白河夜船

白河夜船監督 若木信吾

出演 安藤サクラ 井浦新

原作よしもとばなな。昔、一度目に読んだ時よりも、数年後に二度目に読んで好きだった記憶がある。
安藤サクラの主人公が、だらしないぐうたら女に見えてしまって、しばらく違和感を覚える。よく眠る女。どうやって生活しているのか、とにかくよく眠る。

しおり という友人との過去のエピソードと、現在が、交互に現れる。

井浦新演じる岩永さんと言う男との裸のラブシーン、そう濃厚なことは何もなく、普通の行為である景色に、かえってリアリティを感じる。

次第に明かされる。不倫であること、変わった仕事をしていた友人が自殺したこと。岩永さんの妻は植物状態であること。

しばしば部屋でショーツ一枚の姿である小さな胸の安藤サクラ、あ、その背中、絵になる、と何度か思った。それは、監督が写真家であるからなのだろうか、そのままトリミングしたいシーンがいくつか。

“岩永さん”が、電話で「よく寝る人だねえ」だったかそんなことを言う。ばか、自分のことだけ悩んでんじゃないよ、この娘鬱をこじらせてるじゃない!と、どうやら自分が電話したときはいつも出て欲しいらしい、そのために、彼女がいつも部屋にいて眠っていることがむしろ好都合であるらしい、優しいけれど相手をちゃんと見ていないよくありそうな男!(よく、は、いないか?)にいらついた。

そのあと、公園のシーンで、ちょっとうるっとすることになりました。
安藤サクラがこの役にあっているのか?は、やはり疑問です。が、ばななさんの世界によくある、深い喪失からの復活の兆し、ちょっとした異世界感、が、嫌いでないのと、井浦新が嫌いでないのでね。私にはいい映画でした。

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