- 2024年08月19日 「猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子」少年の奇妙な人生を読む
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「猫を抱いて象と泳ぐ」 著者:小川 洋子発行:2011年 文春文庫 数ヶ月前TTさんから、「狂気を感じる作品を書く作家」としておすすめされたのが、著者、小川洋子さんです。私は遠い昔『博士の愛した数式』を1冊読んだきりだと […]
- 2024年08月09日 「『戦前』の正体/辻田真佐憲」面白かったけど読了できなかった読書感想です
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著者:辻田 真佐憲発行:講談社現代新書(2023/5/18) 「戦前」の正体愛国と神話の日本現代史 神武天皇、教育勅語、万世一系、八紘一宇……。右派が誇り、左派が恐れる「戦前日本」の本当の姿とは?「国威発揚」の物語を検証 […]
- 2024年05月12日 「リバー/奥田英朗」分厚くても一気読みしたいミステリー
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「リバー」 奥田 英朗/2022年発行:集英社 同一犯か? 模倣犯か?群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで女性の死体が発見!十年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口が、街を凍らせていく。かつて容疑 […]
- 2023年12月31日 『Chatter(チャッター): 「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法/イーサン・クロス』
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読了にとても時間が掛かりました。4か月くらいか。決して難しい内容ではなかったのに、なんでこんなにも時間が掛かったのだろう? まずこの本を読む切っ掛けから書いてみます。4か月ほど前のある日、私はある疑問を持ちました。「私は […]
- 2023年07月26日 『第六ポンプ』パオロ・バチガルピが描く10個のディストピア
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『第六ポンプ』パオロ・バチガルピ/早川書房 内容:化学物質の摂取過剰のために、出生率の低下と痴呆化が進化したニューヨーク。下水ポンプ施設の職員の視点から、あり得べき近未来社会を鮮やかに描いたローカス賞受賞の表題作、石油資 […]
- 2023年07月12日 二週間で読み終えられるか?図書館で借りた2冊の本ー「空白を満たしなさい」「第六ポンプ」
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このところ私の読書体験はノンフィクション的なものに偏りがちです。図書館で借りるのは値段の張るイラスト関連のものばかりで、いわゆる”小説”を読む機会がめっきり少なくなりました。時には小説、特にミステリやSFなどの虚構の世界 […]
- 2023年05月18日 言葉について書かれた2冊の本を読みました。
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『今日拾った言葉たち』武田砂鉄2022年/発行:暮しの手帖社 『うまれることば、しぬことば』酒井順子/2022年/発行:集英社 ふと耳にした言葉が、何だか気になるなあって思うこと、日常よくありますよね。それが、「いい言葉 […]
- 2023年01月18日 「おいしいごはんが食べられますように/高瀬 隼子」もやもやが残ったので読み返してみました
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「おいしいご飯がたべられますように」 著者:高瀬 隼子発行日:2,022年3月発行:講談社 第167回芥川龍之介賞受賞 どちらかというと普段、文学ジャンルの本は読まないのですが、おもしろいという評判を聞きアマゾンで試し読 […]
- 2022年11月05日 『いつかたこぶねになる日/小津夜景』たこぶねの母の生き方
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著者 小津夜景さんは1973年生まれの俳人。フランスに移り住んで20年余りになるそうです。本書は著者の日々の暮らしや想いを綴る31編からなるエッセイ。それに日本や中国の詩人たちの漢詩と著者自身によるその翻訳を添えたもので […]
- 2022年06月12日 「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を。」「さよなら、男社会」 2冊のジェンダー論を読んで
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「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を。」出版社からのコメント 性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo運動などを取材し、おもにウェブで発信してきたライター・小川たまかは […]
- 2022年04月18日 「人新世の『資本論』/斎藤幸平」80%読んでからの読書感想
