月別アーカイブ: 2019年8月

ブラウザを『Firefox Quantum』に変えてみた。

ブラウザを変えたい理由

インターネットを利用していてストレスに感じることの一つに、閲覧しているサイトに、ちょいちょい表示される「広告」の存在があります。

中でも 「追跡型広告」と呼ばれるアレ。Webサイトで閲覧した商品画像や広告が、何の関係もないはずの他のサイトでも表示されるアレです。

通販サイトなどでちょっと閲覧したことのある商品画像が、他のWebサイトまでストカーのように追いかけてくる。「知っているよ、あなたはこれが欲しいんでしょ。」みたいな感じで煽ってくる。

いやいや、私の好みを勝手に推測しないでください。買う気はないんだから。ってちょっとイラッときます。

トマス・スウェターリッチ作のSF小説『明日と明日』(ハヤカワ文庫)に描かれる未来は、「アドウェア」というアプリを頭部に装着することでwifiに自動接続され、頭の中に直接Web配信される電脳社会。

ニュースもメールもSNSも、あらゆる情報、データが頭の中でやりとりされ、3Dのヴィジュアルが目の前にポップアップされる。

広告もスパムも勝手にストリーミングされるので、車で走っていると、彼の思考をトラッキングして、関連した広告やサイトに誘導する煽り映像が、次々と行く手に現われる。ビキニの女性が、飲料水が、チョコレートが、有料パーティへのお誘いが、絶え間なく現われる。
主人公は思わず叫ぶ。「やめろーー何もいらないー-今は何も買いたくないーー」

そんな3D広告にストーキングされる未来がこないとも限らない。
だって、選挙の時に名前を連呼するだけの立候補者に投票する人たちがいて、しつこくすればその気になるでしょ、と信じている広告業者が絶滅していない現状なのだから。
というわけで、トラッキング防止に特化したブラウザに乗り換えることにしました。

参考サイト
『Chromeはランク外? 安全で信頼できるベストなブラウザ4選

https://www.lifehacker.jp/2019/08/the-best-privacy-and-security-focused-web-browsers.html

https://www.mozilla.org/ja/firefox/上記サイトを参考にして、今回は『Firefox Quantum』をインストールしました。
https://www.mozilla.org/ja/firefox/

インストール後、画面の右端上部にあるメニューアイコンを開いてオプション、アドオンの設定をします。

『 Firefox のオプション設定 』を参照しながら設定していきました。

アドオン(拡張機能) にある 『Privacy Badger』については、Chromebookのある生活サイトのChrome拡張機能、『Privacy Badger』という記事を参考にさせていただきました。

設定後 『Firefox Quantum』 と今まで使っていた 『Chrome』と両方で、いろんなサイトを開いてみて、表示される広告を比べてみました。その結果、 『Firefox Quantum』 では「追跡型広告」がしっかりブロックされていることを確認しました。
しかし、喜ぶのも束の間、表示がおかしいサイトを発見!

サイト表示がおかしかっのでリフレッシュした

ヤフージャパンを開いたらこんな色気の無いサイト表示になってびっくり!

原因は分かりませんが、、、 おそらく私が設定を変にいじり過ぎたせいなのかと。
『 Firefox をリフレッシュする – アドオンや設定のリセット』 ページにあるリフレッシュボタンをクリックしたところ無事解決。
その後、特に問題は見つかりませんでした。

『Firefox Quantum』に変えて良かったところ

「追跡型広告」をブロックできるのはもちろんですが、そのほかにちょっと嬉しい機能がありました。

①右クリックで簡単にスクリーンショットが撮れる。
キーボードでもスクリーンショットは撮れますが、画面全体だけでなく撮りたいところを選択して撮れます。これはちょっと便利です。

②アドオンにある『Worldwide Radio』
アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、世界各国のFMラジオが視聴できます。
機能を追加すると、画面右上にラジオのアイコンが表示されます。
チャンネル数が多くて、一つ一つ視聴していくといったい何日かかるやら、、、作業用BGMとして使えそうです。

※追記:後にYouTubeに作業用プレイリストを作ってからは、『Worldwide Radio』を聞くことは無くなってしまいました。

③画像変更表示が素早い
ホームページ作成をしていて、画像の差し替えをアップした時、『Chrome』では一度キャッシュを削除しなければ、差し替えた画像がすぐには表示されなかったのですが、『Firefox Quantum』では瞬時に表示されるので気持ちがいい。

※追記:後にFirefoxでも画像を差し替えたらキャッシュを削除した方がいいと気付きました。

追記

後から気が付いたのですが、以前『 web作成にちょっと便利なGoogle Chromeのカラーピックアイドロッパー 』で紹介しました“カラーピッカー”は使えなくなりました。『 Chrome 』の拡張機能なのだから仕方ないけど、ちょっと残念。

