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「猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子」少年の奇妙な人生を読む

「猫を抱いて象と泳ぐ」

著者:小川 洋子
発行:2011年 文春文庫

数ヶ月前TTさんから、「狂気を感じる作品を書く作家」としておすすめされたのが、著者、小川洋子さんです。
私は遠い昔『博士の愛した数式』を1冊読んだきりだと話すと、「それ以後の作品で、、まずは短編集が読み易いかも」と教えていただき、さっそくAmazonに出向き本書を購入しました。

『猫を抱いて象と泳ぐ』というミステリアスなタイトルと表紙に惹かれ、いわゆるジャケ買いをしたので、本が届いて初めて本書が短編集ではないことに気づきました。まずは短編から、と勧められていたのに、、、400ページ近い長編小説を手にし、これはハードルが高過ぎやしないか?と心配しましたが、大丈夫でした。淡々とした語り口ながら繊細な描写で読み易く、まったく予測のつかない奇妙な物語にスルリと惹きこまれていきました。

デパートの屋上で飼われていた象のインディラは、大きくなり過ぎて永久に空中に取り残された。
うっかり壁と壁の隙間に挟まった少女は、隙間から出られなくなりミイラになってしまった。
廃車となった回送バスに住むマスターは太り過ぎて、最後はバスの乗降口から出ることができなかった。
「大きくなること、それは悲劇である」と知った少年は、大きくなることを恐れ、11歳の身体のまま成長を止めてしまう。そしてチェス盤の下に身を屈めてチェスを指し続ける。美しい駒の動きで美しい詩のような棋譜を生み出すために。

などなど常軌を逸したエピソードの数々がとても静かなトーンで、当たり前のことのように語られていて、何だか異世界の住人たちの物語のようにも感じられます。
チェスは知らなくてもチェス盤のあの白黒の格子模様を思い浮かべることができれば、その世界観を味わうことができる物語です。

本書を読んで思い出したのですが、私は子どもの頃(たぶん小学生の頃)大きくなることの恐怖を、夢で繰り返し見たことがあります。
夢の中で一個の物がどんどん大きく膨らんでいって、それは平仮名の「あ」だったり漢字とか図形だったり。夢の中の画面いっぱいに膨らんで、自分の内側から押しつぶされそうになる感じとでもいうか。
一時期、繰り返し見て、とても怖かった。忘れられない夢の一つです。もしかしたら成長期の子どもが見る夢あるある、なのか?それとも勉強への恐怖だったのか?今となっては分からない。


「動き出す浮世絵展」プロジェクションマッピングありの体験型アート

今、黎明館で開催されている「動きだす浮世絵展」観てきました。

「動き出す浮世絵展」

2024.7.19-9.1 9:00-18:00 黎明館にて

「動き出す浮世絵展鹿児島」:https://www.ukiyoeimmersiveart.com/kagoshima

江戸時代の風俗画「浮世絵」。
葛飾北斎、歌川国芳、歌川広重、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川国貞など、名を知られた浮世絵師の作品300点以上をもとに、3DCGアニメーションやプロジェクションマッピングを駆使して現代アートとして作り上げた展覧会となっています。
名古屋・ミラノ・鹿児島の3箇所のみで開催!貴重過ぎる。

プロジェクションマッピングの部屋では全身に浮世絵を浴びることもできて、なかなか楽しいです。
9月1日まで開催していますので、夏休みの子供たちにお勧めしたい屋内イベントです。
嬉しいことに会場内は全て写真・動画の撮影がOKです。

8月21日、29日にはミュージアムトークも開催されるようです。(https://events.mbc.co.jp/#about参照

江戸時代「絵師」と呼ばれた風俗画アーティストたちですが、最近は漫画やアニメ、ゲーム、ライトノベルなどのイラストを描く人たちのことも「絵師」と呼んだりしますね。

江戸時代の「浮世絵」も現代の漫画やアニメなども、日本独特のポップカルチャーとして日本のみならず海外の人たちをも魅了しつづけています。そんなことをふっと思って嬉しくなったイベントでした。

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「『戦前』の正体/辻田真佐憲」面白かったけど読了できなかった読書感想です

著者:辻田 真佐憲
発行:講談社現代新書(2023/5/18)

「戦前」の正体
愛国と神話の日本現代史

神武天皇、教育勅語、万世一系、八紘一宇……。
右派が誇り、左派が恐れる「戦前日本」の本当の姿とは?
「国威発揚」の物語を検証するーー!


本書は神武天皇から始まる日本の神話が、明治維新から第二次世界大戦まで、いや、実は令和の現在に至るまで、どのように利用されてきたか?ということを近代史を追って考察したものです。

日本の初代天皇と言われる神武天皇。『古事記』や『日本書紀』の中にしか存在しない、この伝説上の天皇は幕末の頃、急にフィーチャーされたという。それはいったい何故なのか?
平成29年、あの森友学園が幼稚園で園児に軍歌を歌わせ教育勅語を暗唱させていた問題。愛国教育と称賛する人たちもいれば、戦前回帰と批判する人たちもいて物議を醸した。では「愛国教育」とは?「戦前」とは何か?

多くの文献資料に当たり、紹介すべき史跡は著者本人が現地に赴き写真を撮り、時代のエピソードを加えて、面白く読める本になっています。
キーワードは「神話」「神武天皇」「軍事」「教育」「神社」といったところでしょうか。日本の歴史の一部でありながら私には知らないことが多く興味深く読みました。

なのに!
読み始めてから4か月余り。85%ほど読み終わった頃、ついに読書を中断することを決断しました。

読書が好き!とかねがね口にしている者としては、買った本を読み通せないと読解力が無く根気が無いことがばれたような、情けない気分にもなったりします。
しかし読書中断の理由は、内容が理解できないとか、面白くないとかでは決してなく、ただもう難読漢字が多い。これに尽きます。
日本の歴史を日本語で書いてあるのに読めない漢字のなんと多いことよ。

難読漢字にはフリガナ(ルビ)が振られていますが、2回目以降に出てきた時にはルビがない。もうさっき教えたでしょう?ちょっと戻って確認してごらん。ってシステムなんだけど、難読漢字が再出現するたびに”巻き戻し読書”になることも。
前後の文脈から推測できないような漢字には出現する都度ルビ振ってくれないかなあとも思うけど、いやでも、そのルビの小さい文字がほぼ読めない。歳のせいなのです。しょうがない。

とまあ愚痴ってはみたものの、この本のたいていの読者はきっと、難読漢字も含めて本書を面白く読んだのではと思います。
『古事記』や『日本書紀』に記される日本の神話は難読漢字のみならず難読カタカナも豊富で、例えば神武天皇の本名はイワレヒコ。漢字で書くと「神日本磐余彦尊」。読み方は「かむやまといわれひこのみこと」。そんなこと知っているよって層の方たちが読者層なのかも。だからAmazonで【新書大賞2024 第7位!】「わかりやすい」「読みやすい」と話題沸騰のベストセラー!!になっているのだと思うのです。

さて、難読漢字とルビ読みに疲れた頃、著者・辻田 真佐憲さんのYouTubeチャンネルがあることに気づき、本書からネットに移行してみました。

個人的に少々興味がある「君が代」について解説している動画があったので下記に添付します。

「君が代」については、公立の学校現場で国歌斉唱時に起立することを強制する問題がたびたび起こってきました。1999年(平成11年)2月には「君が代」斉唱をめぐって、卒業式前日に校長が自殺するという痛ましい事態も引き起こしています。その年の8月に「君が代」は日本の国歌として法的に定められました。
2012年には、大阪府立の高校で教職員がちゃんと歌っているか口の動きもチェックするという徹底ぶりで、国歌斉唱時に起立しなかったという理由で教職員が懲戒処分を受けたりしています。

いったい何故「君が代」を強制したいのか?あるいは何故「君が代」を忌避したいのか?
そもそも「君が代」はどうやって生まれ、どう育ってきたのか?

各時代の有力者たちの思惑でもって創られ、時代によって解釈が変遷していく「君が代」の歴史。
2時間近いマニアックな動画ですが興味ある方におすすめします。

私個人は音痴なので「君が代」を歌えるわけがない。自慢じゃないけど「校歌」だって、斉唱に参加したことはありません。周りの人の邪魔にならないよう、いつもクチパクしていました。
しかしクチパクでもいい。曲の間みんなで一緒に立っていることが肝要というのが国歌斉唱起立強制派の考えです。果たしてその心は?

辻田真佐憲さんは、神社の歴史に詳しく軍歌研究家でもあるらしいです。となれば、右寄りの人?と思われがちですが、ご本人は右でも左でもない中道を行くスタンスを取っておられるようです。

LINEのプライバシー設定完璧ですか?納得の解説動画みつけました

下記動画にはLINEのプライバシー設定と、ちょっと便利なLINEの機能が紹介されています。
LINEのプライバシー設定は、自分では結構やってるつもりでしたが、いやまだ甘い!と思い知らされました。

もちろん全ての設定が全ての人に必要というわけではないのですが、丁寧な解説をされているので、設定を改めて確認する機会になればと思います。

便利な機能については、「ニュース項目」を「通話の履歴削除項目」に変更できることがちょっと嬉しかったです。

とは言え、LINEの設定箇所ってちょっと多過ぎませんか。解説動画見ないで完璧にやれる自信は私には無いです。

「2024宮崎国際現代彫刻展・空港展」観てきました

日曜日に「2024宮崎国際現代彫刻・空港展」に行きました。
多種多様な素材から生まれたオブジェの数々。見応えがありました!
ワクワクさせられる楽しい作品があったり、惹きこまれるような奥深さを感じさせる作品があったり。
これも素敵あれも素敵とほとんどの作品の写真を撮ったのですが、勝手に掲載するのは憚れるので、全体の雰囲気だけ載せたいと思います。

通畠義信さんの作品については『ゴジラな島/Godzilike island』にアップしましたので、是非ご覧ください。

展示会場が宮崎空港というのが、なかなか素敵です。
大規模空港のようなせわしさやビジネス感がない。まず入り口でブーゲンビリヤに出迎えられ、南国ムードを味わう。観光客がマンゴーアイスを食べながら歩いているのを見ると、それだけでなんかほっこりします。
観光で降り立った空港で、偶然こういったアートに出会ったりしたら、すごいラッキーな気分になりそうです。

6/16日から「2024宮崎国際現代彫刻展・空港展」

第33回 2024 6/16(日)-6/30(日)

会場:宮崎ブーゲンビリア空港 1階オアシス広場

空港を会場とするユニークな彫刻展が今年も開催されます。
当サイトでご紹介しています通畠義信氏が出品されます。

「鉄のオブジェ」YOSHINOBU TORIBATTA

空港展は、以前2度観に行きました。
鹿児島中央駅から日豊本線各駅停車で片道3時間ほど。車窓から長閑な風景を眺めながら日帰り一人旅気分を味わったのは、もう10年以上前のこと。
今年こそ久しぶりに観に行きたいなあ、でも列車で往復6時間はちょっとキツイかもなあ、と思っていたところ、娘や孫たちも一緒に観に行くということになり、今回は「彫刻と宮崎観光」ドライブとなりそうです。

会場:宮崎ブーゲンビリア空港 1階オアシス広場

pcで落としたスマホを探す(アンドロイドの場合)

今の時代、スマホを使っている人はスマホを紛失したら「人生終わった・・・・」くらいのどん底感に陥る人が多いはず。
スマホ決済を利用していない私でも、落としたスマホを悪用されたらと思うと恐怖を感じます。
と思いつつもこれまで何の対策もしてこなかったのですが、、、

本日Googleから「デバイスを探す」ネットワークが●●●●(※デバイス名)で有効になりましたというメールが来ました。そこで、いざという時にすぐ、pcからスマホの現在地を探せるよう、手順をメモしておきます。

1.「Googleアカウント管理」を開く

2.セキュリティをクリック

3.「紛失したデバイスを探す」をクリックする

4.探したいデバイスが表示されたら > をクリック

5.マップが表示されるページ

マップのページでは上記の三つの機能が使える。

音を鳴らす

  • 着信音を鳴らすことができる

デバイスを保護

  • PIN、パターン、またはパスワードで デバイスをロックします
  • デバイスで Google アカウントからログアウトします
  • 保護を設定した後も、デバイスを探すことは可能です

デバイスを初期状態にリセット

  • すべてのデータは デバイスから完全に消去されます
  • リセット後は、デバイスの位置情報が「デバイスを探す」で利用できなくなります
  • デバイスがオフラインの場合は、再びオンラインになった際に消去が開始されます

今まで、「スマホがない!」と慌てた経験は何度もあるけど、たいていは車のシートの下に潜り込んでいる、携帯しているつもりが家に置き忘れてきた、のどちらか。
でも、歳と共にうっかりが増えてきた今日この頃。本格的な紛失への備えは必要です。
家の中で見失った時にも活用できますね。

「リバー/奥田英朗」分厚くても一気読みしたいミステリー

「リバー」

奥田 英朗/2022年
発行:集英社

同一犯か? 模倣犯か?
群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで女性の死体が発見!十年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口が、街を凍らせていく。かつて容疑をかけられた男。取り調べを担当した元刑事。娘を殺され、執念深く犯人捜しを続ける父親。若手新聞記者。一風変わった犯罪心理学者。新たな容疑者たち。十年分の苦悩と悔恨は、真実を暴き出せるのか───
人間の業と情を抉る無上の群像劇×緊迫感溢れる圧巻の犯罪小説!