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人新世の「資本論」(ひとしんせいの しほんろん) 著者:斎藤幸平発行:集英社新書/2020年 新書:384ページ 「新書大賞2021」受賞作 日本は経済大国第3位 日本は経済大国と言われています。 2021年の名目GD […]
- 2022年01月22日 「線は、僕を描く/砥上裕將」私の知らない水墨画の世界
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「線は、僕を描く」 著 者: 砥上 裕將 (とがみ ひろまさ)出版社 : 講談社 発売日 : 2019/6/27単行本 : 322ページ 第59回メフィスト賞受賞2020年本屋大賞第3位!「ブラン […]
- 2021年10月18日 『アート・ヒステリー/大野左紀子』「自由」「個性」「創造」の幻想
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『アート・ヒステリー』—なんでもかんでもアートな国・ニッポン 著者 : 大野左紀子 出版社 : 河出書房新社 発売日 : 2012/9/26 著者の大野左紀子さんは、以前はアーティス […]
- 2021年01月24日 「罪の轍/奥田英朗」20世紀と21世紀の東京オリンピックを比べてみる
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罪の轍 著者:奥田英朗発行:2019年/新潮社 奥田英朗のシリアスな犯罪小説。587ページの分厚い本です。 時は昭和38年、西暦で言うと1963年。アジア初となる東京オリンピックを翌年に控えている日本。20世紀の東京オリ […]
- 2021年01月09日 「僕の人生には事件が起きない/岩井勇気」幸せというハンデ
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「僕の人生には事件が起きない」 著者:岩井勇気発行:2019年/新潮社 昨年の小晦日には米粒写経・サンキュータツオさんの「もっとヘンな論文」で締めくくりましたが、2021年の始まりもお笑い芸人繋がりで、ハライチ・岩井勇気 […]
- 2020年12月30日 「もっとヘンな論文/サンキュータツオ」私の憧れ-研究の世界!
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中学生のころ、私は研究者という仕事に憧れていました。大学に行って研究室に入り、誰も取り組まないようなニッチな研究対象をみつけ、生涯をかけ成果を出すこともなく死んでゆく、そんな無名の研究者になりたい。と夢見たことがありまし […]
- 2020年11月14日 「Google keep」にストックしたメモ
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何か気になる記事や言葉を見つけた時、とりあえず「Google keep」にメモを取ったりします。それは後でブログを書くときに役に立つはず、と思っているのですが、なかなかブログ化できないまま溜まっていく一方です。 今日はそ […]
- 2020年10月24日 「我らが少女A / 高村薫」と現代アートのこと
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「我らが少女A」高村薫発売日 : 2019/7/20 出版社 : 毎日新聞出版 高村薫のデビュー作は、1990年第3回日本推理サスペンス大賞を受賞した『黄金を抱いて翔べ』。銀行の地下深くに眠る金塊強奪を企てる男たちの物語 […]
- 2020年06月01日 「最後の講義 完全版 福岡伸一/どうして生命にそんなに価値があるのか」
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新型コロナウィルス関連で、生物学者の福岡伸一教授という方が、ウイルスは“進化”の一つだと言っているという話に興味を持ち、amazonを覗いてみました。数ある著書の中から、”昨日の私”と”今日の私”は少しだけ入れ替わってい […]
- 2020年02月23日 「ドーン/平野啓一郎」読書途中の感想文
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ああるの「映画と読書」に紹介されていた「マチネの終わりに」に触発されて、平野啓一郎さんの本を読みました。私にとっては、初めまして!の作家さんです。 ブックオフに赴き、数ある著作の中から迷った末購入したのが、本書「ドーン」 […]
- 2019年11月10日 「絶叫委員会(著:穂村弘)」を再読した
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穂村弘さんの「絶叫委員会」を再読しました。再読と言っても本棚から取り出して読み直したわけではなく、ブックオフで見つけて、愚かにも2冊目を購入してしまったわけで。 「未読の穂村弘発見!」と小躍りしてレジでお金を払い、寝る前 […]
- 2019年10月08日 「償いの雪が降る」健気な主人公を応援しながら読んだミステリ
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大学生のジョーは、授業で身の回りの誰かの伝記を書くことになった。適当な身内がいないため訪れた介護施設で、末期がん患者のカールを紹介される。カールは30年前に少女暴行殺人で有罪となった男で、仮出所し施設で最後の時を過ごして […]
