月別アーカイブ: 2023年7月

『第六ポンプ』パオロ・バチガルピが描く10個のディストピア

第六ポンプ』パオロ・バチガルピ/早川書房

内容:化学物質の摂取過剰のために、出生率の低下と痴呆化が進化したニューヨーク。下水ポンプ施設の職員の視点から、あり得べき近未来社会を鮮やかに描いたローカス賞受賞の表題作、石油資源が枯渇して穀物と筋肉がエネルギー源となっている、『ねじまき少女』と同設定のアメリカを描きだすスタージョン賞受賞作「カロリーマン」ほか、全10篇を収録。数多の賞に輝いた『ねじまき少女』でSF界の寵児となった著者の第一短篇集。
—-「BOOK」データベースより

原書は2008年に書かれているので、今から15年ほど前の作品になります。
現代社会がまだ解決できないままでいる、食糧問題、環境問題、エネルギー問題、遺伝子操作による生命倫理問題ーー。『第六ポンプ』には、こんな現代社会の延長線上にある物語が10編詰まっています。
物語全般に漂うディストピア観がとても独特で、グイっと惹きこまれる短編集です。

生態系を破壊しつくした世界で、砂を食べて栄養を摂取できる体になった人類の物語。
鉱物資源が枯渇し、動力はもっぱらゼンマイになるという世界の物語。
不老不死を実現させ、人口維持のため出産が禁止される世界の物語。
富裕層の快楽のため、楽器に生体改造された少女の物語。
テクノロジーが発達しても技術を継承できる人間がいないため、システムエラーを処理できなくなる社会の物語。などなど、、、
こんな未來は嫌だ!って物語ばかりなのですが、意外と読後感は不快ではなかったです。どの物語にも少しばかりの救いと希望が込められていると感じます。

2023年、日本の夏は災害級の暑さと呼ばれています。既にディストピアな未來の入り口に立っているのは間違いないですね。このまま実効性のある対策を講じることがなければ、どうなっていくのか、、、、。

二週間で読み終えられるか?図書館で借りた2冊の本ー「空白を満たしなさい」「第六ポンプ」

このところ私の読書体験はノンフィクション的なものに偏りがちです。
図書館で借りるのは値段の張るイラスト関連のものばかりで、いわゆる”小説”を読む機会がめっきり少なくなりました。
時には小説、特にミステリやSFなどの虚構の世界にどっぷり浸る、あの刺激的な没入感が欲しい。そう思い立ったら矢も楯もたまらず、一昨日の午後図書館に行きました。

図書館で借りたい本を6冊ほど検索すると、村上春樹の『街とその不確かな壁』は市内全域の図書館で貸し出し中になっていて、さすがですね。みんなの熱が冷める時を待つしかないような状況です。

すぐ借りれる本は4冊ありました。2週間という貸出期間で4冊は読めそうにないので今すぐ読みたい2冊を選びました。
平野啓一郎『空白を満たしなさい』とパオロ・バチガルピ『第六ポンプ』です。

『空白を満たしなさい』平野啓一郎/2012年

『第六ポンプ』パオロ・バチガルピ/2012年

『空白を満たしなさい』は昨年NHKでドラマ化されたそうで、とても面白いという評判を聞き読んでみたいと思っていました。なによりも『空白を満たしなさい』というタイトルに惹きつけられます。
空白とは何か、何で満たすのか。タイトルからしてミステリアスです。
YouTubeのRadioheadのサイトで全ての動画を再生しながら、まずはこの本から読み始めます。

『空白を満たしなさい』を読んで

ミステリと思って読み始めたら、主人公土屋徹生(36歳)は3年前に自殺して生き返った人間であるという。それもどうやら世界各地で死んだ人間が生き返る現象があり、彼らは「復生者」と呼ばれるーーーという設定で始まる物語でした。
SFのように現象に対して科学的裏付けを施す、ということは一切無い。とにかくこの設定を受け入れ、この荒唐無稽な物語がどこに向かいどこへ行きつくのか?を追いかける感じで、500ページ近い分量にも関わらず一気読みしました。
午後3時頃から読み始め夕飯と休憩を挟み、真夜中の3時頃読み終わりました。没入感、頂きました。

とは言うものの、かなり物語が長いという印象もありました。途中2ケ所ほど、ここで終わらないの?と思うポイントもありましたが、まあでもそれは、著者の世の中に対する問題意識や人間に対する思いが溢れ出ているようにも思えました。
その結果、この本で語られるテーマはいくつもあって、読む人によって捉えどころは異なることと思います。

そしていよいよ本当に最後のページになって、最後の一行を読んだ時、その最後の一行の素晴らしさに満足して本を閉じました。

余談ですが、テレビドラマでは主人公土屋徹生を柄本佑が、土屋を苦しめる佐伯という男を阿部サダヲが演じたそうですね。どちらも好きな俳優なのでできることなら観たかったです。
NHKって時々民放では観られないようないいドラマがあるんですよね。テレビを生活から排除すると決めた時、そのことが頭をよぎって、やっぱりテレビ捨てるのよそうかとも思ったものでした。
でももう捨てちゃったけど。

