風のベーコンサンド
著者 柴田よしき
文春文庫
ペンションブームってものが、かつてありました。清里が有名でしたね。霧島にだってありましたよ。ウォーキングしてペンション一泊するという企画があって、参加したことがありました。
で、バブル崩壊と共にペンションブームも去りました。建物だけが残りました。
その建物を利用して、カフェを開業した菜穂。東京の出版社を辞めて。
お・い・し・そう!な食べ物がいろいろ出てきます。地元で生産された食材を使って。生産者の誰かに、何かしらの事情があったり、菜穂自身も、モラハラ夫が離婚を承諾しないという問題を抱えながら、道を求めて来た経過があったり、さわやかな風ときれいな花が咲くばかりとはいきません。シンプルにベーコンを焼いて焼きすぎないでそれだけのサンドイッチを食べたくなります。サラダにモミジイチゴを飾るって、私にはできますよん。モミジイチゴの葉っぱがあちこちから出てくる某所にしょっちゅう出かけるもん。
傍目にはわからないけれど皆何かしら重たいものを抱えている時期がある、そういう大人に優しいお話。続編も出ているらしい。柴田よしきのSNSをフォローしているのです、おいしそうな夕食がしばしばアップされていますよ。どうしてそんな時間を作れるのだろうと、忙しい時期には手抜き料理続きになる私は思います…。田舎暮らしは、良いことばかりではないしそんなにうまくは、などと言うことはまあ横に置いて、気持ちよく読めます。
「令和の昭和感」という表現に嵌りました。 なんかそういう感じ、日頃、感じること…