童年往事 時の流れ

監督 侯孝賢
出演 游案順 梅芳 田豊 辛樹芬

監督の自伝的な作品だという。第二次世界大戦後、大陸から台湾に渡ってきた家族。
私の子どもの頃にはまだ存在した景色、男の子のビー玉、喧嘩独楽、女の子のゴム飛び、古新聞や屑鉄を買いに来て天秤計りで重さを量る。
日本の植民地だったのだから、戦後すぐのこの時期には畳、障子があることが当たり前の家。トラック以外の自動車は無くて、自転車で引く人力車のようなものがタクシー代わりだ。
ただ、大陸と台湾はまだ戦争が続いている。
私は90年代後半まだビデオテープの時代にこの作品を見ているのだが、木の根元にビー玉と小銭を隠したシーンとか、少しばかりしか記憶になかった。

高校生に成長した姿が、もういい加減腹立ってくる単純な喧嘩三昧馬鹿なお姿なのだが。そんな中で、父が、母が病んで、亡くなる。主人公をひいきにしていた祖母は、この作品の初めから、少しボケているようだった。大陸に帰りたいおばあちゃん。おばあちゃんの時には気の利かない男二人しかいないからったって、かわいそうな死を迎えてしまう。

外省人である親たちの思い、台湾育ちの子どもたち。

しばしば小津安二郎の影響を言われる侯孝賢の、いややっぱり侯孝賢だ、という、結果的に見応えのある作品でございました。1985年制作。

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