※追記:後にFirefoxでもカラーピッカーのアドオンが有効になりました。

追記2

TVerやYouTubeも『Firefox Quantum』で開くと、広告無しで観れます。
ストレスフリーでありがたいです。

でも、途中で止まってしまう動画サイトが、たまにあったりします。ある種の広告が出るタイミングではじかれてしまうようです。(※後日、広告無しで難なく見れるようになりました。Firefoxの更新で修正されたのか?YouTube側の問題だったのか?理由は分かりませんが、とりあえず現在動画も快適です。)

【追記】動画が途中で止まってしまうことはなくなりましたが、TVerを観ていたら、最初から動かない動画がたまにあります。これは広告を表示しなければ動かないぞ!という作りになっているらし。仕方ないので、『GoogleChrome』と両方使っている現状です。

アドオンとしては、『Notes by Firefox』が気に入っています。
すごく便利なメモ作成機能です。WEBを閲覧している間中、画面にサイドバーを固定表示できて、メモ帳として使えます。

※追記:これはとても使い勝手がよい。思いついたことをすぐにメモできます。

デメリット:Firefoxを推奨していないサイトもあるようで、、、、


「ザ・バニシング―消失-」真相を知りたいという好奇心

1988年製作の映画ですが、日本公開は初めてという埋もれた名作。

「サイコ・サスペンス映画史上№1の傑作、ついに解禁 !」
スタンリー・キューブリックは本作を3回観てこれまで観たすべての映画の中で最も恐ろしい映画だと言った。

http://www.thevanishing-movie.com/ 映画『ザ・バニシング -消失-』オフィシャルサイトより

という煽り文句にしっかり煽られました。
ホラー映画の金字塔と称される『シャイニング』を生み出した、あのキューブリック監督が恐ろしいと言い放つ、それはいったいどんな映画なのか、どうしても知りたくなりました。

予告編を観る限り、おそらく血液の量で恐怖を表現するようなスプラッターホラーの類ではなさそうです。
そこのところは一応確認して、『シャイニング』 も怖いからと観れなかった超ビビリのくせに、恐ろしい結末が待っていると分かっていながら、好奇心に抗えず観に行きました。

「7月、オランダからフランスへと車で小旅行に出掛けていたレックスとサスキア。立ち寄ったドライブインで、サスキアは忽然と姿を消してしまう。必死に彼女を捜すも手掛かりは得られず、3年の歳月が経過。依然として捜索を続けるレックスの元へ、犯人らしき人物からの手紙が何通も届き始め…。」

http://www.thevanishing-movie.com/ 映画『ザ・バニシング -消失-』オフィシャルサイトより

3年前、忽然と姿を消した恋人(妻?)サスキアを探し続けるレックスだが、3年という歳月が過ぎた頃には、もはや彼女の生存を信じることは難しくなった。
『喪失感』から立ち直るには、3年という歳月が必要だったのでしょう。
そんなところへ彼女の失踪について知っているらしい人物からの手紙が届く。
レックスは彼女に何が起こったのか真相を知りたい、ただただ知りたいという好奇心に抗えず、待ち受ける恐怖へ足を踏み出してしまう。

携帯電話もなかった30年ほど前のフランスの、のどかな村の美しい景色と日常。
登場人物も少なく、派手な演出もない。
あるのは3者の好奇心だけ。
サスキアに何が起こったか知りたいというレックスの好奇心。
自分の中にある異常性と正常性を立証したいという男の好奇心。
結末を知りたいという観客の好奇心。

知りたいと言う好奇心に抗えない人間の性(サガ)を描いた作品とも言えそうです。

39席だけの小さな劇場に観客は10人ほどでした。
観客の少ない映画館で席を選ぶとき、いつも悩みます。どの席が一番「最適」なのか。

前方の席だと見上げる感じになるから首が疲れそう。自分の目線と水平なところがいいのか。それとも階段を上がった後方からスクリーンをちょいと見下ろすくらいがちょうどいいのか。
迷いつつも結局は、最初に目についた誰も座っていない列の中ほどに座ることにしました。

そういえば、私は物事の「最適」がよく分からないなあとふと思いました。
人との「最適」な距離感とか、TPOに「最適」の服装とか、場に「最適」な言葉遣いとか、、、、

つらつらそんなことを考えていましたが、館内が暗くなりいよいよ映画が始まると、何を考えていたかすっかり忘れて、これから始まるであろう恐ろしい物語への好奇心でいっぱいになるのでした。