働いても働いても報われない人々「ワーキングプア」。NHKスペシャル取材班が、放送では伝えきれなかった詳細を書籍化し、大反響を呼んだ。現代日本の象徴的な問題に我々はどう対処すべきか。渾身のノンフィクション。
(内容Amazon.co.jp<「BOOK」データベースより)
NHKでスペシャル番組、「ワーキングプア~働いても働いても豊かになれない~」と「ワーキングプアⅡ~努力すれば抜け出せますか~」が放送されたのが、2006年7月と12月。
本にまとめられ発行されたのは2007年6月。
2007年8月にはT/T:Blog 「ワーキング・プア」でこの話題に触れていましたね。
NHKの番組はとても反響が大きかったということです。私は当時観ることができなかったので、せめて本にまとめたものを読みたいと思いながら、読むと辛いぞという予知能力が働いて、ついこれまで避けてしまっていましたが・・・・ブックオフでみつけ手に取りました。
- 1.「貧困」の闇が広がる日本
2.ホームレス化する若者
3.崩壊寸前の地方
4.夢を奪われた女性
5.グローバル化の波にさらわれる中小企業
6.死ぬまで働かざるをえない老人
7.荒廃を背負う子ども
8.現実に向き合う時
目次を目にするだけで、たいていの人は書かれている内容を想像することができるのではないでしょうか。
他人事ではない。そう思う人が多いのではないでしょうか。
私もワーキングプアという集団の同心円内にいます。円というよりは巨大な巨大なすり鉢をイメージした方が分かり易いかもしれません。
今のところ住むところと仕事を持っていますが、加齢とともにすり鉢の底に向かって吸い込まれていくのは間違いない。
この巨大な巨大なすり鉢は、底に穴のあいているブラックホールです。
すり鉢の中を緩慢に、あるときは急激に、滑り落ちていく感じを身をもって知っている人、そうなるのではという不安を抱えている人がどれだけ多くいることか。しかしその数は実際には数えられていません。
構造改革に伴う「痛み」を引き受けてしまった者たちの存在を、ただ「格差」という言葉でまとめて、それで改革は終わりですか?とかつての日本国代表と現代表に聞いてみたいですね。
続編として「ワーキングプア 解決への道」も発行されているようです。
ぜひ読んでみたい。解決の道を探す努力をしている人たちがいることも知りたいと思います。