WordPress Popular Postsに黄色の警告文が表示される【解決】

WordPress Popular Postsは、人気記事のランキングを作成してくれるWordPressのプラグインで、多くのサイトで使われています。

先週あたり、突然下記のような英語の!黄色の!警告文が!表示されるようになりました。

ブラウザの拡張機能(TWP – Translate Web Pages)を使って翻訳すると、ウィジェットの仕様をクラシック形式のままで使っているのが原因らしい。

WordPressは2018年のバージョンアップで、編集機能がブロックエディタという形式に変更になりました。当初、すごく戸惑ったことを覚えています。
それまではワードで文章を書くみたいな馴染みある編集画面だったのが、ブロックエディタではエンターキーを押すごとに文章も画像も独立したブロックとなります。文章を頭の中で組み立てて、一気に書き上げるタイプの人には、少々ウザい編集機能だと思います。

私のように考えがまとまらないまま書き始めるタイプには結構便利でした。とりあえず画像や思いついた文章をブロックにして、あとからブロックの順番を変えたり挿入したり削ったりしていく作業は、とりとめもなく散らかった頭の中が少しずつ整理されていくような気がします。

という風にに文章を書く時はブロックエディタを使っているのですが、ウィジェットはブロック形式の使い方がよく分らず、結局従来のクラッシク形式のままにしていました。

しかし、今回WordPress Popular Postsに黄色の警告が出たからには、ウィジェットをブロック形式にしなければならず、ああでもないこうでもないといじり倒して、何とかブロックウィジェットに置き換え警告も消えたので、ここにその過程をメモにしておきます。

1.Classic Widgetsを無効化してブロックウィジェットにする

以前、ウィジェットをブロック形式で使おうとしてうまくいかず、Classic Widgetsというプラグインを入れて、従来のクラッシクウィジェトが利用できるようにしていました。
こういうプラグインがあるってことは、ブロックウィジェット面倒臭い!と思っている人も結構多いっていうことですよね。
って、それはともかく、まずは、プラグインClassic Widgetsを無効化してウィジェットをブロック形式にします。

当ブログではプラグインJS Archive List Widget (年月別アーカイブ)の前にWordPress Popular Postsを表示させたいので、JS Archive List Widget のところにカーソルをもってきて、表示される「縦三点リーダー」をクリック⇒「前に挿入」をクリックします。

2.ブロックを追加する

マークをクリックして、ブロックを追加。「すべて表示」をクリックします。

3.サイドバーからプラグインWordPress Popular Postsのアイコンを探す

「すべて表示」をクリックすると、サイドバーが表示されるので、WordPress Popular Postsのアイコンを探してクリックします。

 WordPress Popular Postsの設定画面が表示されるので、タイトルなどの設定をします。
設定が済んだら右上にある「更新」ボタンをクリックします。

4.従来のウィジェットを削除する

WordPress Popular Postsの従来のクラシックウィジェットの「縦三点リーダー」をクリックして、「従来のウィジェットを削除」をクリック。これで、黄色い警告がでなくなりました。

5.CSSにスタイルを追加する

ウィジェットをブロック形式にすると、WordPress Popular Postsのウィジェットタイトルの見た目が変わってしまいました。当ブログで言えば「よく読まれている記事」というタイトル部分です。

これはiwb.jpさんのブログを参照したところ、以下のような理由とのことです。

WordPress Popular Postsをブロック形式に変更するとh2タグの「widget-title」のCSSクラス名が付かなくなります。

iwb.jp 「WordPress Popular Postsプラグインの黄色の警告の対処法」 を参照いたしました。

そこでブログのテーマのstyle.cssにクラス名popular-posts h2を追記して見た目を整えます。

当ブログでは以下のように追記してフォントやボーダーなどのスタイルを変更しました。

/* 追記例 */
       .popular-posts h2 {
            border-top: 5px solid #000;
            color: #2b2b2b;
            font-size: 14px;  
            font-size: 0.999999rem;
            font-weight: 900;
            margin: 0 0 18px;
            padding-top: 7px;
            text-transform: uppercase;
         }

6.スタイル変更が反映されなかったらブラウザのキャッシュを消去する

スタイルシートを変更してファイルをアップロードしたあと、WEBページに変更が反映されなくて、ひとりでアワアワ慌ててしまいました。何度もファイルを確認したりアップロードし直したり、無駄に時間を費やしてしまいました。
cssや画像などを変更したときWEBページが更新されなかったら、まずはブラウザの履歴のキャッシュを消去してみる。今まで何度もやってきたことなのに、いったい私は経験が身につくということがないのだろうか。
それとも物事を忘れる速度が速くなっただけなのか。
我が身を振り返って.何だかぐったり疲れてしまいました。

今回参考にさせていただいたブログ

WordPress Popular Postsプラグインの黄色の警告の対処法

ありがとうございました。