Amazon商品ページより


2024年5月現在、奥田英朗の長編ミステリーの最新作。
ネットで中古品を購入。
届いた本を手にして驚いた。こんなに分厚いとは! 想定していなかった。
しっかり自立してるし、ずしっと重い。

読み応えありそうだと心が躍るものの、しかしこれではベッドに横になって読むという通常の読書スタイルが取れない。ちょっとした待ち時間にバッグから取り出すには、ちょっとばかり大げさ過ぎる。なぜ上下巻に分冊してくれなかったのか。大好きな作家さんなのに少々恨みがましい気持ちにもなる。

ネット情報によると、単行本一冊の平均ページは一般文芸書でだいたい300ページ前後だそうだ。本書は648ページ。分冊しても良さそうだが、それでも分けずに売られているのには何かしら訳があるのだろう。

例えば上下巻にすると上巻だけ売れるというのが出版業界の”あるある”だという。
私も「銃・病原菌・鉄」の(上)だけ読んで、(下)は手付かずのまま本棚にある。学術的な要素のあるノンフィクションだと、上巻だけ読んで投げ出してしまう堪え性の無い人も多いだろう。
エンタテインメント系の小説の場合だと、序盤ゆっくりと物語が進み中盤以降から盛り上がってくるスタイルも多く、そういうタイプは分冊し難い。
あるいは分厚くても一気に読ませる力量のある作品なら、あえて分けないこともあるかもと想像したりする。

実際に「リバー」を読み始めると、ページをめくる手が止まらない。
「分厚くても一気に読ませるぜ!」という出版社の気概を感じる。

本の厚みは登場人物の多さを物語っている。
桐生南警察署の捜査員たち、足利北警察署の捜査員たち、事件記者、退職した元刑事、被害者遺族、犯罪心理学の大学准教授、複数の容疑者、容疑者に関わる周辺の人々。

多種多様な人たちが登場する。登場場面が少ない人でもモブキャラ扱いはしない。周囲に迷惑かける人、かけられている人。変わり者。問題を抱えた人たち。登場人物を描く作者の眼差しは暖かい。そこが奥田英朗の作品の魅力だと、私は思う。
そしてなんといっても、くすっと笑っちゃう場面がそこかしこにある。
シリアスな犯罪小説であっても、なんというか、日常の中にある人間の可笑し味を表現するのが上手い作家だなあと思う。

どんなに分厚い本でも最後のページはやってくる。体力的に一気読みはできず、二日目に読み終わった。
結末については、登場したかれらの話をもっと聞きたいと思う気持ちが残った。例えば3年後の話でもいい。あれから彼らはどうなったのだろうと。そう思わせて終わるのだから、むしろこれがいい結末だったと思う。

読み終わってからAmazonのレビューに目を通してみたら、私同様、本の厚さに驚いている読者がいて、ちょっと笑ってしまった。
ひょっとしたら、本を分冊していないのは読者を驚かすためだったのか?

追記

今回登場した犯罪心理学の大学准教授・篠田は「トンデモ精神科医・伊良部一郎」を思い起こさせる変人ぶりだが、伊良部よりはマイルドな感じ。
いずれ「犯罪心理学の大学准教授・篠田」を主人公とした物語も生まれそうな気がする。
生まれて欲しいな。

短い言葉って危険だなあって思ったこと

最近、初対面の方に余計な一言を言ってしまって、またひとしきり自分に猛省をうながしていたところ、ピンタレストでこんな言葉を見つけた。

言ってはいけないことを
最も言いたい時に
言わないのが
大人のたしなみ

https://www.pinterest.jp/pin/484207397450770134/

お寺の掲示板に書かれた言葉だそうだ。

「ああ!その通りだな」と一瞬大きく頷きかけて、いやちょっと待てと自分を制止した。

この手の断言文には気を付けなければ。

この掲示板の主旨はたぶん「相手を傷つけるような言葉を感情にまかせて言うのは大人気ない」というものだろうと思う。そう受け取っていれば何の問題もないし、決してこの言葉を否定したいわけではないのだけど、、、
ただ、キャッチフレーズのような短い言葉ってなんだか危険だなって改めて感じる。

そもそも「言ってはいけないこと」っていうのが、曖昧で判断しにくい。

個人の考えで判断する「言ってはいけないこと」もあれば、世間の空気から「言ってはいけないこと」とされていることもある。

短い言葉って実はとてもわかりにくい。

言葉を発する人の立場や環境やその時の状況などで、言っていいことと悪いことは変わる。時には「言うべきこと」も立場が変われば「言ってはいけないこと」になる。
何が言っていいことか、いけないことか、それを判断するのはとても難しく、その人の生き方に大きくかかわることだと思う。

テレビドラマの世界では、「世間的に言ってはいけないこと」とされている言葉をここぞとばかり言い放つ、そんなキャラクターが人気だったりする。それは「言ってはいけない」とされている言葉には、実は「言いたくても言えない言葉」が含まれているからだろう。

言葉は、短く断言され、高々と掲げられ、拡散されると、それが世間のコンセンサスとして認知され、従わなければならない常識のようになってくるから厄介だ。時には人を縛り付けたり黙らせたりすることに使われたりする。

ロリポップでデータベース5.1を8.0にバージョンアップした覚え書き

MySQLにもサポート期限がある

先日、「WordPress のバージョンを6.5に更新してください。」という通知が来ました。
いつものように更新ボタンを押すと、「データベースのバージョンが5.5以上でなければWordpressを更新できない」と言うメッセージが表示され、Wordpressを最新版にすることができませんでした。
どうやらデーターベースにもバージョンアップが必要らしい、と初めて気づきました。

ロリポップでデーターベースを確認すると、

「データベースについては基本的にサポート外とさせていただきます。詳しい知識がある方のみご利用ください。」

という注意書きがあり、詳しい知識のない私はビビッてしまいました。

私が使っているデータベースは、15年ほど前のままMySQL 5.1で、とっくの昔にサポートが切れているらしい。2024年現在はバージョン8になっていました。
データベースは面倒そうだから触らないでおきたかった。けどそうも言ってられない状況になったのでググったところ、とても丁寧に更新手順を書いてくださっているブログがありました。

参考にさせていただいたブログ

下記ブログを参考にして、MySQLの知識が無い私でも無事バージョンアップができました。本当にありがたいです。ロリポップ「ライトプラン」を利用している方、私のようにデーターベースの更新作業に不安がある方、おすすめです。

ロリポップ「ライトプラン」データベースのバージョンアップ手順MySQL5.1→5.6

KIKU-me

ここからは自分のための覚書き

ネット検索によるとMySQLのサポート期間は、8年間だそうです。今後もまた更新作業が必要になるかも知れないので、今回の作業を振り返りってメモしておきます。

更新作業工程

  1. WordPressのファイルをバックアップする
  2. ロリポップの管理画面でデーターベースにログインする
  3. 更新前のデーターベース【MySQL 5.1】をエクスポートする
  4. 更新前のデーターベース【MySQL 5.1】を削除する
  5. 新しいデーターベース【MySQL8】を作成する
  6. 新しいデーターベース【MySQL8】にデータをインポートする
  7. wp-config.phpを書き換える 
       1)FFFTPに「Visual Studio Code」を関連付ける
       2)wp-config.phpを「Visual Studio Code」で書き換える
       3)FFFTPでwp-config.phpのパーミッションを600に変更する
       4)修正した「wp-config.php」をアップロードする
       5)「wp-config.php」のパーミッションを400に戻す
1.Wordpressのファイルをバックアップする

FFFTP


まず最初に、サイト全体のファイルをバックアップするために、Wordpressの不要なプラグインやテーマなど削除し、ウィジェットなども見直したのちに、フリーソフト「FFFTP」を使用して全てのファイルをダウンロードしました。

私のことだから、絶対失敗しないとは言えないので、バックアップは必要です。時間はかかったけど、、、


2.ロリポップの管理画面でデーターベースにログインする

ロリポップの会員専用画面にログインする。
「サーバーの管理・設定」⇒「データーベース」を開く。

「操作する」をクリックする。

「phpMyAdminを開く」をクリックする。

ログイン情報を入力して「実行」をクリックする。

←(画像はバージョン8.0のもの。「実行」でなく「ログイン」と表示されている)

3.更新前のデーターベース【MySQL 5.1】をエクスポートする

エクスポートタブを選択する。

エクスポート設定の変更箇所

1)エクスポートの方法⇒「詳細可能なオプションをすべて表示」を選択する。
2)生成オプション⇒「CREATE DATABASE / USE コマンドを追加する」にチェックを入れる。
DROP TABLE / VIEW / PROCEDURE / FUNCTION / EVENT コマンドを追加する」にチェックを入れる。

以上3の箇所以外はデフォルトのままでOK。⇒「実行」をクリックする。
任意の場所に出力されたファイルを保存する。

4.更新前のデーターベース【MySQL 5.1】を削除する

ロリポップの管理画面からデータベースに戻り、「データーベース削除」ボタンをクリックする。

「データベースを削除してもよろしいですか?」とメッセージが出るので、「OK」をクリックする。
「データベースを削除致しました」とメッセージが表示されるので、「OK」をクリックする。

5.新しいデーターベース【MySQL8】を作成する

「データーベース作成」ボタンをクリックする。

  • 作成するサーバー・・・「MySQL8.0」が1個だけ表示されていたので、これを選択した。
    (※ロリポップでは今年1月からMySQL8.0が提供されるようになり、以前のバージョンでの新規作成は提供終了となった。)     
  • データベース名、接続パスワード・・・どちらも旧データベースと同じにした。

「作成」ボタンをクリックする。

「データベースを作成しました。パスワードは忘れないようにメモされる事をおすすめいたします。」

とメッセージが出たら「OK」をクリックする。※必ずパスワードをメモしておく

バージョン8.0のデータベースが作成できた!

6.新しいデーターベース【MySQL8】にデータをインポートする

「操作する」をクリックする。

「phpMyAdminを開く」をクリックする。

ログイン情報を入力して「ログイン」をクリックする。

インポートタブを選択する。

「参照」ボタンをクリックして、エクスポートして保存したSQLファイルを選択する。
 ⇒「実行」ボタンをクリックする。

「インポートは正常に終了しました」と表示されたら完了。

7.wp-config.phpを書き換える

wp-config.phpを開くと下記のような注意書きがある。

注意:
// Windows の “メモ帳” でこのファイルを編集しないでください !
// 問題なく使えるテキストエディタ
(略)
// を使用し、必ず UTF-8 の BOM なし (UTF-8N) で保存してください。

FFFTP上でファイルをクリックしたとき、初期設定のままだとWindows の “メモ帳” が開く。これを任意のエディタが開くように関連づけるオプションがあるらしい。
長年利用しているアプリなのに、オプション設定を全くしていなかった。この機会にFFFTPに「Visual Studio Code」を関連付けることにした。

1)FFFTPに「Visual Studio Code」を関連付ける

  • オプション」⇒「環境設定」を開いて「ツール」タブをクリックする。
  • ビューワ」でエディタの実行ファイルを指定する。

Visual Studio Code」の実行ファイルは下記の場所にある。

C:\Users\Owner\AppData\Local\Programs\Microsoft VS Code\Code.exe

これで、FFFTPでファイルをクリックしたら 「Visual Studio Code」で開けるようになった。

2)wp-config.phpを「Visual Studio Code」で書き換える

ローカルデスクにバックアップしておいたファイルから「wp-config.php」をクリックして以下の4か所を修正する。

  • データーベース名
  • ユーザー名
  • パスワード
  • データーベースホスト

パスワード以外の情報は、「ロリポップ管理画面」⇒「サーバーの管理・設定」⇒「データーベース」画面を参照する。

3)FFFTPでwp-config.phpのパーミッションを600に変更する

FFFTPで右側のウィンドウにある「wp-config.php」を右クリックして「属性変更」をクリックする

「現在の属性」600に変更する。

4)修正した「wp-config.php」をアップロードする

修正した「wp-config.php」を選択。右クリックしてアップロードする

5)「wp-config.php」のパーミッションを400に戻す

アップロードが完了したら必ず「wp-config.php」のパーミッションを400に戻す。

サイトを開いて正常に表示されているか確認して終了。

「100人展in薩摩川内」のご案内

来週、薩摩川内市で「100人展in薩摩川内」が開催されます。
油絵、水彩画、書道、彫刻、写真、工芸などで活躍されている、104人の芸術家の方々が出品されます。
今回が第1回目、初めての試みとのことです。
当サイトで紹介しています通畠義信さん通畠朋子さんが参加されます。

開催期間:2024年4月17日(水) 〜 2024年4月21日(日) 

時 間:10:00 〜 17:30 (最終日16:30)
会 場:SSプラザせんだい 201・202・104会議室
入場料:無料


トランペット、尺八によるオープニングとサタデーモーニング演奏もあります。
会場である「SSプラザせんだい」は会議や展示会などの開催を目的に建設された川内駅コンベンションセンターだそう。川内駅から徒歩1分。鹿児島市からも気楽に行けそうですね。

「2024猫展 平面と立体」開催のお知らせ

2.17(土)~3.5(火) 11:00~18:00

休館日:2/21(水)・2/28(水)
於:ギャラリー白樺

毎年2月22日「猫の日」を挟んで開催される「猫展」。
皮革染色工芸家の山田利喜子さん画家の通畠朋子さんも出品されます。
今年はどんな猫たちが待っているのか楽しみですね。
「猫展」の案内状をいただくと春の訪れを感じます。

『Chatter(チャッター): 「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法/イーサン・クロス』

『Chatter(チャッター): 「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』

著者:イーサン・クロス
発行日:2022年12月
発行:東洋経済新報社


読了にとても時間が掛かりました。4か月くらいか。
決して難しい内容ではなかったのに、なんでこんなにも時間が掛かったのだろう?

