チィファの手紙

https://last-letter-c.com/
監督 岩井俊二  
プロデューサー ピーター・チャン陳可辛
出演 周迅 秦昊  胡歌

日本版の『ラストレター』を観ていないのだが、それの中国版だそうだ。その前には韓国でペ・ドゥナ主演『チャンオクの手紙』と言うショートムーヴィを撮っているのだそうだが、それも知らない。
岩井俊二は、かつて中山美穂主演の『LoveLetter』が中国・韓国でもヒットして、アジア圏でファンの多い監督だ。で、元から交流のあった陳可辛の尽力で、中国映画として成立する作品になった、ということだ。

で、話は、姉の葬儀で始まる。
姉宛てに、同窓会の案内が届いていた。妹が、それを伝えようと出かけ、姉チィナンに間違えられて、そのままやり過ごす。早々にその席を抜けて帰ろうとするチィファを追いかけてくる男。覚えているか聞かれる。
観客としてはなんだかわからないがどうもすわりが悪いような気がしている。
姉を好きだった男が、チィファを姉と間違えたままメールしてくる。と、それを目にしてしまった夫が、嫉妬に狂ってシャワーで濡らす、壊す。おいおいなんだよ!だいたい中国でスマホ無しでは買い物もできない、大変!

いろんな部分がなんか納得できない状況のまま、姉のフリして手紙を書くチィファ。自分の住所は書かずに。
返事が実家に届く。実家では姉の娘と、学校が始まるまでチィファの娘が暮らしている。手紙を読んでしまう娘たち。そのまま、母のフリ伯母のフリでこちらも返事を書く娘たち。ほら、ヘンでしょう?

なんだけど。

なんか変でなんか不穏でアンバランスな感を抱きながらでも観続けてください。途中から、その男をやるのが彼かなあ、きっとそうだ、と思っていると、ほらやっぱり、そんな造型で出てくるんだあ、麗しの(はずの)胡歌が。『琅琊榜 麒麟の才子、風雲起こす』の彼が。

姉の昔の彼氏のヘアスタイル、もう少しすっきりさせてもらえませんでしたかい?

いつの間にか引き込まれ、うるっ。

据わりの悪さをもたらしていた一番の原因は、やはり周迅の、あの変わらない童顔で、まんまなのか企んでいるのかわからないようなその演技と、岩井俊二が、組んだ、ということが大きいのだろう。男の子も、女の子たちも、みんな良いけど。
観終わって、その謎ときが分かった上で、もう一度最初から見直したいと思った映画でした。

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