ルポ 食が壊れる

著者 堤未果

文春新書

コロナ禍で、あるいはロシアがウクライナに仕掛けた戦争により、もう一つは地球温暖化により、様々なものの生産・流通に問題が起こり、値段が上がっている。地球の食の問題を助けるということで、妙に昆虫食が推進されたりなど。一方で国産の牛乳が余って捨てられ、できすぎた野菜が捨てられる。

ベジタリアン、ヴィーガンである人も増えているようだ。動物愛護の精神から、人工肉で作ったハンバーガーなどもしばしば紹介されるようになった。

大豆ミートを成分とする人工肉だから健康維持に良い、ように受け取られがちだ。が、乳化剤、結合剤などを使った超加工品である。遺伝子組み換え大豆も使われる。そして、ゲノム編集、培養魚、培養母乳、果ては合成生物、生物のDNAをハイジャックし、再設計して3Dプリンターで作成する、と、言われても何なんだそれは!

世界の農業は多国籍企業と投資家の手に渡ったらしい。GAFAMグーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフトが、広大な土地を支配し、新品種の穀物、農薬や化学肥料、農機具をセットにして農家に売り込み、数年は収穫量が増える、そのあとは土壌が痩せる、役に立つ菌や虫のいない土にまた新しい化学肥料、農薬、新しい遺伝子組み換え・ゲノム編集作物。結果、土は痩せ、固くなり、雨で崩れる。農家には借金が残る。

牛がゲップすると出るメタンガスやその糞尿の中の窒素ガスが温暖化の原因になるから、畜産を縮小し、人工肉に切り替えよう。ビル・ゲイツも人工肉を推進している。

モンサント(現在はバイエルに買収されている)のグリホサートを主成分とする除草剤ラウンドアップの大量消費によって癌を発症した欧米の人々が、訴訟を起こし、巨額の補償金を払ったことなどは知っていたが。デジタル農業?スマホに搭載されたアプリを通して、すべての作物情報や知識などがゲイツ財団委回収される?

この本の後ろのほうに、救いのあることが出てくる。日本の土壌は優れているそうだ。そしてその土をより豊かにして健康な作物を作ろうとする、作っている話。

さて、菜園の真似事をしている私も、もう少し、自力で刈り取った雑草をちゃんと発行させ堆肥化することについて勉強しよう。

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