飛ぶ孔雀

著者 山尾悠子
文春文庫

シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃え難くなった。
と、始まる、火が貴重な世界、日本の、京都のようなどこかが舞台の話。
次の章で、四季咲きの桜などと言う馬鹿なものがあって、 とか、馬鹿馬鹿しいほど毒々しい取り合わせのツツジの満開 とか、同意!まことに!という思いで乗せられる。始まりは散文詩のようだ。
が、Ⅰ 飛ぶ孔雀 Ⅱ 不燃性について で構成されるこの物語、たいそう好みではありながら、2回読んでもわからない。なにがどうなったんだっけ?
普通、文末にある解説というものは、読者の理解を助けるものだが、解説者が金井美恵子と来ては、何の解説にも助けにもなりませぬ。ちなみにこの本は友人から貸し出されたのだが、その友人は解説を金井美恵子が書いている、という理由によって、手を出したらしい。

まあ、ある種のSFであり、異世界の物語である。
泉鏡花文学賞・日本SF大賞・芸術選奨文部科学大臣賞の三冠達成!と帯にある。それもわかる。が。もうしばらく借りておいてあともう一回読む日を待とう。その前に、この作家の別のものを読みたい。この作家の名前は記憶にあるのだから、何かを読んでいるはずなのだが。

なんのこっちゃな紹介文で申し訳ないが、なんだか地面がぐらぐらしている世界の、稀有な物語であるのは確かです。

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