- 2019年09月10日 『選んだ孤独はよい孤独(山内マリコ)』
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まず表紙の絵に惹きつけられました。 「装画:長谷川潾二郎 タイトル:アイスクリーム」 存じ上げないお名前だったので画像検索してみると、他にも心惹かれる絵が多く、嬉しい発見となりました。勝手に若いイラストレーターを想像して […]
- 2017年07月27日 『夢の断片(かけら)』モーラ・ジョス・・結末を知りたくない物語
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2004年/ハヤカワ・ミステリ英国推理作家協会賞・シルヴァー・タガー賞受賞 7月に入ってから、職場の休憩時間を使ってちまちま読み進めてきたこの本(367ページ2段組み)も、残すところ58ページとなりました。いよいよ、ここ […]
- 2017年06月17日 「ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女」ダヴィド・ラーゲルクランツ“国民を監視する者は、国民によって監視される”
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2015年発行/早川書房 職場に新しく入ったアルバイトの女性が、前職場を辞めた理由を話してくれました。そこは従業員用のロッカーがなく、従業員はバッグなどを籠に入れて休憩室に置いておくだけ。あるとき現金の盗難が相次いだため […]
- 2017年04月25日 「絶叫」/葉真中 顕“たまたま、同じ家に降ってきた人を家族と呼ぶ”
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光文社/2014年発行 この歳になると、何歳で死ぬことになるのかよりも、私はどこでどんな死に方をするのか、そのことの方が気になります。室内か、野外か、病院か。自然死なのか、病死なのか、事故死なのか、災害によってか。 厚生 […]
- 2015年12月01日 「紋切型社会-言葉で固まる現代を解きほぐす」/武田砂鉄・・・違和感を表明すること
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2015年発行/朝日出版社 第25回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞 フリーライター武田砂鉄さんの名前は、Yahoo !ニュースなどでたびたび目にしていました。面白いことを書く人だなあと憶えていたので、本書が出たと […]
- 2015年10月15日 「本当はちがうんだ日記/穂村弘」を再読。 たぶん4回目。
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7月中旬からブログの更新ができないまま、気が付けばもう秋です。働く、家事する、疲れる、寝る、のループから抜け出せず、ほぼ思考停止状態のこの頃。時間は容赦なく流れ去り、巷に年賀状予約の広告チラシが貼ってあるのを見つけて驚い […]
- 2015年07月21日 「解錠師/スティーヴ・ハミルトン」きっと泣く予感がする1冊
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ハヤカワ文庫/2012年八歳の時にある出来事から言葉を失ってしまったマイク。だが彼には才能があった。絵を描くこと、そしてどんな錠も開くことが出来る才能だ。孤独な彼は錠前を友に成長する。やがて高校生となったある日、ひょんな […]
- 2015年07月16日 「短歌の友人/穂村弘」
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河出文庫/2011年『短歌の友人』は、歌人・穂村弘さんが自分以外の人の作品を読み続けてきて、「頭の中に面白いなと思う短歌が少しづつたまって」いった作品について論じた、初めての歌論集です。伊藤整文学賞受賞。 第1章 短歌の […]
- 2015年06月14日 短歌「物語のはじまり/松村由利子」
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中央公論新社/2007年 「1. 働く」「2. 食べる」「3. 恋する」「4. ともに暮らす」「5. 住まう」「6. 産む」「7. 育てる」「8. 見る」「9. 老いる」「10. 病む、別れる」 以上、10のテーマに分け […]
- 2015年05月07日 『下流志向(学ばない子どもたち 働かない若者たち)』内田 樹
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ゴールデンウィークの最中”こどもの日“、予定の時間までの暇つぶしに入った書店で手に取り、思わず購入してしまいました。
- 2015年04月08日 悪医/久坂部 羊
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『悪医』 朝日新聞出版 (2013/11/7) 作家の久坂部羊さんは、現役の医師であり、現在は高齢者を対象とした在宅訪問診療に従事されている方です。 5,6年前、『日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか』を読んで以 […]
- 2015年01月11日 暗号解読(上・下)/サイモン・シン
