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死神の精度

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著者 伊坂幸太郎
出版社 文芸春秋
 
 あーなんてこったい…昨日書き込んだはずの物がなーい!仕方ないからもう一度チャレンジ。(別件ですがブラウザからホームのアイコンが消えている、元に戻るボタンもない、どーした、死神ー、あんたの仕業じゃないよね!)
 コウベとかマチダとかで撮影しているのを見た情報がいろんなブログで出ていますが、まだ正式発表していない、ので詳しくは申しませぬ。
 音楽(死神本人はミュージックと言う)が好きで、ちょっと言葉の感覚がずれていて(年貢の納め時、と聞くと“年貢制度は今もあるのか?”と訊ねるような)死神が、主人公。ヒトとは時間の感覚が違う、いろんな時代にいろんな年齢、タイプで出現する。そして、死の予定をプログラムされている人間と知り合い、その予定をそのまま実行するか延期するかを決定する、そういうお役目。だから黒いマントや鎌なんか持っていません。
 短編集で、最後のお話で前にあったエピソードとつながります。伊坂幸太郎作品は、映画化ドラマ化されることが多いのですが(ここでも『陽気なギャングが世界を回す』を紹介済み)この「死神の精度」はNHKでラジオドラマ化されたそうです。青春アドベンチャー聞きたかったな。
 生・死をテーマに、淡々と進みますが、これ、何年か時を置いて読み返したら、違う味わい方をしそうです。

BOOK
comment(0) 2007.06.21 20:48

女帝エンペラー

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http://jotei.gyao.jp/
監督 馮小剛フォン・シャオガン
出演 章子怡チャン・ツィイー 葛優 呉彦祖 周迅

 原題は『夜宴』、映画の中で中心になるシーンがもともとのタイトル、だから女帝なら少なくともエンプレスだろう、なんて呟きは…まあ日本ではあまり認識されていない単語よりはインパクトのあるほうを、と言うことだったようですよ。
 さて、のっけから日本発祥の暗黒舞踏系列の、白いお面をつけた踊りが続きます。馮小剛監督と言えば中国の春節向け大衆映画の監督のはずですが(日本ではあまり受けないが中国では大受けの有名監督)、アートな作品にしたいわけね、などと思いつつ、いやしかしなんなんだあの章子怡の化粧は!全然美しく見えない。
 とりあえず『ハムレット』をベースにしてあるという知識だけあったのですが、つまりツィイーが演じるのはお妃ガートルードです、が、うるわしきダニエル・ウー(呉彦祖)演じるハムレットとは血がつながっていない、しかも年の差もあまりない元恋人同士であった設定。
 スプラッタなシーンが多すぎますな。目を背けたくなる。一つ一つのエピソードがしつこいぞ。つまり編集にメリハリがないぞ。そのせいかちょっと眠たいぞ…は私だけか?ツィイーが『ラヴァーズ十面埋伏』の中で踊りながら口ずさんでいた“北方有佳人”の詩の一説を兄を殺して王になった役の葛優が口にする、或いは『英雄ヒーロー』の刺客が始皇帝に向かって飛び掛るシーンを髣髴とさせるところがある、など、なんかあの監督とかあの監督とかわざと意識したんでしょ、遊んだんでしょ、みたいな箇所あり。
 女帝の貫禄は、もうひとつ。コン・リーだとぴったりだっただろうな。オフィーリアに相当する役の周迅、天性の女優だからここでもとてもいい。微妙な、小さな表情の変化でこちらに伝わる。葛優はこんな役も似合うんだと発見、そして中国で近頃人気の若手俳優と噂に聞いていた黄暁明クンにお初にお目にかかったが、彦祖とはまた違うタイプの綺麗な男です。今後に期待しましょう。あ、彦祖のアクション綺麗です、ABCアメリカ生まれの中国人らしくカンフーなどやってアイデンティティ問題に対応していた甲斐があるというもの。彦祖の声は多分吹き替え、本人はもう少しくぐもった声。
 で、最後のシーン、あれは?先帝の亡霊かなんかの問題であるようにパンフレットには示唆している人がいた・・・があれは何?誰
か正解をご存知なら教えて欲しいものです。

