彩雲国秘抄 骸骨を乞う
著者 雪乃紗衣
角川文庫
ライトノベルという分類なのだろう。時に、正しくないかもね、という言葉の使い方があったりもするし、そもそも若い子たち風の会話言葉がなにかとあるので、ん?と引っかかるのだよ年寄りはさ。
が、小野不由美の『十二国記』シリーズや上橋菜穂子の『守り人』シリーズ、阿部智里『八咫烏』シリーズなど、もともと子供向け、若いゲーム好き層に向けたかと思われるライトノベルの中から、良きファンタジーが生まれているよねえ。
で、たまたまこの作家の『レアリア』が、友人宅から我が家にやってきて、かーなり読みにくい、状況がつかみにくいお話であったにもかかわらず、魅力的に思えた。ので、まあ日本ファンタジー界では知られた作品であるらしい『彩雲国物語』を読み始め、まだシリーズ5までしか読んでいない、のに、友人宅から今度はこの『骸骨を乞う』がやってきた。
『彩雲国物語』を知らない人のために。昔昔中華などこかの国、貧乏貴族の娘紅秀麗という子がいました。昏君(バカ殿)と呼ばれている王に仕えることになり、賢く根性ある秀麗は、そのうち国で初めての女性の官吏になり、荒れた国で戦い始め~。
シリーズ途中までしか読んでいないのに外伝的なもの読むから、知らない名前もいろいろ出てきて、なにかと戸惑いながら。
生きて、戦って、滅びに向かう。まあそういうお話。
ですが、わたくしまことに久しぶりに、びいびい涙しながら読み進みましたよ。途中で、じぶんどこか病んでるか?と疑問符を抱くほどに。
読み終わって、いや、関係性が良くわからないままだったからもう一回読んでみよう、と始めから読んでいくと、またぼろぼろ涙してしまう。友人から来たのは単行本だったのだが、近所の書店で文庫を見かけたら、一遍足してあるという。文庫下巻を買い、その最後の部分を読み、ここ数日で一年分の涙した感ありますぜ。
日本のファンタジーが好きな人なら、とっくに知ってるんだろうけれど、作家の名前が雪乃紗衣、えーと、と思った私が悪うございました。存じ上げてうれしゅうございます。
「令和の昭和感」という表現に嵌りました。 なんかそういう感じ、日頃、感じること…