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新潮文庫/2007年6月 以前、高野秀明 『ジェノサイド』 を読んだ際、インターネットでは「RSA暗号」というものが使われていることを知りました。特に暗号マニアというわけではありませんが、いまや私の生活に無くてはならない […]
- 2014年12月22日 「摩天楼の身代金/リチャード・ジェサップ」を再読してみて思ったこと
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文春文庫(1983/04) 「世界で最も安全」な超高級マンションがニューヨークにオープンした。青年トニオは、周到な準備と大胆な発想でこのビルを“人質”にし、警備側の誰一人として予想もしていなかった要求をつきつける。さらに […]
- 2014年12月14日 ミレニアムⅠ ドラゴン・タトゥーの女/スティーグ・ラーソン
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ミレニアムⅠ ドラゴン・タトゥーの女(上・下) スティーグ・ラーソン ハヤカワ文庫 2011年発行 内容(「BOOK」データベースより)月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家の違法行為を暴く記事を発表した […]
- 2014年11月07日 絶望名人カフカの人生論/カフカ・頭木弘樹翻訳
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『絶望名人カフカの人生論』(新潮社/2014/10/28) カフカは偉大な作家です。「現代の、数少ない、最大の作家のひとりである」とサルトルは言い、日本のカフカと称される安部公房は、「フランツ・カフカが存在しなかったとし […]
- 2014年09月14日 5冊まとめて、ちょっとだけ読書感想。
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本を読み終えて、すぐにブログに感想を書けばよいのだけど、それができずに本だけが溜まっています。あれも書きたい、これも書きたい、でも時間が経ち過ぎて記憶がどんどん薄れていく。で、今回は忘れ去らないうちに5冊まとめて、書き出 […]
- 2014年09月07日 「宇宙は何でできているのか」/村山 斉と「ルバイヤート」
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村山 斉/幻冬舎新書2010年9月発行 これまで、「万物は原子でできている」という考えが常識とされてきましたが、2003年に「原子以外のもの」が、宇宙の約96%以上を占めていることが分かったそうです。 では、「原子以外の […]
- 2014年07月20日 「暴露」スノーデンが私に託したファイル/グレン・グリーンウォルド
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CIA(アメリカ合衆国中央情報局)やNSA(アメリカ国家安全保障局)の局員として、アメリカ政府による情報収集活動に関わっていたエドワード・ジョセフ・スノーデンが、NSAによる個人情報収集の手口を告発したのは、昨年、201 […]
- 2014年07月01日 「フェルマーの最終定理」/サイモン・シン
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xn+yn=zn は、nが2よりも大きい場合、整数解は存在しない。 『フェルマーの最終定理』と呼ばれるこの定理は、フランス人、ピエール・ド・フェルマーによって17世紀に発見され、彼の死後、多くの人々がこの定理の証明に挑戦 […]
- 2014年05月14日 『What’s Going On』と中桐雅夫の『こんな島』
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不意にマーヴィン・ゲイ の『What’s Going On』がカーラジオから流れてきました。この曲はマーヴィン・ゲイの中で私が一番好きな歌ですが、聞くといつも泣きたいような、落ち着かない気持ちになり […]
- 2014年05月08日 今邑彩の短編集「鬼」
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ミステリー作家の今邑彩(いまむら・あや)さんが死去されたことを、1年以上も経った今頃知りました。ネットニュースによると、昨年の「3月6日に自宅で倒れたまま亡くなっているのが発見された。約2年前から乳がんを患い、2月上旬に […]
- 2014年04月27日 特捜部Q-キジ殺し-/ユッシ・エーズラ・オールスン
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ハヤカワ・ミステリ文庫 (2013/4/5) コペンハーゲン警察『特捜部Q』シリーズの第2弾です。1作目の『特捜部Q ―檻の中の女― 』で、ミレーデ・ルンゴー事件を解決したカール・マーク。その功績が認められ、特捜部Qには […]
- 2014年03月02日 「所有せざる人々」アーシュラ・K・ル・グィン
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ハヤカワ文庫SF(1986年7月)恒星タウ・セティをめぐる二重惑星アナレスとウラス―だが、この姉妹星には共通点はほとんどない。ウラスが長い歴史を誇り生命にあふれた豊かな世界なら、アナレスは2世紀たらず前に植民されたばかり […]
