繕い裁つ人
出演 中谷美紀 三浦貴大 片桐はいり
神戸の街、坂を上って見える南洋裁店の看板が、古い洋館に掛けられている。店主の南市江は、洋裁店初代だった祖母が作った服を、仕立て直して着られるようにすること、祖母のデザインを踏襲した服を作ることで、日々生活していた。
祖母の代からの付き合いの店に少しそんな新作を提供しているのだが、それを見て一目ぼれした藤井は、ブランド展開を考える。が、頑固ジジイのよう、と藤井に言わしめるような市江の態度なのだった。
自分のデザインした服を作りたいはずだ、と、何度断っても店にやってきて、市江の母の出す団子を食べている藤井である。
えーと、何かしら恋愛事情が発生するかと、ちょっと期待するこちらであったが。
藤井を演じる三浦貴大が、ちょっと見にはあまり似ていないのに、山口百恵サンそっくりの表情を見せるところに見入ってしまう。洋服が好きだという設定にしては、彼の服のセレクトは普通なのが…どうなんでしょう。
その地区の伝統行事だという、30歳以下は立ち入り禁止の夜会、そんなのがあったら素敵。一度作ったドレスを、仕立て直し仕立て直し、毎年参加する。あと、黒木華サンのウエディングドレス、良かったな。
街の洋裁店があちこちにある時代に育った。昔は、そんな洋裁店をやっていた伯母に、仕立ててもらった。子どものころは、母の手作り、というものも多かったけれど。そしてこの映画を、今も注文仕立ての洋裁師である友人と見に行った。彼女が言うには、もしこの映画のように足踏みミシンですべての仕事をしたとすると、腿のあたりが傷んでしまうそうだ。私は、足元で調節できるプロ仕様のこんなミシンが欲しいなあ、革を縫うために、と思ったのであったが。
淡々と進みつつ、チーズケーキをホールで食べるか、おい。
何かしら手仕事をしている人が見るといいだろう。ちなみに連れの洋裁師の感想は、『洋裁師は孤独だ!』なる言葉でありました。
池辺葵のコミックが原作だそうだ。読んでみよう。
自分の着たい服を自分で作れるって憧れますよ。
今は作るより買った方が安いから、手作りが贅沢だったりしますね。
お金かけずに素敵な服を作るには、センスと技術が必要ですね。これ、実感。
作りたいバッグなら作れるけど、作りたい服に、ちょっとばかり近い簡単服しか作れない。せめて女子高とかで基本を学んでおいたら良かったのに、と、今思ったって、あの頃私は不器用の権化だったし。