ある海辺の詩人―小さなヴェニスで―

umibe

http://www.alcine-terran.com/umibenoshijin/
脚本・監督 アンドレア・セグレ
出演 趙涛 ラデ・シェルベッジア

小さなヴェニスと呼ばれる海辺の町キオッジャの酒場。地元の男たちが酒を飲み、ビリヤード、カード遊びや会話を楽しんでいる。
蛇頭の世話で海外に出たということか?中国人ボスに借金があって、あちこちの仕事に派遣される立場の中国人女性シュン・リーが、そこで働き始める。彼女は屈原の詩が好きだ。
同じようにほかの国からやってきて住みついた老いた男ベーピと、故郷や家族の話をする。流れてきた孤独な者の立場で、心通うものがあるのだ。ベーピは詩人とあだ名される男。
ベーピの家から中国の家族に電話するシュン・リー。借金が無くなれば小さな息子を呼び寄せることになっている。

が、小さな町で、がさつな男たちに噂され。

屈原は、紀元前の中国戦国時代の詩人・政治家で、意見を受け入れられず国の将来に絶望、入水自殺した。人々がの魂を慰めようと、ちまきを川に投げ込むようになったのが、端午の節句の始まりとされている。のだが、川に赤い精霊船のようなものを浮かべて灯りを流す習慣も、あるらしい。知らなかった。

その灯りがキオッジャの水に流れていくシーンが印象的。そして最後のシーンにつながる。

賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督作品で見る趙涛(チャオ・タオ)は、もう少し美人だったような気がする、と思いながら見始めると、酒場に慣れたころには、ああ、この顔、と洗練されていく。
同室の中国人女性が、浜辺で太極拳をするシーンとか、蛇頭(?)ボスとの関係とか、イタリア人監督の異国趣味?と感じられるものもあるけれど。

今年のベストに選ぶかもしれない、とても好きな映画。絵のように美しい、というのではない、ある種の美しい作品。

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