- 2013年11月19日 特捜部Q「檻の中の女」/ユッシ・エーズラ・オールスン
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発売: 2012/10/5 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 最近は家具や雑貨だけでなく、ミステリー界にも北欧ものが流行っているらしい。毎月のように次々と北欧ミステリーの翻訳本が出版されているので、私もブームに乗ってデンマーク […]
- 2013年10月27日 「都市と都市」チャイナ・ミエヴィル
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ハヤカワ文庫SF 2011/12/20発売 内容(「BOOK」データベースより)ふたつの都市国家“ベジェル”と“ウル・コーマ”は、欧州において地理的にほぼ同じ位置を占めるモザイク状に組み合わさった特殊な領土を有していた。 […]
- 2013年06月22日 擦り傷治療と中桐雅夫の詩
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昨年の話で恐縮ですが、暮れも押し迫ったある朝、私は路上で転倒。左足打撲と膝に大きな擦り傷をこしらえました。出勤ラッシュの車が渋滞している真っただ中での出来事で、派手に転んで血はダラダラ。恥ずかしさで、その場から逃げるよう […]
- 2013年06月22日 「統計データはおもしろい」本川 裕
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出版社: 技術評論社 (2010/10/26) 「国内、国外を問わずに、あらゆる角度から収集された社会データを基に、相関図を表し、そこから見えてくる事実とその裏に潜む現実を解説する書籍である。ときに国別の情報であったり、 […]
- 2013年06月21日 「ジェノサイド」高野 和明
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出版:角川書店2011年3月発行 このミステリーがすごい!2012年版」国内編第1位「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門 第1位第2回山田風太郎賞受賞35万部突破!ベストセラー爆走中!! と、帯に華々しい惹句が並び、 […]
- 2013年01月09日 「ららら科學の子」矢作俊彦
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出版社: 文春文庫(2006年10月)第17回(2004年) 三島由紀夫賞受賞 タイトルの“ららら科學の子”は、ご存知「鉄腕アトム」のテーマソングのワンフレーズですが、このタイトルからは想像しにくい内容の作品です。 19 […]
- 2012年12月09日 「人間はどこまで耐えられるのか」フランセス・アッシュクロフト
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出版社:河出文庫 発行:2008年5月10日(初版) 人間はどこまで耐えられるのか-辛い環境に追い込まれたとき、心はどこまで耐えられるか、という話ではなく、生きるか死ぬかの極限状況における、肉体そのものの限界について書か […]
- 2012年12月09日 「整形前夜」穂村 弘
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出版社:講談社 (2012/7/13) 『現実入門』を書いていた穂村弘さんも、結婚という生々しい現実を手に入れ、いまや「現実上級」資格取得者。 もはやイノセントな少年のままではいられなくなったからか、この『整形前夜』には […]
- 2012年12月09日 「絶望の国の幸福な若者たち」古市憲寿
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出版社: 講談社 (2011/9/6) 日本という国はつくづく若い人間を大事にしない国だと思う。 昭和時代、第二次世界大戦末期に実施された、戦死を前提とした特攻隊(特別攻撃隊)に駆り出されたのは、10代から20代の若者た […]
- 2012年12月07日 レディオヘッドと「1984年」
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「わたしはずっと恋焦がれていたのである。フジロックに。どこかの山奥で、なにやら楽しげなフェスティバルが毎年開かれていることは、雑誌の記事等で知っていた。」 これは、奥田英朗のエッセイ「用もないのに」(文春文庫/2012年 […]
- 2012年12月06日 「モダンガール論」斎藤美奈子
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モダンガール論/文春文庫発行/2003年12月 米原万里著「打ちのめされるようなすごい本」で紹介されて知った本なのですが、米原万里さんも指摘している通り、タイトルで損をしているかもしれません。読む前は、「大正時代のコギャ […]
- 2012年10月12日 短歌・小西 啓の二冊の歌集について
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♦ いつかまた 出会えるような雰囲気を 自分はいつも残せずにおり ♦ 雑踏の中で 見つけた真実か 俺も他人の足を踏んでおり ♦ 急激に悲しくなりき 反抗期終えてしまえば […]
