いつか深い穴に落ちるまで

著者 山野辺太郎
出版社 河出書房新社

いやはや。
荒唐無稽にもほどがあるだろ。落語の頭山とかちょっと思い出す。

地球に穴を掘る。なぜ?だって近道だから、地球の裏側に行くのに。
第二次世界大戦の後、運輸省の若手官僚が思いつく。底の無い穴を地球に掘ることを。そして、数十年後に正式決定し、秘密裏に掘り始める。発案者はとうに故人となり、担当は別の若手。ブラジル側からと日本側から。温泉を掘る技術を使って。実際温泉が出てしまって中断することなどありつつ。

えーと、まずその掘り進む経過の土はどこに置くのだろう?時々火山が噴火するよ、地球の内部のマグマは超高温だよ、どうするの?とか、ふっとばしてとにかく地球を下へ下へ掘る。

妙にリアルな、某国要人とディズニーランドで待ち合わせる話とか、サラリーマン社会のいろいろとか、ブラジル側の担当女性との恋心とか。

計画はホラ吹き男爵も負けそうだけれど、それぞれのエピソードや、取り組み方は大変に生真面目でもあり。一体どういう着地を?と気になる。

着地?それがねえ。

この作家、次はどこへ行くのだろう。東大文学部、大学院、という人。文系だよねえ、と言ったって東大だし、地球内部の知識なんかたっぷりあるさ。はああ。
第55回文藝賞受賞。

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