まずこの本を読む切っ掛けから書いてみます。
4か月ほど前のある日、私はある疑問を持ちました。
「私はいつもいつも何か考え事をしている。意味のあることだったり無いことだったり、絶え間なく考えたり悩んだりしている。特にこのところ、やけに過去の自分を振り返って、あれは間違った選択だったとか、あのことは無かったことにしたいとか、言うべきじゃなかった、するべきじゃなかった、思い出したくないことを何度も思い出したりして、時々苦しくなる。
いや、これは私だけでなく人類皆そうだと思う。だって「人間は考える葦」なのだから。考えなかったらただの葦なのだから。
でもなぜだろう?なぜこうも苦しいのに考え続けなければならないのだろう?」

とまあ、こんな愚にもつかないことを考えていた時、武田砂鉄さんのラジオ番組「武田砂鉄のプレ金ナイト」に出演された荻上チキさんがアフタートークで、
「反省とか内省とかが人間にとっていかに有害なのかを説明した本がありまして、古代哲学から反省や内省は人間の成長のために必要とされてきたが、反省とか内省はホントにメンタルにとって有害で、、、、」
と話し始め、最近読んだ本の紹介をされていました。それが本書『Chatter(チャッター): 「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』でした。
この本は私に何かヒントを与えてくれそうだと直感しました。

そんなこんなを友人に話すと、「その本なら持っている。読み終わったから送りますよ」と思わぬ展開になり、「でも、期待通りの本ではないかも。後半はまあ読む価値あると思うけど」と友人は付け加え、後日私は郵送されてきた本を読み始めることになりました。

そういう有難い巡り合わせで読み始めた本書なのに、なかなか読み進める気になれませんでした。
私にとって読み辛い文体と構成だったからか。あるいはAmazonのレビューがすごく高評価なことを考えると、単に私の理解力のせいか。
何だか、本を読んでいるというより、何かの講演とか誰かのお喋りを聴いているような、、、例えば
「人は常に自分に語り掛け頭の中でひとり言を繰り返します。その『頭の中のひとりごと(チャッター)』がネガティブな方に向かわないようにコントロールすることが大事です。そのために私は「チャッターを制御するための26のツール」を提唱します!」
と言った感じで「チャッターを制御するための26のツール」がいかに素晴らしいかをプレゼンするために、いろんな事例をたっぷり持って回った言い方で長々と語っているという感じ(※あくまでも個人の感想です)とでもいうか。私には少々疲れる表現スタイルでした。

とは言え、本書が読む価値のない本だなんて言いたいわけじゃない。
人が常に自分自身に語り掛けたり、過去の出来事や空想事などに心が奪われるのは、脳の基本的な状態で極く自然なことだと、そう認知するだけでも気持ちが楽になります。
そして内省や反省は時に「内なる批判者」となり、メンタルにとって有害なこともあると知っていれば、過去の失敗にとらわれ過ぎず「いま」を生きることができるのでは?
本書を読み終わった今は、4か月前私が過去を振り返り苦しい気持ちになったのも、自分で自分を攻撃し過ぎたのだと客観的に思えるようになりました。

しかし本書の肝である「チャッターを制御するための26のツール」については、それが役に立つかどうかは人に依るとしか言えません。

睡眠研究の動画に納得!夜型人間の悲劇

早起きが苦手です。子どもの頃からずっと。特に高校の期間は辛かった。始業時間前にある朝礼などほとんど間に合わず、朝礼が済むまで身を隠していなければなりませんでした。
「社会人に遅刻は許されない」と言うのが社会通念だから、会社勤めをしていたころは必死でした。大きな音の目覚まし時計を頼りに頑張りました。しかし朝起きだけが原因ではないけれど、会社勤めは向かないと早々に悟り退職しました。
子育ての時期を振り返ると、寝不足の日々。息子が高校を卒業した時は、もう早起きしてお弁当を作らなくてもいいのだ、ということが何よりも何よりも嬉しく、こっそりガッツポーズをしました。お弁当作りは母親の愛情だなんて煽らないで欲しいものです。

歳を取って無職の今、自分の都合で睡眠を取れるようになってみると、20代の学生並みに遅寝遅起きに落ち着いています。夜8時頃から頭がすっきりしてくる。明らかに夜型人間です。
そして一日9時間くらい眠っています。10時間以上眠る日もあります。
これは寝過ぎなのでしょうか?

いえいえ、「それは寝すぎではない。寝足りないから睡眠負債を返しているのだ」と教えてくれたのが下記の動画です。
人は睡眠が充足していれば一日8時間半以上眠ることはないと言います。
昼型の人と夜型の人の違いはどこからくるのか?
年齢による睡眠時間の違いや睡眠不足がもたらす弊害とは?
睡眠から考える理想的な働き方は?
そもそも何故眠くなるのか?
適正な睡眠時間とは?などなど睡眠に関する疑問をいろいろ分かり易く解説してくれています。

【前編】【最先端!快眠の科学】Google賞金4.5億!天才睡眠学者が登場【常識覆す研究】

【後編】【Google賞金4.5億】睡眠革命!「朝型がいい」はウソ!?最新研究【柳沢正史】

昼型か夜型か確認できるMEQテスト

自分が昼型か夜型かを確認できるMEQテストというのが紹介されていたのでやってみました。

「朝型夜型質問紙」→ https://www.sleepmed.jp/q/meq/meq_form.php

下図のような質問事項が19個ほどありました。

テストをしてみても私は間違いなく夜型だと確認できました。判定結果を見ると日本の成人って夜型が意外と少ないと感じます。

動画の最後の方に紹介されていますが、海外や日本でStart School Laterという社会運動が起こっているそうです。学校の始業時間を今より遅らせようという運動です。
私も朝8時半始業って早過ぎだと心底思います。
ましてや九州の高校では始業前に朝補習があったりします。私の高校でもありました。強制ではなかったはずですが、ほとんどの生徒が始業前に補習をしていました。たぶん7時半くらいには登校していたはずです。私は朝補習あとの朝礼に間に合わなかったくらいだから、おそらくあまりしていなかったか、まったくしていなかったか、どちらかです。記憶にありません。
高校で朝補習があるのは当たり前のことだと何ら疑いを持っていなかったのですが、最近それが九州だけの慣習だと知って驚きました。
テレビか何かで取り上げられ周知されたせいか、最近では朝補習の廃止をする高校も増えつつあるようです。

Start School Laterが広まって、学校だけではなく会社も始業時間を遅らせるとか、就業時間を短くするとか、週休3日制にするとか、、、とにかく睡眠不足にならない本当の働き方改革をして欲しい。それでいて、誰もがちゃんと食べていける社会に、、、なんて望むべくもない話なのでしょうか。


10月からインボイス制度開始!おすすめのYouTube動画

2023年10月からインボイス制度が開始

インボイスとは何か?

国税庁のサイトを見ると、インボイスとは「適格請求書」と呼ばれるもので、「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類のことだという。
インボイス制度を日本語にすると「適格請求書等保存方式」と言うらしいです。

ざっくり言うと来月からは、売り手側が消費税課税事業者であれば、取引先(買い手側)に出す請求書に「インボイス発行事業者登録番号」を記載する必要があるとのこと。
買い手側が消費税課税事業者であれば、消費税の仕入税額控除の対象となる請求書には、売り手の「インボイス発行事業者登録番号」の記載が必要であるとのこと。

だいぶ前から、主に個人事業主やフリーランスの方たちが「インボイス制度が始まると大変だ」という不安や嘆きの声を上げていることは聞いていました。「インボイス制度」に反対するオンライン署名も多く集まっているというニュースも見ました。
とはいえ、事業者でも何でもない私には関係のない制度だから、深く考えることもなく過ごしていたのですが、、、、

今年6月頃、私の趣味であるイラスト素材投稿サイトから「インボイス制度開始に伴い登録希望のクリエイター様は登録番号のご準備お願いします」というメールが届きました。
ん?趣味で、子どものお小遣い程度の稼ぎで、それでもインボイスが必要なの?と驚いた私。
本当のところ私は何も分っていなかったのだ、ということを思い知りました。インボイス制度を舐めていました。

課税売上高年間1000万円以下の事業所等は免税事業者なので、そもそも消費税を納める必要はありません。しかしインボイス発行事業者登録番号を取得するには、消費税の課税事業者の登録をしなければならず、即ち、消費税の納税義務が生じることになります。それまで免税だった人を課税事業者へと導く、それがインボイス制度だ!ということですね。

ただし、免税事業所等がインボイス発行事業者の登録をするかどうかは事業者の任意です。登録するもしないも本来は事業者の自由。
私のように事業者と呼べないような営みでもって、消費税の課税事業者になるなんてとんでもない話なので、ここは「登録しない」の一択です。

じゃあ、登録しないとどうなるのか?

その後、イラスト素材投稿サイトから再度メールがありました。
それによると「インボイス登録番号の申請の有無により、報酬ポイントの換金率が異なります。」とのことです。未登録の人は来月から少し換金率が下がり、3年後にさらに下がり、6年後にはほぼ9%程度減額になるようです。
つまり、今まで免税事業者だった人がインボイス登録番号を取得した場合、自分で消費税を納付しなければならなくなり、取得しなくても6年後には消費税分ほど収入が減ってしまうということですね。

インボイスについておすすめの動画

インボイス発行事業者に登録するかしないか迷っている方には下記動画がおすすめです。
登録するしないのメリット、デメリット、インボイス登録をしないと仕事が減る場合もあるなどの問題点が解説されています。

インボイス制度についてもっと詳しく知りたい方には下記動画がおすすめです。1時間38分という長さですが、丁寧に分かり易く解説されています。
インボイスなんて関係ないよ、という人でも買い物のたび、何かのサービスを受けるたび、日常的に消費税を支払っています。
平成元年、最初は3%、すぐに5%にあがって、いつのまにか10%。言われるがままに払い続けている消費税の仕組みも理解できる動画です。

インボイスとは関係ない話しですが、それにしても、いらすとやさんのイラストは凄いとつくづく思います。あらゆる場面に対応するイラストがそろっていて、YouTubeで大活躍ですね。
チラシやいろんな店先、市電の車中にも、街中いたるところに使われていて目にしない日はないです。”いらすとやはもはやインフラ”と言われるのも頷けます。社会生活に無くてはならない無料素材ですね。

『第六ポンプ』パオロ・バチガルピが描く10個のディストピア

第六ポンプ』パオロ・バチガルピ/早川書房

内容:化学物質の摂取過剰のために、出生率の低下と痴呆化が進化したニューヨーク。下水ポンプ施設の職員の視点から、あり得べき近未来社会を鮮やかに描いたローカス賞受賞の表題作、石油資源が枯渇して穀物と筋肉がエネルギー源となっている、『ねじまき少女』と同設定のアメリカを描きだすスタージョン賞受賞作「カロリーマン」ほか、全10篇を収録。数多の賞に輝いた『ねじまき少女』でSF界の寵児となった著者の第一短篇集。
—-「BOOK」データベースより

原書は2008年に書かれているので、今から15年ほど前の作品になります。
現代社会がまだ解決できないままでいる、食糧問題、環境問題、エネルギー問題、遺伝子操作による生命倫理問題ーー。『第六ポンプ』には、こんな現代社会の延長線上にある物語が10編詰まっています。
物語全般に漂うディストピア観がとても独特で、グイっと惹きこまれる短編集です。

生態系を破壊しつくした世界で、砂を食べて栄養を摂取できる体になった人類の物語。
鉱物資源が枯渇し、動力はもっぱらゼンマイになるという世界の物語。
不老不死を実現させ、人口維持のため出産が禁止される世界の物語。
富裕層の快楽のため、楽器に生体改造された少女の物語。
テクノロジーが発達しても技術を継承できる人間がいないため、システムエラーを処理できなくなる社会の物語。などなど、、、
こんな未來は嫌だ!って物語ばかりなのですが、意外と読後感は不快ではなかったです。どの物語にも少しばかりの救いと希望が込められていると感じます。

2023年、日本の夏は災害級の暑さと呼ばれています。既にディストピアな未來の入り口に立っているのは間違いないですね。このまま実効性のある対策を講じることがなければ、どうなっていくのか、、、、。

二週間で読み終えられるか?図書館で借りた2冊の本ー「空白を満たしなさい」「第六ポンプ」

このところ私の読書体験はノンフィクション的なものに偏りがちです。
図書館で借りるのは値段の張るイラスト関連のものばかりで、いわゆる”小説”を読む機会がめっきり少なくなりました。
時には小説、特にミステリやSFなどの虚構の世界にどっぷり浸る、あの刺激的な没入感が欲しい。そう思い立ったら矢も楯もたまらず、一昨日の午後図書館に行きました。