- 2012年08月20日 「詩とことば」荒川洋治
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「詩とことば」 荒川洋治 発行:2012年6月 岩波現代文庫 知らないうちに私たちは、生活のなかで、詩のことばを生きている。しかし、詩とは、なにをするものなのか?その意味を考えることは、私たちと世界とのあたらしい関係をひ […]
- 2012年04月25日 「結婚の条件」小倉千加子
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「結婚の条件」小倉千加子/朝日新聞社発行/2003年11月 以前、斎藤美奈子さんの「モダンガール論」を読んで、女性史というジャンルに興味を持ったのですが、その斎藤美奈子さんが「本の本」で以下のような書評を載せていたのが、 […]
- 2011年12月31日 「冠婚葬祭のひみつ/斎藤美奈子」「日本人のしきたり/飯倉晴武」
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仕事納めの28日夜から風邪を引き、貴重な正月休みも台無しになっています。起きているのも辛いが、寝てしまうには哀しい大晦日の夜。せめてブログの一つも書いておきたい。 最終日までついていない今年一年を振り返ってみると、春から […]
- 2011年12月11日 「本の本」斎藤 美奈子
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最近、“斎藤美奈子”に嵌って、ブックオフで見つけるや必ず購入しています。きっかけは、『打ちのめされるようなすごい本』(米原万理/文春文庫)の中で米原万理さんが「斎藤美奈子の本は全部読んでいる」とファンぶりを披露していたの […]
- 2011年09月08日 山頭火著作集Ⅳ
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引っ越し前整理をしていると、押入れの天袋や階段下の物入れから何年も開いたことのないクリアケースや紙箱が出てきました。中に何が入っているか、開けてみるまで思い出せない大小の箱。子供たちのへその緒や母子手帳や予防接種記録カー […]
- 2011年08月28日 現代詩花椿賞「永遠に来ないバス」小池昌代
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もうじき家を引っ越すことになり、毎日が仕分け作業です。家具はたいして多くないけど、こちゃこちゃ細かい雑多なもので家中が構成されており、それらの全ての品々になにがしかの思い出があり、「いる、いらない作業」はスムーズにはいき […]
- 2011年08月18日 「100,000年後の安全」と「静かな黄昏の国」
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お盆休みに「100,000年後の安全」を観てきました。映画館に足を運ぶのは年に1回あるかないかの生活ですが、今年は2回目。前回の「ソーシャルネットワーク」はTOHOシネマ与次郎で、300席余りある部屋に観客は4人という贅 […]
- 2011年06月05日 「純平、考え直せ」奥田 英朗
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出版社: 光文社 (2011/1/20) 待ってました!奥田英朗の最新作。前々回の「オリンピックの身代金」は暗いトーンの作品でしたが、今度のこれ「純平、考え直せ」は思い切り笑わせてくれます。タイトルからしておかしいでしょ […]
- 2011年05月13日 「自転車にのるクラリモンド」石原 吉郎
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今日、車で移動中カーラジオから、懐かしい曲が流れてきました。シルヴィ・バルタンの「アイドルを探せ」、フランス・ギャルの「涙のシャンソン日記」、ミッシェル・ポルナレフの「シェリーに口づけ」などなど、そのほか数曲。1960年 […]
- 2011年03月02日 「ここがウィネトカなら、きみはジュデイ」大森望編
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出版社: 早川書房 (2010/9/22) 男はいつもと違う色の天井の下で目覚めた。ここはウィネトカか?それとも…。人生を飛び飛びに生きる男女の奇妙な愛を描いた、SF史上に残る恋愛時間SFの表題作。ヒューゴー賞/ネビュラ […]
- 2011年02月07日 「もしもし、運命の人ですか。」穂村 弘
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出版社: メディアファクトリー (2010/12/21) (内容紹介Amazon.co.jp)黙々と働く昼も、ひとりで菓子パンをかじる夜も、考えるのは恋のこと。あのときああ言っていたら……今度はこうしよう……延々とシミュ […]
- 2010年12月22日 「不実な美女か貞淑な醜女か」米原 万理
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出版社: 新潮社 (1997/12) 同時通訳者の頭の中って、一体どうなっているんだろう?異文化の摩擦点である同時通訳の現場は緊張に次ぐ緊張の連続。思わぬ事態が出来する。いかにピンチを切り抜け、とっさの機転をきかせるか。 […]
