夢みる帝国図書館
著者 中島京子
出版社 文藝春秋
年初めに読んで、今年の私のベスト3入りほぼ確実。
物語の初めではまだライターの仕事をしている小説家希望、でしかない若い女性“わたし”と、若くない頭陀袋のようなスカートをはいている喜和子さんが出会う。上野の国際子ども図書館に行った帰りに。
図書館が主人公の話書いてよ、と言う喜和子さん。
喜和子さんと私の話と、作中作“夢見る帝国図書館”の部分が交互に出てくる。まずは明治政府要人たちが、西洋にはビブリオテーキなるものがあると知る、それを日本にも作ろう、となる話が夢見る帝国図書館編1。4の初めにに出てくる『今まではさまざまの事してみたが 死んでみるのは之が初めて』淡島椿岳・最後に出てくる椿岳の息子というじせ寒月の『針の山の景しきも観たし極楽の 蓮のうへにも乗りたくもあり』という辞世の歌、よろしゅうございましょう?
東京大学と言うものの初めに当たり、医学部とか理学部とかそういう学部が重用され、文学哲学が軽んじられた事とか、今、同じこと言ってるよね。あちこちに、今の政治の問題に通じるエピソードが出てくるんだなあ。
宮崎生まれ宮崎育ちだと言うのに、戦後の上野で小さい頃を過ごしたらしい、一緒にいたお兄さんが、図書館の物語を書いていたらしい喜和子さん。
段々と、喜和子さんの人生が明らかになって。
樋口一葉をちゃんと読んだことあったかなあ。読んでみよう。
そう思うのは、長く生きてるからか?なんか、斬新な映像もありつつ、テーマは普遍的な…