レイジング・ファイア

監督・脚本・プロデュース ベニー・チャン陳木勝
出演 ドニー・イェン甄子丹 ニコラス・ツェー謝霆鋒

ドニー演じる警部が、追い続けてきた犯人の取引現場に踏み込もうという日、現場を外される。そして仮面を付けた男どもによって、その取引現場に踏み込んだ捜査官たちは惨殺される。
仮面を外すと、それはかつて警部を慕っていたエリート警察官とその部下なのだった。って、自白させるのに拷問した犯人が噛みついて離れなかったから殺してしまう羽目になった、それを警部が目撃した。法廷で、警部はそれを目撃したと言わざるを得ない。ニコ演じる元警察官と部下は、監獄で恨みを募らせ、出獄するとたいそう無残に捜査官を殺しまくるってなんだそれ!でありますよ。
でありましてもまあこの映画はアクションを堪能する作品です。それでいいのさ。
終わり近くの二人の対決シーンをやりたい、見せたいだけだったでしょ、と思う。
ニコ謝霆鋒は、デビュー前に日本で歌のレッスンをしていて、数か月住んでいた、ので、わりと日本語を話せた。昔は。今も、忘れていなければ。その昔の『ジェネックスコップ』で仲村トオルと共演していた。あれも陳木勝監督作品だった。その頃の少年の面影を思いながら、ああニコもこんな悪い役をやるようになったのね、と思っている観客の我。

ジャッキー・チェン映画のように本編の後におまけがついているし、エンドロールでニコの歌声が流れるし(とても正しい感じの歌声)、懐かしい正統香港アクション映画を観た満足感があったのは我ながら意外でもある。アンディ・ラウの歌声が流れる作品とか、陳木勝監督だったよ。この作品が遺作となりました。確か、これを撮った直後ぐらいに病がわかり、すでに進んでいたのだったと思う。
香港は中国に飲み込まれてしまったから、この先こんな香港ノワールは作られないだろう。ありがとう、ベニー・チャン。

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