エゴイスト

監督 松永大司

出演 鈴木亮平 宮沢氷魚 阿川佐和子 柄本明

初めに画面にふっと現れるとゲイにしか見えない。鈴木亮平!

パーソナルトレーナーの宮沢氷魚演じる龍太に、初め、好意はあっても恋愛感情とは見えない浩輔、呼び止められて振り返るとふいに龍太からのキス。そこから始まる肉体の絡みは濃厚で、つい、よくここまで、と思ってしまう。インティマシーコレオグラファーという人がついていたという。ゲイの行為として適切かを判断する人も入っていたそうだ。濃厚なのだけれどいやらしくない。それは宮沢氷魚という人の持つ透明感からくるものが大きいかもしれない。決してうまい俳優ではなく、この印象を生かし切れてもいなかった気が今まではしていたが、彼にとって一番のはまり役だろう。

こういう映画って、死ぬよなあ…と思いながら観ている、『藍宇』『美少年の恋』・・・。

浩輔を含むゲイたちの会話が楽しい。『Wの悲劇』ってそんなにゲイ受けする映画だったの?知らなかった。最後、字幕にドリアン・ロロブリジータと出て、どれがそれだったかわからなかったよ。それにしても亮平さんは相当ゲイバーに通ったことだろう。首とか肩とかの傾き具合、視線、見事。ちあきなおみもゲイ受け歌手だったのか。あの浩輔の歌うすんごい“夜へ急ぐ人”は、元歌の友川かずきを思い出させる感じもあったけど。

龍太の母役の阿川佐和子さん、こういう母だからこういう息子が育った感じだけれど、息子がやっていることに全然気づかなかったってさー、と、ちょっとね。

映画が終わって、タイトル「エゴイスト」と出る。あー、そういうタイトルだったんだ。あー。

蛇足です、この二人で『聖なる黒夜』麻生龍太郎と山内錬いけるじゃん、と思ってしまったよ。

 

コメント (2)

atcon2023年3月3日(金曜日) at 7:34 PM

“夜へ急ぐ人”も友川かずきも知らなかったので、YouTubeで友川かずきとちあきなおみの両方聞いてみました。
「かんかん照りの昼は怖い」っていうフレーズで一気に昭和の夏の空気を思い出しましたよ。

あある2023年3月3日(金曜日) at 9:18 PM

そうですか、いつの年末だったか、紅白歌合戦で、ちあきなおみの鬼気迫るその歌が、ちょっとした評判になりましたよ。

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