村山 斉/幻冬舎新書
2010年9月発行
これまで、「万物は原子でできている」という考えが常識とされてきましたが、2003年に「原子以外のもの」が、宇宙の約96%以上を占めていることが分かったそうです。
宇宙のエネルギー
- 星と銀河 0.5%
- ニュートリノ 0.1~1.5%
- 普通の物質(原子) 4.4%
- 暗黒物質 23%
- 暗黒エネルギー 73%
- 反物質 0%
- 暗黒場(ヒグス) 10%??
- 『宇宙は何でできているのか』 p44図6参照
では、「原子以外のもの」の大半を占める、「暗黒エネルギー」とは?「暗黒物質(ダークマダー)」とは?いったいどんなものか。
それはまだ名前しかついていない正体不明のもの。でも「ある」ということは分かっているそうです。
宇宙は、不思議がいっぱい、まだまだ謎だらけ。
まあ、「地球が秒速30㎞という猛スピードで公転している」ということすら知らなかった無知な私ですから、この1冊で宇宙を理解しようなんて土台無理な話ですが、謎解きの過程を垣間見る楽しさを味わえました。
「宇宙は、どうやって始まったのだろう?
遠くに見える星は、何でできているのだろう?
どうして、自分たちはこの宇宙にいるのだろう?
宇宙はこれからどうなっていくのだろう?」
という素朴な疑問に挑み続ける科学者たちによって、素粒子の法則から宇宙の構造まで、謎は少しずつ、時には飛躍的に解き明かされ、壮大な宇宙マップが作成され続けていることが、本書を読んで分かります。
そういえば、文部科学省の「科学技術週間」サイトに「一家に1枚」というコンテンツがあります。ここに「宇宙図」のポスターがpdfファイルで提供されています。
私の持っているものは2007年版なのですが、現在は2013年版。ちゃんと更新されているんですねえ。
「一家に1枚」→http://stw.mext.go.jp/series.html
宇宙図以外にも「たんぱく質」「鉱物」「太陽」「磁場と超伝導」「未来をつくるプラズママップ」「天体望遠鏡400年」「光マップ」「 ヒトゲノムマップ」「元素周期表」等があります。中高生のお子さんのいらっしゃるご家庭に、「一家に一枚」はおすすめです。
さて、本書を読んで、11世紀ペルシアの詩人、ウマル・ハイヤームの詩を思い出しました。若い頃、ノートにいくつか抜き書きしていたものです。その中の2節をメモしておきます。
『ルバイヤート』
ウマル・ハイヤーム
われらが来たり行ったりするこの世の中、
それはおしまいもなし、はじめもなかった。
答えようとて誰にはっきり答えられよう――
われらはどこから来てどこへ行くやら?来ては行くだけでなんの甲斐があろう?
この玉の緒の切れ目はいったいどこであろう?
罪もなく輪廻の環の中につながれ、
身を燃やして灰となる煙はどこであろう?
追記
ああるさんのコメントに返信していて、「Mitaka(ミタカ)」のことを思い出しましたので、ここにもメモしておきます。
「Mitaka」は、「国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(http://4d2u.nao.ac.jp/)」が提供するフリーソフトです。
自分のPC上で、「地球から宇宙の大規模構造までを自由に移動して、宇宙の様々な構造や天体の位置を見る」ことができます。
容量が大きいソフトなので少々注意が必要かも・・・
ダウンロードはこちらから→http://4d2u.nao.ac.jp/html/program/mitaka/
宇宙図!すごいものをお持ちだったのね。200%ぐらいに拡大しないとちゃんと読めそうにない。ということはどうやって印刷する?
ルバイヤートって、何かの本の巻頭にあったり、引用されてたり、そういうものしか読んだこと無い。ので、何かのはずみに思い出すことは無い。昔から、どこから来てどこへ、と、いうテーマに関心があったatconさんなのですね。
私の持っている宇宙図は、「一家に一枚」と同じものですが、A2サイズのポスターになっているものです。
数年前マルヤガーデンズに行った時、偶々宇宙科学関係のセミナーが催されていて、フラッと入ってお土産にポスターを貰いました。セミナーでは、「国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(http://4d2u.nao.ac.jp/)」が提供するソフトウェア「ミタカ」も見せてもらったのですけど、これがすごいソフトで、「地球から宇宙の大規模構造までを自由に移動して、宇宙の様々な構造や天体の位置を見ることができます。」っていうものです。家に帰って早速ソフトをダウンロードして自分のPCにインストールして見てみましたよ。
ただ、当時の私のPCには重過ぎるソフトだったので、結局はアンインストールしちゃったのだけど。
興味があったら一度ご覧あれ。
http://4d2u.nao.ac.jp/html/program/mitaka/