MOVIE
comment(0) 2007.06.13 20:13

The焼肉MOVIE プルコギ

http://www.yakiniku-movie.com/
監督 グ・スーヨン
出演 松田龍平 ARATA 山田優 桃井かおり 田村高廣
 ストーリーは、マンガです、この作品、役者で見せます。ちょっと頼りないちょっと情ない役がよく似合う龍平くん(映画『長州ファイブ』やドラマ『ハゲタカ』みたいな鋭い役だと父・優作の面影と重なりすぎて、どうにもハハゴコロになってしまう私であるせいか?}、ん?誰?と思ったらARATA、伸びやかな肢体が気持ちよい山田優、自作のアクセサリーで御登場の桃井かおりサン(その昔原だ芳雄・松田優作と3人で某深夜放送に遊びに来てたものだった)、そして、この人の最後の映画だというだけでも見てよかった名優田村高廣。
 ちょっとね、料理人がおいしく食べられる食材をわざわざ台無しにしてしまうはずは無いとか、うそ臭い展開はありますが、B級好きな人、焼肉好きな人、ご覧あれ。私はあまり焼肉は食べないけれど、おいしい焼肉屋さん教えてくれといいたくなりました。
 監督は山口県下関市出身とのこと、優作の出身地も同じ、そして彼のお母さんは韓国籍、というようなつながりで龍平にキャスティング?なのか、初めに龍平ありきの企画なのか?まあ意外と(失礼)拾い物でした。

未分類
comment(6) 2007.05.22 20:52

赤朽葉家の伝説

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著者 桜庭一樹
出版社 東京創元者

 時は戦後しばらくたった時期の鳥取県に、『辺境の民』に置き去りにされた女の子がいた、それが後に赤朽葉家の千里眼奥様と呼ばれる万葉、そしてその娘毛鞠、またその娘瞳子の三世代にわたる物語。
 1953年に10歳ぐらいだった、と言うのだからそんなには古い時代のことではないのだけれど、まだまだ山陰などにはいわゆる山の民、文明と離れて暮らしている民がいたという設定。
 わたくしこういう物語は大好きです。
 戦後の昭和の時代の変遷が、明治大正の時代のことであるかのような奇異な或いはファンタスティックな、事件と絡めて描かれていきます。で、作者はおそらくわざとそうしているでしょうがなんだか時々変な言葉遣いというのか、ん?な文章あり、また、ああ?な表現あり、ところどころ引っ掛けどころを作って書いているのねあなた>桜庭一樹様。
 突然ザ・ピーナッツの恋のバカンスの歌詞がまるごと出てくる60年代、学生運動の70年代、暴走族からバブルへの80年代、バブル崩壊の平成、と、思えばいろいろあったのね、の流れの中、脇役の女性までさまざまな生き方が描かれて、うーん、これは今年のベストⅠ候補に挙げておきましょう。
 ただ、鳥取が舞台だけれど、伝え聞く鳥取の様子とはちと違うぞ…と思ったら、桜庭一樹は、米子市生まれのしかも女性でした。鳥取市とは違うのかも・・・。

BOOK
comment(0) 2007.04.25 20:41

玲玲の電影日記

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2004年 中国 原題『夢影童年』
監督 小江シャオ・チアン
出演 夏雨シア・ユ

 うーん、まああちこちでそう紹介されているようですが、アジア版『ニューシネマパラダイス』、映画好きな人、試しにごらんくだされ。
 夏雨は、中国の名優姜文が監督した『太陽の少年』で姜文の少年時代を演じた、姜文と同じ耳の形の俳優、今ではすっかり優れた俳優の道を歩いている。彼が演じるのは映画好きで、水の配達を生業としている少年、それがある日道端に積んであるレンガに突っ込んで自転車ごと倒れる、なんとそこにいた少女がそのレンガのひとつで彼の頭を思い切り殴りつけ・・・。
 加害者である口の利けない少女から金魚の世話を頼まれて部屋に行き、彼女の日記を見つける、すると・・・。
 文革時代、娯楽と言えば野外の映画鑑賞、と言う時代の思い出がその日記から立ち現れ、彼と彼女のつながりが見えてきます。まー子役の女の子が可愛い!これだけでもいいくらい。夏雨の子供時代の子のなーんと悪餓鬼っぷり!やっぱり同じ耳してる。
 それにしても、内容はななんともつらいお話です。大人たちがもう少し気を遣ってやれよ!悪気はないって言ったってさあ…。そんなとんでもない悲劇が起らなくて済んだものを…と映画に文句を言ったって仕方ないのだけれど。金魚のいる少女の部屋のたくさんのポスター、映画に詳しい中国人に解説してもらえたらいいのに、と思います。
 