- 2010年12月15日 「生、死、神秘体験」立花 隆
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出版社: 講談社 (2007/5/15)内容(Amazon.co.jp「BOOK」データベースより) 「私はいかにしてここに存在するようになったのか」という自分の存在根拠を追い求めた立花隆は「生命」とは何か、 […]
- 2010年10月07日 「ワーキングプア―日本を蝕む病 」NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班
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出版社:ポプラ社 (2007/06) 働いても働いても報われない人々「ワーキングプア」。NHKスペシャル取材班が、放送では伝えきれなかった詳細を書籍化し、大反響を呼んだ。現代日本の象徴的な問題に我々はどう対処すべきか。渾 […]
- 2010年09月27日 「ワイルド・ソウル」垣根 涼介
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出版社: 幻冬舎 (2006/04) 内容(Amazon.co.jp「BOOK」データベースより)1961年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこ […]
- 2010年09月04日 ジュール・シュペルヴィエル
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フランスの詩人です。小説家でもあるようです。いいにくい名前です。古いノートに私はジュール・シュペルヴェールと書き写していたので、その名前で検索してみましたが、シュペルヴェールでなくシュペルヴィエルの方が通りがよいようです […]
- 2010年08月29日 「下から目線で読む『孫子』」山田 史生
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出版社:筑摩書房 (2010/7/7) 内容(Amazon.co.jp 「BOOK」データベースより)歴史上、数々の支配者たちに熟読されてきた兵法書の古典『孫子』。人間心理への深い洞察をもとに必勝の理を説いた同書を、視点 […]
- 2010年08月05日 「外科医須磨久善」海堂 尊
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出版社: 講談社 (2009/7/23) (内容紹介Amazon.co.jpから)“海堂ワールドの新展開、外科医の謎に迫る。” 世界的権威の心臓外科医はいかにして誕生したのか。旧弊な学界から若くして認められるため、どんな […]
- 2010年07月15日 「エンジェルズ・フライト」マイクル・コナリー
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出版社: 扶桑社 (2006/01)内容(Amazon.co.jp「BOOK」データベースより)LAのダウンタウンにあるケーブルカー、“エンジェルズ・フライト”の頂上駅で惨殺死体が発見された。被害者の一人は、辣腕で知られ […]
- 2010年06月29日 「木曜日の子供 」テリー ホワイト
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出版社: 文藝春秋 (1991/09) 木曜日の子供は遠くまで行く―。マザーグースはそう歌う。たまたまそんな星の下に生まれたために旅に出なければならない家出少年が、ひとりの殺し屋に出会う。が、この凄腕の殺し屋も、よくよく […]
- 2010年06月17日 「探す」飯島 耕一
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生活居住圏も生活パターンも全然重なることのない人と、予期せぬ場所でばったり出会って、驚くことがたまにあります。 そんな時、「あの店をあと1分出るのが遅かったら、あるいは早かったら、決して出会うことはなかったのだ」などと思 […]
- 2010年05月27日 詩人、岩田宏さんのこと
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TVなどで耳にした曲が気に入って、アルバムを借りて聞いてみると、結局その一曲しか聞くものがなかったりするのはよくあることです。私にとって音楽CDは繰り返し聞くことが前提で、読書するみたいにいろんなジャンルをあれこれ聞いて […]
- 2010年04月29日 「マグマ」真山 仁
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出版社: 朝日新聞社 (2008/3/7) 内容紹介(Amazon.co.jp)外資系ファンドの野上妙子は、地熱発電を運営する会社の再建を任される。地熱発電に命をかける老研究者、それを政争に利用する政治家、欧米からの執拗 […]
- 2008年05月07日 「光る砂漠」 矢沢 宰
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私の手元にあるのは、たぶん30年以上前に購入した詩集。久しぶりに本棚から取り出してみました。文庫本はほとんど捨てるか売るかするのだけど、画集、詩集、写真集、と集の付く本はなかなか捨てられません。矢沢宰さんは14歳から詩を […]