図書館で借りたい本を6冊ほど検索すると、村上春樹の『街とその不確かな壁』は市内全域の図書館で貸し出し中になっていて、さすがですね。みんなの熱が冷める時を待つしかないような状況です。

すぐ借りれる本は4冊ありました。2週間という貸出期間で4冊は読めそうにないので今すぐ読みたい2冊を選びました。
平野啓一郎『空白を満たしなさい』とパオロ・バチガルピ『第六ポンプ』です。

『空白を満たしなさい』平野啓一郎/2012年

『第六ポンプ』パオロ・バチガルピ/2012年

『空白を満たしなさい』は昨年NHKでドラマ化されたそうで、とても面白いという評判を聞き読んでみたいと思っていました。なによりも『空白を満たしなさい』というタイトルに惹きつけられます。
空白とは何か、何で満たすのか。タイトルからしてミステリアスです。
YouTubeのRadioheadのサイトで全ての動画を再生しながら、まずはこの本から読み始めます。

『空白を満たしなさい』を読んで

ミステリと思って読み始めたら、主人公土屋徹生(36歳)は3年前に自殺して生き返った人間であるという。それもどうやら世界各地で死んだ人間が生き返る現象があり、彼らは「復生者」と呼ばれるーーーという設定で始まる物語でした。
SFのように現象に対して科学的裏付けを施す、ということは一切無い。とにかくこの設定を受け入れ、この荒唐無稽な物語がどこに向かいどこへ行きつくのか?を追いかける感じで、500ページ近い分量にも関わらず一気読みしました。
午後3時頃から読み始め夕飯と休憩を挟み、真夜中の3時頃読み終わりました。没入感、頂きました。

とは言うものの、かなり物語が長いという印象もありました。途中2ケ所ほど、ここで終わらないの?と思うポイントもありましたが、まあでもそれは、著者の世の中に対する問題意識や人間に対する思いが溢れ出ているようにも思えました。
その結果、この本で語られるテーマはいくつもあって、読む人によって捉えどころは異なることと思います。

そしていよいよ本当に最後のページになって、最後の一行を読んだ時、その最後の一行の素晴らしさに満足して本を閉じました。

余談ですが、テレビドラマでは主人公土屋徹生を柄本佑が、土屋を苦しめる佐伯という男を阿部サダヲが演じたそうですね。どちらも好きな俳優なのでできることなら観たかったです。
NHKって時々民放では観られないようないいドラマがあるんですよね。テレビを生活から排除すると決めた時、そのことが頭をよぎって、やっぱりテレビ捨てるのよそうかとも思ったものでした。
でももう捨てちゃったけど。

WordPress Popular Postsに黄色の警告文が表示される【解決】

WordPress Popular Postsは、人気記事のランキングを作成してくれるWordPressのプラグインで、多くのサイトで使われています。

先週あたり、突然下記のような英語の!黄色の!警告文が!表示されるようになりました。

ブラウザの拡張機能(TWP – Translate Web Pages)を使って翻訳すると、ウィジェットの仕様をクラシック形式のままで使っているのが原因らしい。

WordPressは2018年のバージョンアップで、編集機能がブロックエディタという形式に変更になりました。当初、すごく戸惑ったことを覚えています。
それまではワードで文章を書くみたいな馴染みある編集画面だったのが、ブロックエディタではエンターキーを押すごとに文章も画像も独立したブロックとなります。文章を頭の中で組み立てて、一気に書き上げるタイプの人には、少々ウザい編集機能だと思います。

私のように考えがまとまらないまま書き始めるタイプには結構便利でした。とりあえず画像や思いついた文章をブロックにして、あとからブロックの順番を変えたり挿入したり削ったりしていく作業は、とりとめもなく散らかった頭の中が少しずつ整理されていくような気がします。

という風にに文章を書く時はブロックエディタを使っているのですが、ウィジェットはブロック形式の使い方がよく分らず、結局従来のクラッシク形式のままにしていました。

しかし、今回WordPress Popular Postsに黄色の警告が出たからには、ウィジェットをブロック形式にしなければならず、ああでもないこうでもないといじり倒して、何とかブロックウィジェットに置き換え警告も消えたので、ここにその過程をメモにしておきます。

1.Classic Widgetsを無効化してブロックウィジェットにする

以前、ウィジェットをブロック形式で使おうとしてうまくいかず、Classic Widgetsというプラグインを入れて、従来のクラッシクウィジェトが利用できるようにしていました。
こういうプラグインがあるってことは、ブロックウィジェット面倒臭い!と思っている人も結構多いっていうことですよね。
って、それはともかく、まずは、プラグインClassic Widgetsを無効化してウィジェットをブロック形式にします。

当ブログではプラグインJS Archive List Widget (年月別アーカイブ)の前にWordPress Popular Postsを表示させたいので、JS Archive List Widget のところにカーソルをもってきて、表示される「縦三点リーダー」をクリック⇒「前に挿入」をクリックします。

2.ブロックを追加する

マークをクリックして、ブロックを追加。「すべて表示」をクリックします。

3.サイドバーからプラグインWordPress Popular Postsのアイコンを探す

「すべて表示」をクリックすると、サイドバーが表示されるので、WordPress Popular Postsのアイコンを探してクリックします。

 WordPress Popular Postsの設定画面が表示されるので、タイトルなどの設定をします。
設定が済んだら右上にある「更新」ボタンをクリックします。

4.従来のウィジェットを削除する

WordPress Popular Postsの従来のクラシックウィジェットの「縦三点リーダー」をクリックして、「従来のウィジェットを削除」をクリック。これで、黄色い警告がでなくなりました。

5.CSSにスタイルを追加する

ウィジェットをブロック形式にすると、WordPress Popular Postsのウィジェットタイトルの見た目が変わってしまいました。当ブログで言えば「よく読まれている記事」というタイトル部分です。

これはiwb.jpさんのブログを参照したところ、以下のような理由とのことです。

WordPress Popular Postsをブロック形式に変更するとh2タグの「widget-title」のCSSクラス名が付かなくなります。

iwb.jp 「WordPress Popular Postsプラグインの黄色の警告の対処法」 を参照いたしました。

そこでブログのテーマのstyle.cssにクラス名popular-posts h2を追記して見た目を整えます。

当ブログでは以下のように追記してフォントやボーダーなどのスタイルを変更しました。

/* 追記例 */
       .popular-posts h2 {
            border-top: 5px solid #000;
            color: #2b2b2b;
            font-size: 14px;  
            font-size: 0.999999rem;
            font-weight: 900;
            margin: 0 0 18px;
            padding-top: 7px;
            text-transform: uppercase;
         }

6.スタイル変更が反映されなかったらブラウザのキャッシュを消去する

スタイルシートを変更してファイルをアップロードしたあと、WEBページに変更が反映されなくて、ひとりでアワアワ慌ててしまいました。何度もファイルを確認したりアップロードし直したり、無駄に時間を費やしてしまいました。
cssや画像などを変更したときWEBページが更新されなかったら、まずはブラウザの履歴のキャッシュを消去してみる。今まで何度もやってきたことなのに、いったい私は経験が身につくということがないのだろうか。
それとも物事を忘れる速度が速くなっただけなのか。
我が身を振り返って.何だかぐったり疲れてしまいました。

今回参考にさせていただいたブログ

WordPress Popular Postsプラグインの黄色の警告の対処法

ありがとうございました。

「Amazon重要なお知らせ:ご注文の詳細とキャンセルについて」という詐欺メールが来ました

最近、ほぼ毎日のようにヤフーメールにAmazonやイオン、地方銀行を装う詐欺メールがやってきます。
内容は「重要:口座利用停止のお知らせ 秋田銀行」「お支払い方法の更新 Amazon」「アカウント使用制限のお知らせ イオン」「プライム会員の満期通知 プライム」などなど。
毎度おなじみの文言でやって来るので面白みもなく、機械的に迷惑メールに移動させているのですが、今日来たのはいつもとちょっと違っていたので、削除する前にメモしておくことにしました。

詐欺メールの内容

ご注文の確認

注文番号:503-0497156-3547802
〇〇〇(メールアドレス) 様

誰かがあなたのAmazonアカウントを使用して別のモバイルデバイスからこの注文を購入しようとしました。Amazonのアカウントセキュリティポリシーに従い、Amazonアカウントを凍結しました。

◆アカウントが盗まれる危険性があります。この注文を一度も購入したことがない場合は、24時間以内に以下のリンクをクリックして、この注文をキャンセルし、Amazonアカウントを復元してください。

この注文をキャンセルする

お届け予定:
日曜日, 06/04
配送オプション:
お急ぎ便
お届け先:
〇〇〇(実名) 様
414-0053
静岡県 伊東市〇〇〇(実住所)
注文合計:
¥37,000
支払い方法
クレジットカード:¥37,000

Amazon.co.jp でのご注文について、くわしくは注文についてのヘルプページをご確認ください。

Dash Button/Dash Replenishmentサービスによるご注文については、Dash Button/サービス対応デバイスでの対象商品の設定時とご注文時の提供条件(たとえば、商品、価格、税金、入手可能性、送料及び売主)が一部変更されている場合があります。上記「注文内容」を十分にご確認ください。ご注文後、一定時間はご注文を変更またはキャンセルすることができます。また、発送後でも商品を返品することができます。詳しくは、Amazon Dash利用規約、注文履歴、Amazon.co.jpの返品ポリシーをご覧ください。

その他ご不明な点がある場合は、ヘルプページをご確認ください。

またのご利用をお待ちしております。
Amazon.co.jp

お届け先とされる住所、氏名が具体的で、ちょっと気になっちゃいますよね。詳細ヘッダーを開いてReturn-Pathを確認すると、静岡銀行らしきアドレス。手が込んでいます。

ネット検索すると、昨年あたりからこの手のメールが出回っているらしい。
詐欺メールに書かれている住所、氏名は全国にまたがり、いろんなバリエーションがあるようです。
住所を地図検索すると建物も実在します。
おそらく、氏名と住所をランダムに組み合わせているのでしょうが、知らないうちに自分の氏名や住所が勝手に詐欺に使われるかもと考えると、気持ち悪いですね。

この先、もっともっと手が込んだ詐欺メールが出てくるかも。
特にAmazon を騙るメールが多いので、Amazonから来たメールは、ちょっとでも変だと思ったら、メッセージセンターで確認するようにしましょう!(アカウントサービス⇒メッセージセンター)

追記:この投稿をアップした直後にまた同様の詐欺メールが来ました。

タイトルが「Amazon.co.jpでのご注文508-8867920-6546310(1点)」となっていて、ますます手が込んでいます。

今度はメール表示画面がAmazonにだいぶ似せて作ってあるし、タイトルもかなり紛らわしいです。
ただしReturn-Pathは< keisuke1@yourfertaliopza.com>となっていて、ここは手を抜いてる感じですね。

お届け先になっている住所を検索したら、今度も実在する一般的な家で表札が出ており名字も一致しました。
どうやら氏名・住所込みで使われているようなので、お届け先にはぼかしを入れました。
氏名と住所はランダムに組み合わせているのだと思っていましたが、そこまで配慮されているわけではないようです。勝手に実名・実住所を詐欺メールに書かれてしまうことも、知らないうちに被害にあっていることだと思えます。

Googleマップを編集しよう

今回詐欺メールに記載された住所を検索して思ったのですが、Googleマップのストリートビューで表札がはっきり見えるはヤバいんじゃないかと思います。
私は以前Googleマップの「不適切なストリートビューを報告」して、家の表札にぼかしをかけてもらいました。
Googleマップのサイドバーには「地図を編集」という項目があり、そこをクリックすると「不適切なストリートビューを報告」できます。





『第32回 2023 宮崎国際現代彫刻・空港展』のお知らせ

2023 6/4(日)- 6/18(日)

会場:宮崎ブーゲンビリア空港 1階 オアシス広場

第32回 宮崎国際現代彫刻・空港展は、コロナ禍に休止を余儀なくされたようですが、昨年から再開。
まだコロナ禍の影響があって、今年も国内作家のみの参加となっているようです。

今年は以下37名の作家が出品されます。
当サイトでご紹介しています通畠 義信さんの過去作品については、『鉄のオブジェ・通畠義信』ページを、是非ご覧いただきたいです。

《宮 崎》大野 匠・奥村 羊一・上口 将生・田中 等・田村 将太・満木 攻 一・山田 忠範
《鹿児島》通畠 義信・八田 隆・宮薗 広幸・ますみつ 三知子・吉永 ゆかり
《長 崎》藤崎 宏治
《福 岡》前原 ヨシノブ
《徳 島》居上 真人
《鳥 取》永江 靖幸
《岡 山》伊丹 修・尾崎 公彦・片岡 幸夫・金盛 秀貞・小林 照尚
《奈 良》井上 龍彦・高垣 リミ
《岐 阜》浅川 洋行
《愛 知》尾崎 慎・真下 賢一
《福 井》坂本 太郎
《埼 玉》田中 毅
《千 葉》遠藤 研二
《東 京》竹花 哲・林 宏・藤田 政利
《群 馬》明田 一久
《福 島》湯川 隆
《新 潟》霜鳥 健二
《北海道》長澤 裕子・渡部 洋平