MOVIE
comment(0) 2007.04.21 12:44

舞姫テレプシコーラ

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作 山岸涼子
出版社 メディアファクトリー 
 山岸涼子のバレエマンガと言えば『アラベスク』、あれでバレエの基本知識を得た人も(かつては)多かったかも。テレプシコーラは雑誌「ダ・ヴィンチ」連載の初めのころ、空美が出てきたちょっと怖い方向へ行きそうだったあたりをちょっと読んでいただけ、友人が10巻まとめて貸してくれた物を読んだら、はまりましたね。姿勢のことなど書いてあるので、うっかり(か?)まことに正しい姿勢で正座して呼んだり致しまして。
 アラベスクの時代には、バレリーナは小柄な方が良かったのだけど、今では背が伸びた方がいいのねー。小さかったらプリマでなければ生きのびていけない、そうね、それはそうだわ。
 骨が成長する時期に筋トレしすぎると、筋肉によって骨の成長を妨げられる、だからある時期バレエの訓練はセーブすべき・・・むむむ、なるほど、そういうこともあるのかあ。
 と、80年代に森下洋子さんのすばらしいオディールを見、数年前にシルヴィ・ギエムの公演を見たぐらい長生きしてるといろんな事情にびっくりするのであります。
 ストーリーは、ダンサーとしては致命的な欠点を持って生まれた女の子六花(ゆき)、その姉で将来を嘱望されているけれど…の千花、どうにも救いのないような環境下で育っている天才空美の…読んでね。上野水香ならぬ野上水樹なんて名前の脇役も出てきますよ。
 これまだ第一部が終了したところ、第二部に空美がまた出てくるはず、どんな形で?怖いもの見たさ・・・。

BOOK
comment(0) 2007.04.16 20:39

アルゼンチンババア

ファイル 50-1.jpg
http://www.arubaba.com/
監督 長尾直樹
出演 堀北真希 役所広司 鈴木京香

 木曜日のレイトショー22時過ぎから、だからと言って…1人で貸切状態のシネコン。
 なんというか、これはちょっと原作と離れた脚本なんだろうな、と思われる雰囲気、読み慣れたよしもとばなな作品の匂いと違う、と思ったので、あとから原作を読みました。

 で、やはり、ちょっと違う作品で、たとえば森田芳光監督『キッチン』は原作の雰囲気そのままを表していたと思う。香港映画で富田靖子が主演したものだとまた変な気配だったけれど。同じように身近な人の死から始まる、そこからの再生の物語、なのですが。
 うーん、私の好みは、やはり原作の淡々とした運びです。それぞれ役者さんはいいのですが。原作では鷲鼻痩せぎすのアルゼンチンババアを鈴木京香さんにキャスティングすることをまず決めて始まった企画か?
 が、しかし、この映画のホームページはなかなか楽しめますよ。御訪問ください。

MOVIE+BOOK
comment(0) 2007.04.11 12:25

龍が如く

ファイル 49-1.jpghttp://www.ryu-movie.com/
監督 三池崇史
出演 北村一輝 岸谷吾朗
挿入歌 クレージーケンバンド

 待ってました!私が初めて北村一輝を知ったのは三池監督の『日本黒社会』、私の中では(勝手に)北村一輝と三池崇史監督はセットになっているのです。北村一輝という芸名は三池監督がつけたものだそうです。それ以前の北村康名義でも、実になりきり演技、ゲイ役とかエイズだとか癖のある役が多い彼。
 久しぶりの三池・北村・歌舞伎町(とは言ってないけど)・やくざ、いやいや、待ってましたさ。
 で、この映画はゲームを元にしたもので、なんとも賛否両論渦巻いて・・・いるのは三池監督作品でいつものこと。なにしろストーリーがなかなかつかめない、間抜けな銀行強盗がジタバタしている、若いカップルが馬鹿なコンビニ強盗をやっている、その中で北村一輝演じる桐生と言う男が、えらくかっこよくやくざたちをやっつける、岸谷吾朗がど派手なやくざでへたくそな関西弁しゃべってる。戦っていると手や額から火が出る(!)。でもね、それ、三池監督ではいつものこと、レディースデーの昼間の映画館では客はたいそう少なかったけど、私の前には数人の若い男女、その皆さんごめんね、見慣れてるとどうしても笑っちゃうのよ、うるさかった?
 コン・ユと言う韓国人俳優、他の作品も見てみたくなりました。あ、女の子がなかなかいい。
 北村・岸谷、そして真木蔵人、皆さん体を作りこんでいらっしゃった。
 理屈を言わずばら撒かれたギャグなど楽しめるかどうか、ということであります。えーと、欲を言えば、ちとかっこよすぎたな、今回の北村一輝。
 クレージー剣バンドの音楽が耳に残ります。

MOVIE
comment(0) 2007.03.15 13:54

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