけで楽しげな高校生活が描かれ、素っ裸の男子たちが逃げ回るとか、発禁本を屋台で売るとか、全く!であったりする。流れる台湾語の歌謡曲の中には、原曲が日本の演歌があったり、会話の中になーんか日本語が挟み込まれたり、というのが時代を表しているのかも。
90年、大学生になった男子たちは、学生運動のただなかにある。民主・自由を要求する彼ら。日本とは20年のタイムラグ。
97年、浮気者だったシンレンと、メイパオは不倫している。チョンリャンは既婚者である男との関係を続けている。
2012年、冒頭の双子は、メイパオの娘だった。
私の皮膚のどこか薄いところを突いてくる、大好きな映画でした。報われない想いたち、自由を求める時代の魂たち。
台湾の歴史を知らない人には、よくわからないことが多いだろうけど。
終わり近くに出てくる歌、「埴生の宿」のメロディと重なって歌われる歌、いいなあと思ったら、羅大佑の『家』という曲だった。最後、タイトルバックに流れた曲も良かったな。その2曲のためにDVDを買いたいぐらい。
「令和の昭和感」という表現に嵌りました。 なんかそういう感じ、日頃、感じること…