言葉について書かれた2冊の本を読みました。

『今日拾った言葉たち』武田砂鉄
2022年/発行:暮しの手帖社

『うまれることば、しぬことば』酒井順子/2022年/発行:集英社

ふと耳にした言葉が、何だか気になるなあって思うこと、日常よくありますよね。
それが、「いい言葉だな」「うまい言い方だな」と心にグッとくるいい感じの言葉であれば、すぐに誰かに話したくなります。
「なーんか引っかかる」と、ちょっと不快に感じる言葉や言い回しだと、ただモヤモヤした気分だけが残ったりします。

例えば、以前、若手議員さんが「イクメン男子」アピールするのを聞いて、男子は子育てを手伝うだけで褒められてニュースになるのか、と子育てを終えた私でもイマイチ不快の念を禁じ得ないでいました。
そんな時、ハライチの岩井勇気さんの言葉にグッときました。

「自分の子どもを育ててイクメンて言うな!」

これはバラエティ番組で岩井勇気さんが吐くように言い放った言葉。
いや、ホントその通りです。
イクメンアピールなんかしてないで、ガチで協同で家事育児やって欲しいものです。

とは言え、「イクメン男子」というキャッチーな言葉が生まれたからこそ、男性が家事育児に参加することがトレンドになったのも事実。
新しく生まれた言葉が人の意識や世の中の価値観を変化させ、その意識や価値観がさらに若い世代に受け継がれていけば、そのうち当たり前のこととして定着するかもしれません。その頃には自分のことをわざわざイクメンなどと称する男性もいなくなっているでしょう。

さて、今回読んだ2冊の本はどちらも「言葉」をとても大切にしている人が書いています。

『今日拾った言葉たち』

武田砂鉄さんの『今日拾った言葉たち』は『暮らしの手帖』に2016年春~2022年夏に連載されていたものをまとめ直したものです。著者が本や新聞やテレビ、ラジオ、街中の声を聴き、気になった言葉を拾い上げ、その言葉について自身の考えを書き添えています。

幅広いカテゴリーから言葉を拾っているので、様々な人たちの見解に触れることができます。グッとくる言葉もあれば、著者と同じ気持ちで憤慨する言葉もあります。
拾った言葉たちに添えられた武田砂鉄さんの文章からは、当たり前の暮しを守りたいという生活者としての目線が感じられ、ブレない批判精神が感じられます。そこが好きです。

武田砂鉄さんは毎週金曜日22:00 から 23:30、『武田砂鉄のプレ金ナイト【TBSラジオ】』というラジオ番組をYouTubeでも配信しています。砂鉄さんが今会いたいと思っている人を招くゲストトークがメインです。いろんな分野の方たちが登場し、毎回興味深く楽しめる私のお気に入り番組です。

『うまれることば、しぬことば』

酒井順子さんの『うまれることば、しぬことば』も武田砂鉄さんのラジオ番組で知りました。

酒井順子さんと言えば20年ほど前、『負け犬の遠吠え』という作品が話題になり、大論争を巻き起こし、流行語大賞にも選ばれ一つの「負け犬ブーム」を作ったエッセイスト、という程度に知ってはいましたが、作品を読むのは本書が初めてです。

『うまれることば、しぬことば』には、たぶん誰しも一度は気になったに違いないが深く考えないうちにいつのまにか馴染んでしまって気にならなくなった、そんな言葉が取り上げられているように思います。
私も「ああ!そうだった!これ、気になっていたのだった!」と思い起こされる言葉がいくつもありました。それに、本当は気にすべきだったのに気が付かなかった言葉もあってハッとさせられました。
何故この言葉が気になったのか?それをきっちり言語化して読み解いてくれる本です。

『アシタノカレッジ(※現在は『武田砂鉄のプレ金ナイト【TBSラジオ】』』ゲスト酒井順子さん

ついでと言ってはなんですが、最近武田砂鉄さんのラジオ番組にゲスト出演した水野太貴さんの『ゆる言語ラジオ』を紹介させてください。
言語学オタクと言語学素人のお二人によるゆるいお喋りが楽しい。時にはあいみょんの歌詞を熱く語り合い、時には言語を通して「国民を上手に搾取する方法」まで学べる?エンタメ寄りのチャンネルです。一つの動画が30分から50分ほど。割りと長めなところも聴きごたえがあって気に入ってます。

「2023 猫展 平面と立体」の案内状が届きました

2.11(土)-3.6(月)11:00-18:00

休館日:2/15・3/1(水)

於:ギャラリー白樺

「猫展」の案内状が届きました。
しばらく郵便受けを開けていなかったので、ちょっと発見が遅れてしまいました。
郵便受けにはチラシやフリーペーパーがいっぱい溜まっていて、A4サイズの紙の間に挟まって、あうやく見逃すところでした。

今年も猫の日がやってきますね。
59人のアーティストが創り出す多彩な猫たちが楽しめる展覧会です。

「おいしいごはんが食べられますように/高瀬 隼子」もやもやが残ったので読み返してみました

「おいしいご飯がたべられますように」

著者:高瀬 隼子
発行日:2,022年3月
発行:講談社

第167回芥川龍之介賞受賞

どちらかというと普段、文学ジャンルの本は読まないのですが、おもしろいという評判を聞きアマゾンで試し読みをしました。

「一日一粒で全部の栄養と必要なカロリーが摂取できる錠剤ができるのでもいい。それを飲むだけで健康的に生きられて、食事は嗜好品としてだけ残る。酒や煙草みたいに、食べたい人だけが食べればいいってものになる」
という文章に共感して購入ボタンをクリックしました。

私も子供の頃、ずっと思っていました。ご飯を食べずに生きられたらどんなに楽だろうと。
食事を楽しむことができない子供でした。だから主人公の二谷が、おいしく食べることを世間から押し付けられていると感じる気持ち、私もよく知っている。勝手に同類意識を持って物語を読み進めました。

しかし、なんだろう。この小説。とっても読みやすい文体なのだけど、読むほどにもやもやしてきます。

主要な登場人物は職場の同僚、二谷、芦川さん、押尾さんの男女3人。
二谷と押尾さんの内面や、ふたりが芦川さんのことをどう思っているか、ということは随所に書かれていますが、芦川さんの内面はいっさい書かれていません。
芦川さんは他者の目や口を通して描かれるだけの女性です。それがこの物語にどことなく不穏な居心地の悪さを与えています。

芦川さんは、男性目線と女性目線と仕事と食べることを通して、多様な要素を詰め合わせて作られた女性。芦川さんのことをどう思うかは読む人によってそれぞれですが、彼女の心の内は分からないので、何を考えているのか読者が勝手に推測することになる。そういうところも、もやもやさせられる一因かもしれません。

最初、二谷にも押尾さんにも他の登場人物の誰にもあまり感情移入できず、この職場の空気も嫌だなあと。まあでも現実、職場ってこんなもんだし、何だかイヤな気持ちにさせる物語だなと思いました。
「おいしいごはんが食べられますように」というタイトルだって、食べることが面倒くさいとか思っている二谷にとっては、押しつけがましい呪いの言葉にも聞こえそう。そう思いながら本を閉じました。

だけど、それだけではないような。何か読み落としているような。消化されない感じが残り、後日読み返し、言葉を拾い直したりして考えていくと、登場人物への印象も変わり、そんなイヤな気持ちにさせる物語ではなかったと思えました。
心に刺さる言葉がいくつもあり、さらっと読んで捨ててしまってはもったいない小説だと思いました。

ネタバレになるのであまり具体的なことは書きませんが、
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」と言った押尾さん。私は押尾さんへの印象が一番変わりました。悪い方からいい方へ。
そして「二谷さんと食べるごはんは、おいしい」と言う。このセリフにぐっと来ました。結末を知っているとちょっと悲しく響く言葉ですが、それでも押尾さんには幸せな時間が確かにあったのだと思えて、それはとても良かったなあ、、、と。

人は生きるためには食べなければならない。大方の人は食べるために働かなければならない。
食べる、働く、食べる、働く、、、延々と続くその循環は楽なものじゃないです。
そんな日々の中で、「ごはんが、おいしい」と思えるとしたら、それはきっと幸せなことに違いない。たとえ束の間でも。独りであっても。

まあ、でも、二谷が「芦川さんと食べるごはんは、おいしい」と思う日がいつか来るのかどうか。それは誰にも分からないことだけど。

『いつかたこぶねになる日/小津夜景』たこぶねの母の生き方

「漢詩の手帳 いつかたこぶねになる日」

  • 著者:小津夜景
      (おずやけい)
  • 発行日:2020年11月
  • 発行:素粒社

著者 小津夜景さんは1973年生まれの俳人。フランスに移り住んで20年余りになるそうです。
本書は著者の日々の暮らしや想いを綴る31編からなるエッセイ。それに日本や中国の詩人たちの漢詩と著者自身によるその翻訳を添えたものです。

南フランスの、海が近くにある暮らし。素朴で繊細でそれでいてタフな生き方が感じられる文章と、歴史の中に眠る詩人たちが詠む漢詩とが不思議と調和するエッセイで、美しさを感じる、丁寧に読みたくなる一冊です。

エッセイの1編目が本の表題にもなっている「いつかたこぶねになる日」です。
たこぶねとは何か?私は全く知らなかったので、鳥羽水族館のYouTubeを見てみました。

タコって大概へんてこりんな形をしている生物ですが、タコブネはさらにへんてこりんで可愛い!
Wikipediaによると

タコブネは、主として海洋の表層で生活する。メスは第一腕から分泌する物質で卵を保護するために殻をつくるのに対し、オスは殻をつくらない。生成される殻はオウムガイやアンモナイトに類似したものであるが、外套膜からではなく特殊化した腕から分泌されるものであるため、これらとは相同ではなく構造も異なる。

成長したメスは、7ないし8センチメートル前後になる。オスはその20分の1ほどの大きさにしかならない。

オスは8本の足のほかに交接腕(「ペニス足」)を有し、交接腕には精嚢が格納されている。交尾は、オスの交接腕がメスの体内に挿入されたのち切断されるかたちでおこなわれ、受精はメスの体内でおこなわれる。メスは貝殻の内側に卵を房状に産みつけ、新鮮な海水を送り込むなどしてこれを保護する。

Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%96%E3%83%8D)

たこぶねの生態はかなり独特ですね。メスがオスの20倍の大きさというのも驚きです。人間のサイズに変換して想像すると、結構おぞましい光景です。
それに交尾したあとオスはどうなってしまうの?というところも気になります。そこを詳しく紹介しているダイビングのショップブログを見つけましたので、興味のある方は読んでみてください。

 「交尾後は大事なペニスを切る 誰も知らないタコブネの真実」Trevallies Ocean : https://trevally.jp/2020/01/28/takobune/

タコブネのオスは体長3~4㎜ほどなので、あまり見つけられることがないらしい。そして交尾のあと、おそらくメスに食べられてその一生を終えているらしい。人間目線で見るととても気の毒なオスです。

とは言うものの本書ではメスだけにフォーカスして読んでみます。
著者はアン・モロウ・リンドバーグの『海からの贈物』を引用して次のように紹介しています。

(たこぶねの)貝は実際は、子供のためのゆりかごであって、母のたこぶねはこれを抱えて海の表面に浮び上がり、そこで卵が孵って、子供たちは泳ぎ去り、母のたこぶねは貝を捨てて新しい生活を始める。
(略)
半透明で、ギリシャ柱のように美しい溝が幾筋か付いているこの白い貝は、昔の人たちが乗った船も同様に軽くて、未知の海に向かっていつでも出帆することができる。

「いつかたこぶねになる日」p12

このタコブネの母に、著者はご自身の母親の言葉を重ねています。

「未知の世界に漕ぎ出せば、そりゃあ死ぬかもしれないけれど、でも自由を知ることができるのよ、あなたが死んでもおかあさんはがまんするから、遠慮なく好きなところに行きなさい」と幾度となく言われたと言う。

著者の母親世代は、現代以上に女性が自分の好きな道を選択できない不自由な時代だったのだと思うと、母親の言葉に胸が詰まります。そしてタコブネの子供たちも大海原に放り出されるように泳ぎ出て、それからどんな困難が待ち受けていることか、、、、

エッセイを読みながら、私の目の前には深みのある青色の海が広がっていて、美しい殻を脱ぎ捨て身軽になったタコブネの母が、さらに深い海に潜って孤独で自由な生活を始める、という動画が勝手に出来上がっていて、それは私にはとても美しい映像でした。

でも現実は、どうなのだろう?
タコのメスというのは卵が孵ったら死んでしまうものらしいから、タコブネのメスもオスと同じように、子孫を残したところで役目が終わったとばかりに死んでしまうものかもしれません。
それでもタコブネの母は大海原で、短い余生を自由に暮らしていると想像したい。
タコにとっては人間がつくった「自由」という概念など全くどうだっていい話とは思うけど。
人間は生きている限り「自由」を求め続け、ときには命さえ懸ける生き物なのだから。

エッセイの1編目から面白くて、早く次を読みたいという気持ちになりました。
でも、春からまた外に出て働きだしたため、思うように時間が使えなくなり、読み始めて5か月以上経っているのに、まだ全部は読み終わっていません。

