えーえんとくちから
著者 笹井宏之
ちくま文庫
Eテレの『理想的本箱 君だけのブックガイド』という10代向けの番組で見かけて、そのみずみずしい言葉たちに打たれた。26歳で亡くなった若い歌人の短歌集。
タイトルは えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力をください という短歌より。
この森で軍手を売って暮らしたい まちがえて図書館を建てたい
「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい
野菜売るおばさんが「意味いらんかねえ、いらんよねえ」と畑へ帰る
どうしても声のかわりに鹿が出る あぶないっていうだけであぶない
祝祭のしずかなおわり ひとはみな脆いうつわであるということ
ランダムに開いたページから。声に出して読みたい、人の声で読まれたものを聞きたい、誰か朗読劇にしてくれないか、と思ったら、とっくに(2011年)オーディオドラマや舞台劇になっていたのだった。
重度の身体表現性障害 と言う病名で長く療養生活だったという。それ、症状の名前であって病名ではないんじゃないの?と思うが原因のはっきりしない難病だったということか。インフルエンザによる心臓麻痺で夭折と。
そう思うのは、長く生きてるからか?なんか、斬新な映像もありつつ、テーマは普遍的な…