出版社: 扶桑社 (2002/11)
内容(Amazon.co.jp「BOOK」データベースより)
連続殺人犯を追い、数々の難事件を解決してきたFBI捜査官テリー・マッケイレブ。長年にわたる激務とストレスがもとで、心筋症の悪化に倒れた彼は、早期引退を余儀なくされた。その後、心臓移植の手術を受けて退院した彼のもとに、美しき女性グラシエラが現われる。彼女は、マッケイレブの胸にある心臓がコンビニ強盗に遭って絶命した妹のものだと語った。悪に対する怒りに駆り立てられたマッケイレブは再び捜査に乗り出す。因縁の糸に繰られ、事件はやがてほつれ目を見せはじめるが…。
「
映画と読書」で紹介されていたマイクル・コナリーの
「暗く聖なる夜」を読んでから、この作者のハードボイルドタッチが気に入っています。
少し細か過ぎるかなと思うほど、ディテールを丁寧に書き込んでいます。小説の中で登場人物の一人が推理小説を読んでいる場面があるのですが、「今西警部、捜査す」という日本のミステリーです。これがなんと松本清張の「砂の器」のことだと注訳がありました。こういう、ちょっとした「へぇ~」を見つけるのも、海外小説の面白さです。
「わが心臓の痛み」は原題の「Blood work」のタイトルで映画化されたそうです。文庫のカバーにもなっているので分るようにクリント・イーストウッド主演。及び監督・制作も。
クリント・イーストウッドと言えば、私が子供の頃初めてカッコイイ!と思ったヒーローです。「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」、その後の「ダーティ・ハリー」シリーズ。思えばこの頃に私の「ハードボイルドでアウトロー」な好みが形成されたのでしょう。原点はクリント・イーストウッドに違いありません。
彼の映画を最後に観たのは「許されざる者」。夫と二人でDVDで観ました。夫は「いい映画だ。」とかなり感動していましたが、私は「我がヒーローも歳をとったなあ」としみじみしたものです。
ところで、今夜は「歳をとるのは怖い」と思い知らされることがありました。
ブックオフで次なるマイクル・コナリーを手に入れて嬉々として車で帰宅する私。大きな交差点の最前列で信号待ちしていると、車をぶつけられました。
信号待ちでぶつけられるというと、追突されたのだろうと思うでしょう?違うんです。左折するつもりだったらしい車が、大回りに曲がって、信号待ちしている車の列に突っ込んできたんです。とろとろしたスピードで、ひょろひょろと私の車の正面左寄りにやってきてコトンとぶつかり、ガリッとボディをこすって、私の車と隣の車の間をすり抜けようとしました。運転しているのは80歳をとうに過ぎていると思われるご老人でした。
その時信号が青になったので他の車はそのご老人の車を避けながら、いっせいに走り出し、動けないのは私の車だけ。バックミラーで見てみると、そのご老人の車はするすると私の後方を走って行き、そのまま左車線を逆走していくようでした。一人取り残された私。仕方が無いのでそのまま帰ってきました。
高齢者の危険運転のことがニュースになったりしますが、本当に怖いですね。今夜を境にその方が運転をやめる決心をしてくれたらいいと思うのですが。
「歳をとるということは昨日までできていたことが、今日からはできなくなること。」そうなんですねぇ。