昨日は病院の待合室で21番目のエッセイを読みました。
タイトルは「紙ヒコーキの乗り方」。

紙ヒコーキを作って河川敷に飛ばしに行く友人夫婦の話から始まって、紙ヒコーキ愛好家の存在、発砲スチロール紙ヒコーキの原材料のこと、そして芸術家ハリー・スミスが拾った紙ヒコーキをコレクションするのは何故なのか?という疑問に話は飛び、そこからポール・ゴーギャンの有名な作品《我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか?》に思いが及び、最後は良寛の《僕はどこからきたのか》という漢詩に着地する。

紙ヒコーキから展開する話の広さ・深さに惹きこまれました。

      《僕はどこからきたのか》
                       良寛
僕はどこから来て
どこへ去ってゆくのか
ひとり草庵の窓辺にすわって
じっと静かに思いをめぐらしてみる
思いをめぐらすも始まりはわからず
まして終わりはもっとわからない
いまここだってまたそうで
移ろうすべてはからっぽなのだ
からっぽの中につかのま僕はいて
なおかつ存在によいもわるいもない
ちっぽけな自分をからっぽにゆだね
風の吹くままに生きてゆこう

それにしても、紙ヒコーキを飛ばしに河川敷に出かけてゆく夫婦っていいなあ、って心から思いました。
夫が生きていたら早速提案してみたい遊びです。
物を作ることには手を抜かない性分の人だったからきっと紙ヒコーキとは言え真剣に作って遊んでくれたんじゃないか?って思う、、、今となっては勝手に思うしかできないことだけど。

映画「教育と愛国」観てきました。

昨日、映画『教育と愛国』を観てきました。
久しぶりのガーデンズシネマ。雨にもかかわらず、ほぼ満席でした。

映画「教育と愛国」公式WEBサイト
https://www.mbs.jp/kyoiku-aikoku/

『教育と愛国』予告編

TBSラジオ『アシタノカレッジ』に、監督である斉加尚代さんが出演され、教育問題を取材し続けてきたこと、この映画を撮るにいたった経緯など話されています。
そのお話を聞いて、私も劇場に行きたくなりました。
子育て終わったから今さら教科書の問題なんて関係ない、とは到底言えない、とても大事な国の在り方の問題です。

26:36 【ゲスト:#斉加尚代】 ←ここをクリックすると斉加尚代さんのインタビューコーナーにジャンプします

政治が教育に介入すると、歴史が改ざん、もしくはなかったことにされる。例えば、第2次世界大戦において日本国にはまったく加害的な事例はなかったことにされる。
「美しい国日本」を標榜する政府としては、国の黒歴史は消してしまいたいのでしょうが、歴史を改ざんしていいはずない。

2006年に第一次安倍政権下で教育基本法が改変され、「愛国心」条項が戦後初めて盛り込まれました。すると、「愛国心」のもと、「教科書にパン屋のイラストはふさわしくないから、和菓子屋に変えろ」ってことになったりする。
「愛国心」の使い方、おかしくないですか?
「新しい教科書を作る会」、教職員への日の丸・君が代斉唱の強要、日本学術会議任命拒否問題、「表現の不自由展」、「日本会議」の問題、様々な問題に「愛国心」が絡みついています。

映画の中には、ギョッとさせられるというか意味不明な発言をするエラい人たちが何人も登場します。
伊藤 隆(いとう・たかし)さんもその一人。
東京大学名誉教授の歴史学者であり、「新しい歴史教科書をつくる会」の元理事。
現在「日本教育再生機構」の顧問。「国家基本問題研究所(理事長:櫻井よしこ)」の理事。育鵬社の歴史教科書編集会議座長を務める方です。

斉加尚代さんから「教育の目的は何ですか?」と聞かれて、
「ちゃんんとした日本人をつくることです」と答える。
「ちゃんとした日本人とはどういうことですか?」という問いかけには、
「左翼ではない、ということかな」と応じる。

インパクトありましたよ。このシーン。
世の中の大半の人は右翼でも左翼でもないと思うんですけどね。
おそらくこの方は、自分と考えの合わない人たちを「左翼」と呼んでいるのかもしれませんね。
この方は「歴史に学ぶ必要はない!」という迷言も残している歴史学者ですので、一般人にはなかなか理解しがたいです。

斉加尚代さんは、2012年、当時の橋下徹市長記者会見において橋下徹市長から罵倒され、その後多くのバッシングを受けることになりました。

以下の事案について橋下市長に取材するための記者会見の場です。

2012年3月2日にあった大阪府立和泉高等学校の卒業式で、中原徹校長が教頭らに指示して、約60人の教職員が国歌斉唱時に起立しているかだけでなく、歌っているかについて口の動きを確認した。中原は、大阪市長の橋下徹の友人で、橋下が大阪府知事だったときに民間人校長として就任していた。同年3月9日、大阪府教育委員会は国歌斉唱時に起立しなかった教員のうち17名に対し懲戒処分(戒告)を行った。5月8日、橋下の記者会見で斉加が「一律に歌わせるのはどうか」と尋ねたところ、橋下は「ふざけた取材すんなよ」「勉強不足」「とんちんかん」と斉加を面罵。30分間にわたる言い合いとなり、注目を浴びた。このやりとりは動画で出回り、非難メールが斉加の勤務先に1千件以上届いた。

ウィキペディア斉加尚代」から引用

下の動画は、タイトルの付け方から見て斉加尚代さんをバッシングした側のチャンネルだと思われますが、橋下元市長の言説を検証できるデータとして貴重ですね。
橋下徹さんという方も、まともに議論はできない人だと思われますが、この動画のコメント欄には彼を絶賛するコメントが溢れています。「愛国心」ってこんなところで使われるんだなあと、、、、

『教育と愛国』
2022/6/18(土)~24(金)※21(火)休館
24㈮は斉加尚代監督オンライントーク付(要予約)
ガーデンズシネマにて

余談ですが、

武田砂鉄さんの『ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜』が連載されているコンテンツ配信サイト『cakes』が、2022年8月31日をもってサービス終了となります。
私は武田砂鉄さんのコラムを毎回楽しみに読んでいます。といっても無料期間中(1週間)に読むだけで課金することはなかった
なので、廃刊になって残念だと言う資格が私にはないかも。

ああ、可処分所得が増えればなあ、あちこち課金したいんだけどなあ、、、と、ただぼやくだけ。



「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を。」「さよなら、男社会」 2冊のジェンダー論を読んで

「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を。」小川たまか 2018年

「さよなら、男社会」
尹 雄大(ゆん うんで) 2020年

「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を。」
出版社からのコメント

性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo運動などを取材し、おもにウェブで発信してきたライター・小川たまかはじめての著作。
2016年から2018年に起きた、性犯罪やそれにまつわる世論、性犯罪刑法改正、ジェンダー炎上案件などを取り上げ、発信してきた記録です。

Amazonの商品の説明から

「さよなら、男社会」内容(「BOOK」データベースより)

僕らはいい加減、都合のいい妄想から目を覚まさなければならない。圧倒的な非対称を生きる僕らは、どうしてその事実に気づけないのか。真に女性と、他者とつながるために、乗り越えねばならない「男性性」の正体とは何か。

Amazonの商品の説明から

たまたまジェンダー論を2冊立て続けに読んで、昭和の時代の記憶がバラバラと蘇ってきた。

中学3年の時、理科の先生(男性)が授業中に、一人の男子生徒を竹箒で何度も何度も殴りつけた。かなり強烈な暴力の光景を思い出す。
現在ならSNSで大炎上案件だと思う。しかし当時、先生が処罰されることはなかったし、なぜ先生がその男子生徒を殴ったのか、理由を知らされることもなかった。

先生が暴力を振るっている間、皆暗く押し黙ったままだった。その教室の重苦しい空気を今も覚えている。「先生やめてください」と言えなかった自分の意気地なさも、悔しくて忘れられない。

漫画やテレビで「スポ根もの」が流行っていた時代だった。
「スポ根もの」といえば、「集団」「厳しい訓練」「根性」「耐え抜き」「やればできる」と煽られ、「できないのは努力が足りないからだ」とパワハラコーチにしごかれ、スランプに陥れば殴り合いの「暴力」が始まり、試合に勝てば男同士抱擁して涙を流す。そんなパターンもあった。
これって軍隊みたいじゃない?ってシラケた視聴者もいただろうと思う。今思うと、いったいどんな世代に受けていたのだろう?と不思議でならない。

「スポ根ドラマ」には女子マネージャーが登場し、道具や飲食を用意したり掃除、洗濯をしたり、時には男子生徒の心の傷を癒したり。男子をサポートしケアする役周り。それはそのまま社会の構図を反映したものだった。

男性は働いて家族を養う経済力が求められ、女性は家事・育児・教育・地域参加・親たちの介護等を担うという、性別による偏った役割分業があった時代だった。

稼ぎの少ない男性は「甲斐性なし」と言われ、女性の賃金が低いのは、男性より能力が劣るからだと決めつけられた。
思い出してみると、いろいろ凄い時代だったなあと思う。いや、まだ過去形になっていないことばかりだけど。

差別用語が書き換えられたからって差別の中身が無くなったわけじゃない。むしろ差別が見えにくくなったかもしれないとも思う。

性別、貧富、能力、容貌、人種、職業、年齢、出自、出身、思想、宗教、などなど、、諸々の偏見・差別・ハラスメントは、学校でも家庭でも会社でも政治でも、あらゆる場所に、今も当たり前のように存在している。(まだ可視化されていないものもあると思う)
全ての人を細かくカテゴリ分けしていくと、誰だってどこかで少数派になるはずなのに、社会的な偏見や差別の対象となってしまう少数派がいるのは本当におかしなことだ。
偏見や差別はないものだという建前から、人はそういう対象の少数派がいること自体をないことにしてしまう。

小川たまかさんの「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を。」は、このタイトルにとても気持ちを揺さぶられる。”『ほとんどない』ことにされている側”を考えさせる本だ。

尹 雄大(ゆん うんで)さんは、「社会は厳しいのだ 。甘えるな」という物言いが共通言語としてある男社会の中で、子どもの頃から違和感や苛立ちを感じ苦しんできたという。
「さよなら、男社会」では、いったい何故こんな社会があるのか、男性の暴力性はどこから来るのか、などを深く考察している。

「古来稀なる二人展」お邪魔しました。

皮革染色の山田利喜子さんと、藍染布の末吉昌子さんの「二人展」にお邪魔しました。

中学同級生のお二人が、時を経て再会。革と布、扱う素材は異なりますが、「染め」繋がりで二人展をしましょう、ということになったそうです。

山田利喜子さんの作品は、革のバッグ、着物地と皮のパッチワークの巾着、ベレー帽、ランプシェード、レザー タペストリー、そのほか茶筒などの小物と多種多様。

末吉昌子さんは藍染めの大きなタペストリーを中心に、紬や絣のパッチワーク、刺し子のコースター、オブジェなど。

藍色、紺青色、空色、、、見ているだけで心が落ち着く色です。

「古来稀なる二人展」
2022.4.24(日)~5.1.(日)まで 11:00~17:30

於:「ギャラリーときどき」

「人新世の『資本論』/斎藤幸平」80%読んでからの読書感想

人新世の「資本論」(ひとしんせいの しほんろん)

著者:斎藤幸平
発行:集英社新書/2020年
‎ 新書:384ページ

「新書大賞2021」受賞作

日本は経済大国第3位

日本は経済大国と言われています。

2021年の名目GDP(国内総生産)は世界第3位だったらしい。(「【2021年】最新世界GDP(国内総生産)ランキング 2050年の予測も紹介」参照)

世界第3位の経済大国!と言われてもなんか実感が湧かない。

名目GDPを人口で割った一人当たりの名目GDPで見ると、日本は世界第25位。
生産性の低い働き方で、65歳以上の高齢者も動員して、隠居なんかしようと思うな、身体が動く限り働け、年金を当てにするんじゃない、という掛け声の下に総出で働いて、世界第3位の経済大国です。

年金が当てにならなくても、NISA(ニーサ)がある。iDeCo(イデコ)がある。これで老後は安心。とか言っている政府。いったい誰に向けて言っているのでしょう。昨年、最低賃金がやっと時給821円になった鹿児島市民の身にもなって欲しい。

という市民感情を抱えつつ、話題の本『人新世の「資本論」』を購入しました。
本書は、2021年に新書大賞第1位に選ばれた経済書。それが35歳の若き哲学者が書いたということでも話題になりました。新書としては異例の売り上げとなっているそうです。
私も「哲学者が書いた経済書」という組み合わせに惹かれました。

読み始めたのは昨年の秋頃だったか、、、、
前半はグイグイ読んでいたのだけど、後半からちょっと読むスピードが鈍って年を越し、ついに4月。280ページ目から後書きのページにワープして、全体の80%ほど読んだところで勝手ながら読了としました。

『人新世の「資本論」』を読んで

本書前半部分、資本主義と地球環境問題との関連性を事細かく深く掘り下げているところは、共感を持って読み進みました。

「世界の富裕層トップ10%が排出する二酸化炭素は、その「裕福な生活様式」によって全排出量の半分を占めている」こと。
「先進国」と呼ばれる国が、「どこか遠く」の人々や自然環境に負荷を転嫁し、豊かな生活のため経済成長を続けていること。
「どこか遠く」の国では、資源と労働力を収奪され人々が貧困の中にいること。
二酸化炭素排出量は増大し続けているし、気候変動の深刻さも先送りしてはいけない。
知らなければいけない問題がたくさんあります。
でも、レジ袋を削減して温暖化対策をしていると思い込むことで、現実の危機から目を背けている私たちがいる。

