白銀の墟 玄の月

著者 小野不由美
新潮文庫

十二国記シリーズ、2013年に刊行された文庫『丕緒の鳥』から約5年…本編という意味では2001年の『黄昏の岸 曉の天(そら)』から実に約17年ぶり!

だってさ。そーんなに長い時が経ったか。
私が初めてこのシリーズを知ったのは1996年刊の『図南の翼』なんですが(そして思い切りはまった)、もしもまだ十二国記を読んでいない、と言う方、読んでみたい方、『魔性の子』1991年からのほうがいいですよ。これは外伝だとは言え、この新作につながる最初のお話なので。

新刊は、しろがねのおかくろのつき と読むそうです。うう、そうか、驍宗の白髪、黒麒麟である泰麒の象徴、と今頃気づいた私。

そしてこの、久しぶりの新刊は長い!10月に前半2冊、11月に後半2冊でしたよ。前半は読んでも読んでも先が見えない、場所の名前、人の名前が読めない覚えられない、人間関係図を描きながら読み進むのだった、と後から思う。そもそもあまりに久しぶりだから、前の段階の経緯も記憶のかなたでかすんでいるし。
ですが、後半バリバリ展開、一気に読みました。

4巻解説にもあるのだけれど、そう、酒見賢一『後宮小説』1989年刊ぐらいから始まったのでした、中華世界風日本のファンタジー小説。すっかり遠い目をしてしまうよ。

そして、もちろん、優れたファンタジーと言うものは、今、私たちが生きているこの世界の問題と深くかかわっているもので。“魂魄”が抜かれた人間とかさあ。なんか政治方面の記者インタビューを受けてる誰かさんや誰かさん、抜けかけてる気が。

そしてこの物語は、果たして私の生存中に完結するのか?
読んでいない人には何の紹介にもなりませんね、ごめんね。12国記ファンのあなたは、このシリーズの出演者中、誰をごひいきですか?

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