「経済成長を支えてきた大量生産・大量消費そのものを根本的に見直さなくてはならない。」と著者はいいます。そのためには、資本主義に代わる新しい社会システムをつくるべきだと。
地球環境問題は、個人で取り組めば何とかなるというレベルのものではなくなっているのです。

本書の後半には、著者が考えるポスト資本主義の世界観が具体的に書かれているのですが、ここは読む人によって意見が分かれるところかもしれません。

著者が提唱する「脱成長コミュニズム」という社会。
電力や水道や教育、医療、インターネット、あらゆる生産手段そのものを「<市民>営化」する。
社長や株主の「私有」でなく「国営企業」でもなく労働者たち自身による「社会的所有」とする。
市場にも、国家にも依存しない形で、お互いに共同管理のネットワークを広げていくプラットフォームを作る。
過剰な生産はしない、脱成長で地球環境を守っていく、というものです。

著者は「脱成長コミュニズム」社会で人は、自分らしく働ける、安定した豊かな生活と人間らしい自由時間を手に入れることができる、持続可能で公正な社会が実現できるーーと言います。
あまりにもユートピアとして語り過ぎではないでしょうか。何だか、ニュータウン入居者募集のパンフレットを見ているようで、逆に懐疑的になってしまいます。ま、私がひねくれ過ぎかもしれないし、どんな新しいシステムもやってみなければ分からないことではありますが、、、

ともあれ、本書は、先送りできない地球と世界の問題を提示していて、このままの社会システムを続けていていいのか?と問いかけてくる一冊であることは間違いないです。

余談ですが、

世界の超富裕層1%、資産の37%独占 コロナで格差拡大(日本経済新聞 参照)を読むと、世界の上位1%の超富裕層の資産は2021年、世界全体の個人資産の37.8%を占めるまでになったらしいです。

世界の1%、、、、ざっと計算して約7,875万人。結構いますね。


「古来稀なる二人展」開催のお知らせ

「古来稀なる二人展」

2022.4.24(日)~5.1.(日) 11:00~17:30

久々に「ギャラリーときどき」で個展開催のお知らせです。
皮革染色工芸の山田利喜子さんと藍染布の末吉昌子さんの二人展。
お二人は中学生の時の同級生だそうです。
展覧会名は「フルキマレナルフタリテン」って読むのでしょうか?いや、素直に「コキマレナルフタリテン」かな?
お邪魔した時に答えを聞いてみたいと思います。

量子コンピュータ、興味ありますか?おすすめの理系YouTube

以前、読んだサイモン・シンの「暗号解読(上・下)」の最終章に、
「量子コンピュータが実用化されれば、今使っている暗号は難なく破られ、新たな量子暗号を開発する必要があるだろう」
と書かれていて、量子コンピュータって何?いや、その前に量子って何?と関心を持ちました。
ブックオフにて学者によって書かれた新書を入手し読んでみましたが、まったく文章が頭に入ってこず、途中で投げ出していつしか7年経ちました。

最近ネットで、量子コンピュータ関連の記事を目にすることが多くなっています。2030年代には実用化されるとか、現在私たちがPCで使っているRSA暗号は使えなくなる、とか。
そうなると、どうなるの?

暗号については提供するサーバー側の問題だから、末端のユーザーである私が心配する必要はないですよね?とは思うけど、古い技術から新しい技術に移行する際には、予想してないような混乱が起きるものだし、便乗詐欺も横行するかも。10年なんてもうすぐそこ、って感じがする。
この際「量子コンピュータ」「量子」について学んでみたいと、YouTubeであれこれ視聴して聴き比べてみました。
その結果、まったく理系に疎い私が面白いと思った動画を下記に紹介します。

エンタメとしても楽しめる理系YouTube

20分弱にコンパクトでテンポよくまとめていて、耳に入りやすい動画でした。視聴している側が疑問に感じるところもちゃんと抑えていて、とても丁寧に作られているなあと思います。
まずはざっくり理解してから、分からない部分は別の動画を探してみる、といった感じで理解を深めていきたいものです。
とりあえずは、量子コンピュータを使って便利な社会が作られるまでに、まだまだ数十年はかかりそうな感じですね。

私のように数学も苦手だと、数字とか計算とか、ほんっとに「嫌いだーーー!!」と叫びたくなるRSA暗号の仕組みが紹介されています。
おっしーの最先端テクノロジー and サイエンス」に上がっている動画は、どれも興味深いタイトルばかりで、私が疑問に思っていたことにぴったり刺さるというか、ついつい夢中になって全部見てしまいました。
たいていの動画は10分程度にまとめられています。


こちらも10分~30分程度にまとめられています。物理に特化したコンテンツですが、「難しい理論や方程式が理解できなくても物理は楽しい!」をコンセプトにされていて、数式はあまり出てきません。
物理の話を楽しそうに話すのもとさんのキャラクターのおかげで、聴いているこちらも楽しく聴けます。
物事を知らない人にも分かるように教えることができて、しかも楽しませることができる人って凄いなあって思います。
学校の先生が皆こんな感じだったらなあ、、、、、、、。
いやいや、高校や大学の受験を目標に授業していた先生たちに言わせれば、「出来の悪い生徒を楽しませる余裕はないよ!」「数式も必要だから覚えろ!」って感じかもしれませんが。

量子コンピュータ研究者のYouTube

本格的にがっつり勉強したい、数式が出てきても平気という人には、大阪大学基礎工学研究科 藤井研究室の配信動画がおすすめです。おそらく本気の人は既にこういう動画を観ていると思いますが。

「量子コンピューティング」2回~14回の配信は、私にとっては、数式、方程式、使ったことのない単位、耳慣れない用語などで構成されている動画でしかなく、、、。なので第2回を聞き流しただけで継続視聴を諦めました。
この配信を14回まで完全視聴できて理解できる人、きっとそういう人たちに人類の未来は託されているんだろうなあ、なんてことを思わずにはいられませんでした。

前編・中編・後編の3部構成になっている「阪大教授が解説する量子力学と量子コンピュータ」は、図解入りで比較的分かり易く、一般人向けの動画になっています。
自宅で手作りできる量子干渉実験装置の作り方なども紹介されています。


以上、量子コンピュータ関連のYouTubeサイトを3つ紹介しました。
実際はもっとたくさんのサイトを視聴したのですが、いくら数多く視聴してみても、「量子の重ね合わせ」って何とも理解しにくくて、もやもやが残ります。
「量子の重ね合わせ」は見えないところで起こっていて、観測すると消えちゃう。
誰も見たことないけど、実験の結果から「量子の重ね合わせ」が在ると分かっている。
量子は「粒子でもあり波動でもある」と考える人もいれば、「粒子でも波でもない何かである」と考える人もいて、実のところよくは分かっていない。
とにかく量子とはそういうもんだと受け容れてください、ということなので受け入れるしかないのですが、、、そんなもやもやした量子で私たち人間も、世界も造られているって話ですね。

「線は、僕を描く/砥上裕將」私の知らない水墨画の世界

「線は、僕を描く」

著 者: 砥上 裕將 (とがみ ひろまさ)
出版社 ‏ : ‎ 講談社
発売日 ‏ : ‎ 2019/6/27
単行本 ‏ : ‎ 322ページ

第59回メフィスト賞受賞
2020年本屋大賞第3位!
「ブランチBOOK大賞2019」受賞!
「未来屋小説大賞」第3位
「キノベス!2020」第6位

先月、姉から薦められて読んだ本です。
メディアで話題になったということで、図書館でも貸し出し中が続いていて、年明けにようやく借りることができました。

著者の砥上 裕將(とがみひろまさ)さんは、1984年生まれの水墨画家。
水墨画の絵師さんが書いた小説というのは、とても珍しい。というより、水墨画というジャンル自体、現代では馴染みが薄いように思います。
ウィキペディアによると日本における水墨画の全盛期は室町時代だったらしい。全盛期は過ぎたとはいえ、現在に至るまでその技術・技法は伝統文化として継承されているようです。
私は美術の教科書で目にした程度の知識しかなく、学校で習った覚えもないので、未知の世界への好奇心を持って読み始めました。

粗方のストーリーを書くと、

主人公の青山霜介は高校生の頃事故で両親を亡くし、突然独りぼっちになってしまった。それ以来、大学生になった今も自分の心の内側にガラスの部屋を創りあげ、その中に自身を閉じ込めている。
ある日偶々水墨画の大家篠田湖山と出会い、半ば強引に弟子にさせられてしまう。そうして水墨画の修行が始まり、虚無の中にいた彼の生活が少しずつ変化していく。

といったところ。表現することで喪失感から立ち直っていく再生の物語という、どちらかというとありがちな構図なのですが、本書の読みどころはそこではない。
いや、そこだよ!っていう感想の声も多いと思いますが、私は絵師による指導と修練、その丁寧な描写に惹きこまれました。
いわば水墨画の指南書として、この本を読みました。

一本の線に水墨画特有の型があり、何度も何枚も描き続けてその技術・技法を習得していく。
一度描いてしまった線は消すことができない。描くスピードにも墨にも筆に含んだ水分にも、否応なしに左右されてしまう。
作品はいつだって下書き無しの一発勝負。「勇気がないと線なんて引けない」と言う。
一本の線を描くことさえどんなに難しいか、緊張感を持って伝わってくる。そんな水墨画の世界を描いた物語です。

講談社のウェブサイトに本書の紹介ページがあるので、興味のある方はそちらをご覧ください。水墨画に必要な道具や用語、著者からのメッセージなども掲載されています。

https://senboku.kodansha.co.jp/

実技の動画。必見です。

 instagram.com/yokotanji/

本書の表紙は、イラストレーター丹地陽子さんのイラストです。私はこの方のイラストも大好きで、時々インスタを覗いたりしています。

通畠義信氏が「第76回南日本美術展JAL賞」を受賞されました!!

本サイトでご紹介しています通畠義信氏が「第76回南日本美術展JAL賞」を受賞されました!

おめでとうございます。
JAL賞は2005年以来2度目の受賞になります。

『Godzilla island-来歴-』

2017年から2019年は 「ハエの家シリーズ」 で3回続けて海童賞を受賞されていた通畠氏。「ハエの家シリーズ」は2019年で完結したと聞きました。
今回は「ゴジラ島」です。今までとはがらりと作風が変わった感があります。
島の周りをぐるっと回って表から裏から見える景色を鑑賞したい作品です。
現在この島は市立美術館にありますが、「やはり野外にあって欲しいなあ」などと思いながら観ました。

第76回南日本美術展は今日から開催です。

 2021年 11月20日(土)-12月5日(日)

黎明館/鹿児島市立美術館


詐欺メールは進化していた

使っているヤフーメールに、アマゾンの名を騙る詐欺メールが送られてきました。先月から3度も。

メールの最後に書かれた「私たちと一緒に買い物をありがとう」というフレーズは、日本人には出せないフレンドリーな味があって、ちょっと楽しい文章ですね。

このメールはヤフーのフィルタリング機能によって迷惑メールにフォルダに入れられているし、そもそも私はアマゾンプライムの会員ではないので、これがなりすましメールであることは明らかです。

そのまま削除してしまえばいいのですが、どんな偽メールアドレスが作られているかなあとちょっと好奇心が湧き、送信元アドレスを見 てみました。

from:を開いてみると、送信元アドレスが「no-reply@amazon.co.jp」となっていて、アマゾンのドメインが使われていることにびっくりしました。
これまでのなりすましメールは正規のアドレスとよく似ていて紛らわしいドメインだったり、フリーメールだったり、英語のoを数字の0にしてあったりみたいなものでしたが、今回の偽メールのドメインは正規のamazon.co.jpと全く同じでした。

そもそも正規のドメインで詐欺メールを送るなんて、そんなこと可能なの?
と疑問に思い調べてみると、なんと”可能”でした。

迷惑メール対策に関する情報を公開している「財団法人インターネット協会」のサイトに、なぜ、嘘のメールアドレスが書けるのか?本当の差出人のメールアドレスを知るにはどこを確認すればよいのか?などについて丁寧な解説がありました。

メールのFrom:だけを見て本物かどうか判断するのは危険なようですね。
本当の差出人を知るには、メールのヘッダーを開いて、Return-Path:に続くアドレスのドメインを確認しましょうということです。

私にきたなりすましメールのヘッダーは以下の通り。

ヘッダー部分がいつもオープンに表示されていれば、なりすましもしにくくなるだろうになあと思ったりしましたが、情報量が多すぎて表示が難しいのでしょうか。分からないけど。。。。

私が知らなかっただけで、ドメインの偽装なんて当たり前に行われていて、こういうなりすましメールは、だいぶ以前から出回っているようです。

日本データ通信協会の「迷惑メール相談センター」⇒要注意メールサイトには、注意すべき迷惑メールに関する情報が随時掲載されています。
おかしなメールがきたら、このサイトで確認してみるのもいいと思います。
文章を眺めるだけでも結構面白いです。

『アート・ヒステリー/大野左紀子』「自由」「個性」「創造」の幻想

『アート・ヒステリー』—なんでもかんでもアートな国・ニッポン

著者 : 大野左紀子

出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社

発売日 ‏ : ‎ 2012/9/26

著者の大野左紀子さんは、以前はアーティスト活動をされていたが、それをすっぱりやめて現在は文筆活動をされているという経歴の方です。
図書館でたまたま手にして、『なんでもかんでもアートな国・ニッポン』という副題に惹かれて表紙をめくると、
表紙の裏にはこう書かれていました。

アートは”希望”の灯火ではない。
人々を結ぶ”絆”でもない。

「アート=普遍的に良いもの」ですか?そこから疑ってみませんか?
アートが分からなくても、それは当たり前。
民主主義の太陽が生んだ「自由」と「個性」を掲げる美術教育と、
資本主義の飴がもたらした増殖、拡大し続けるアートワールド、
それらを通して、アートと私たちの関係を読み解いていきます。

たまに現代アートとかポップアートとか紹介される作品をニュースか何かで観て、「これもアートなの?」「これがなんで何十億円?」と驚くことがあります。

単にきれいな作品というだけではアートではない、とも言われるし、デュシャンの「泉」のように社会への問題提起というかメッセージが込められていれば、既成の便器がアートだ、芸術だ、となる。
それまでの既成概念を覆すこと、そのこと自体がアートなのか?
作品に物語性を込めることはそんなに大事なのか?説明されなければ分からない物語でも必要なのか?
アートについて日頃疑問に思うことはたくさんあるし、そもそも、「アート」と「芸術」の境界線が私には分からない。

誰かが、たぶんその時代の権威ある誰かが、これは「芸術」であると認定した作品を、私は「芸術」として観ているだけだと思う。
「芸術」と言われると単に好き嫌いで語られるものであってはならないし、何か意味のあるものだと思ったりするし、理解できなくても当たり前だと思ったりする。
とはいえ、周囲を見渡すとそんなに誰もがアートに興味があるわけでもなさそうだし、私が働いてきた職場でアートが話題になったことはないし、アートに興味があるのはアート業界の人たちだけなのかな?って思ったりする。

という様々な思いを巡らしながら、本書を読み始めました。
本書の目次は下記の通り。


「第一章 アートがわからなくても当たり前」

  1. ピカソって本当にいいですか?
  2. 疎外される「わからない人」
  3. アートの受容格差
  4. 「美術」はどこから来たのか

「第二章 図工の時間はたのしかったですか」

  1. 芸術という「糸巻き」
  2. 日本の美術教育
  3. 夢見る大人と現実的な子ども
  4. 問い直される理想

「第三章 アートは底の抜けた器」

  1. 液状化するアート
  2. 空想と現実の距離
  3. 村上隆の「父殺し」
  4. アートの終わるところ

本書は西洋美術がいかにして日本に取り入れられてきたか、民主主義や資本主義の観点から、児童に対する学校教育の観点から、そして現在の商業主義的なポップアートの事象などから、読み解いていて、”アートを語りたい!”という著者の熱意を感じる本でした。

ヒロ・ヤマガタやバンクシーのエピソードも面白かったですが、特に興味深かったのは、「第二章 図工の時間は楽しかったですか」です。

明治時代、小中学生の図画教育は、ひたすらお手本を模写し、図形や立体物を描写する「臨画教育」と言うもので、これの目指すところは「富国強兵と近代工業の発展に寄与する実用的な”眼と手の訓練”」だったという。
その後、社会の変革に伴う諸々の思想に影響されながら第二次世界大戦を経て戦後50年代に登場したのが「創造主義美術教育」(略して創美)。
「創美」の理念は「児童の想像力をのばすことは児童の個性をきたえる。児童の個性の伸長こそ新しい教育の目標」というものだったそうです。

そして70年代以降、図画工作・美術の学習指導要綱に次々と新メニューが盛り込まれ、それらを総合すると「創造性の育成」「豊かな発想」「造形的創造活動」「自由な表現力」「つくりだす喜び」「豊かな人間性」などといった目標が並びます。
そのあまりにも高い目標に、私は驚いてしまいました。

そして、本書によると小中学校では指導要綱の中に「絵の描き方を教える」という項目はないという。
「子どもの中にあらかじめ表現したい欲求があることが前提になっている」ので「教えるのではなく子どもが主体的に行うことを支援する」というのが学校側のスタンス。
子どもは誰もが皆生まれながらにしてアーティストだ、と大人は思っているのでしょうか。
子どもは皆自由で豊かな発想ができてそれを表現できる力を持っているはずだ、という幻想を抱いているように思えます。
ましてや、美術が「豊かな人間性」を育成するなどと、何を根拠にそう考えるのか、、、、、
学習指導要綱なんてお題目だけで、まあ、別にアーティストを養成しようと考えていたわけではないとしても、観念的なものを求め過ぎじゃないでしょうか。

著者は子どもへの教育について、
「美術についての知識や理解を深める「美術の教育」が不十分なまま「個性」「自由」「創造性」を賞揚することによって、子どもは美術を「無論理」的で「説明不能」なものと捉えるようになる」と危惧し、「美術の方法論を理解させる教育」、鑑賞することや知的理解も必要と書いています。

私も中学生の頃に、絵の描き方や方法論というものも学んでみたかった。あの頃はネットもYouTubeもなかったし。
画家とか彫刻家とか陶芸家とかイラストレーターとか漫画家とか、アニメーターとか、とにかくいろいろな美術業界の方たちが実際にどうやって制作しているのかを、子どもの頃に知ることもできたら面白かっただろうなあと思う。
「豊かな発想」や「自由な表現力」という、私にはハードルの高い「才能」と言えるものの有無に捉われず、もっと幅広い美術の楽しみ方も見つけられたのではないかと、今更ながら考えました。

絵画への興味が倍増するかも!?YouTube『山田五郎 オトナの教養講座』

美術評論家・山田五郎さんのYouTube「社会人になったばかりの20代から、老後の学び直しまで、 全てのオトナに送る」『山田五郎 オトナの教養講座』が面白い!

毎回、助手「ワダさん」が持ち込んだ一枚の絵画を、山田五郎さんが解説するというスタイルの動画です。
画家たちのエピソードはもちろん、その時代の文化、史実も詳しく紹介され、 美術好きの方なら好奇心をくすぐられるのではないかと思います。

美術についてはさほど知識がないという「ワダさん」が、「この絵、なんでこうなんですか?」と毎回疑問を呈する、その 目の付け所も面白いです。

【現代絵画の父】セザンヌのリンゴはなぜ落ちない?【実は〇〇っぴ】

ワダさんの疑問、「セザンヌのリンゴはなぜ落ちないの?」
その答えは、「セザンヌはマジ絵が下手だったから」。

「近代絵画の父」と呼ばれるセザンヌは絵が下手だけど、だからこそ新しい発想が生まれ、後世多くの画家に影響を与えたというエピソードは興味深かったです。
美術好きの方でなくても楽しめる「教養講座」ではないかと思います。


著作権使用料がかかるために紹介できない作品も多いようですが、『山田五郎 オトナの教養講座』を生配信すると、視聴者から著作権の購入金に充ててくださいと多額のスパチャが寄せられました。

その後ピカソの作品が2枚、紹介されました。

なぜピカソはあんな「わけのわからない絵」を描いたの?下手なの?【皆様の浄財で実現!※もしや1年限定公開!?】

気になる映画「パンケーキを毒見する」

6月に、「菅首相題材の映画、公式ツイッターアカウントが一時凍結」という記事を読んで、この映画の存在を知りました。イラストも目を惹きます。

画像
映画「パンケーキを毒見する」ポスター

菅義偉政権の正体に迫るドキュメンタリー『パンケーキを毒見する』の予告編

タイトルとポスターを見れば、この映画が管政権へ批判的な内容であることは容易に推測できます。
だからといって、自由民主主義国家において国民の表現手段である映画が、「作品の告知しかツイートしていない段階」であるにも関わらず、「攻撃的なツイートや行動」などと判定され、アカウントを凍結されるとは!
何だか日本も中国みたいになってきたじゃないですか。政権批判的なものは、あからさまに潰されていくのかしら?
逆にどんな映画なのか、この目で味見したくなるってものです。

2020年9月、内閣総理大臣に就任した菅総理。
コロナ禍の中でオリンピックを開催することさえ「普通ではあり得ない」のに、緊急事態宣言を出してなお、オリンピックはやるぞ!と意気込みは揺るがない。信念の人、菅総理。
緊急事態宣言下ならオリンピック中にコロナ感染者が増える心配も少ないし、安心安全な大会が開けることでしょう。
もっと安心するために「酒販売事業者には酒類の提供を続ける飲食店との取引停止を要請」して菅さんをサポートする田村厚生労働大臣(訂正しました。言い出しっぺは⇒こっちの人)西村康稔経済再生担当相。
安心するのは政権側だけで、国民の不安は残ったままです。
オリンピックが終わった後に感染者が増えたとしても、それはオリンピックとは関係ないからね、っていう政府の思惑も透けて見えます。

こんな日本のオリンピックを海外から辛辣に批判したコラムを目にしました。

話題を呼んだ「ぼったくり男爵」著者、再び辛辣コラム
米紙「東京五輪、安全安心なのは自己責任同意書で武装したIOCだけ」

https://courrier.jp/news/archives/252544/


日本国内に住む国民は、思っていても言いたいことを言えない空気に支配されているのか、長い物には巻かれろという国民性なのか。
政府が何が何でもオリンピックをやると言えば、「じゃあ、せめて無観客でお願いします」といつの間にか無観客を譲歩案にしてしまう。
「いーや、無観客でもやらない!」と強く言い張れる一般人がどれだけいるでしょうか。

私のように地方に住んで、スポーツと全く関連の無い一般人の周辺では、オリンピックの話題は全く出てきません。
今一番の関心事はワクチン接種で、早くこのコロナ禍から解放されたい、という切実な願いがあるだけです。

鹿児島で『パンケーキを毒見する』の上映は、9月11日(土)から、ガーデンズシネマであります。
オリンピックもパラリンピックも終わったあとなので、今とは別の地平から映画を鑑賞できるのではないでしょうか。

最近の他愛もない私事

読書と自動車免許更新とコロナのこと

小学5年生の時、学校の図書館で初めて漫画じゃない本に手を出し、読書の楽しさを知りました。

大人になって、数々のパート・バイトに応募する際、履歴書の趣味の欄には必ず「読書」と記入してきました。
面接で「好きな小説は?」と聞かれたらレイ・ブラッドベリの『火星年代記』と答えよう。ついでに一番号泣した本は三浦綾子の『塩狩峠』。一番笑った本は奥田英朗の『イン・ザ・プール』。初めて読んだ小説は江戸川乱歩の少年探偵シリーズ『地獄の道化師』。
と答える準備はできていたのだけど、残念ながらというか幸いにもというか、一度も聞かれたことはなく、「読書」は「無趣味」と同じ扱いなのだと知りました。

長い読書歴を持ち、数多の本を読んできた私ですが、このところ別の趣味が生活の優先順位上位になっているため、読書に費やす時間がめっきり減ってしまいました。
今年はまだ6冊しか読んでいなくて、とても「趣味は読書」と胸を張って言えない状況です。

パソコンに触れることができない環境で、ただ何かを待つだけの無為な時間があればなあ。集中して本を読めるのだけど。と思っていたら、この冬、それにぴったりの時間を提供してくれる、5年に1回のイベント、自動車免許更新の時期がやって来ました。
毎回、更新手続きには、交通安全教育センター入り口の外から手続き窓口まで長い行列ができ、30分くらいかけてじりじりと歩を進めるので、結構立ち読み読書に適しているのです。 

ところが今回の免許更新は、感染対策によって立ち読み時間は無くなりました。
センターに行くと、まずグループ分けした整理券を配られ、5,6分、自分の車の中で待機。
放送でグループ番号が呼び出され、椅子のある待機所に集められる。10分ほど椅子に座って待つ。
密にならないよう、スタッフがグループごとに手続き窓口まで誘導してくれる。
例年より時間がかからず、外で並ぶ冬の寒さもなく、椅子に座って待っていられる。とても高齢者に優しくスムーズなシステムになっていました。
なぜ今まで、ただただ立って並んで進む、という雑なシステムを続けていたのだろう?
免許更新手続きに関しては、新型コロナがなければ、楽な方に改善されることはなかっただろうと思うと、ちょっと複雑な気持ちでした。

どんなシステムも完璧なものはなく、いくらでも改善の余地があるものだと思います。
実際、コンピュータのOSなんて、常にアップデートを続けています。アップデートをしなければ、システムを続けていくことができないから。
だけどこの社会には、何十年もアップデートされないまま続けられている、不具合だらけのシステムって、まだまだたくさんありますねえ。昭和生まれ(あるいは昭和以前から)のシステムとかルールとか。
一度”まるごと一斉見直しキャンペーン”を張ってくれないかなあ、と思ったりします。

とはいえ、今の社会で決定権を持っている人たちって、まだまだ昭和のままでいることを望んでいる昭和の大人が多いのですよ。国会中継を聞きながら、そんなこと思ったりしています。

卵なしの親子丼とオリンピックのこと

先日久しぶりに親子丼を作ったところ、卵を入れ忘れてしまいました。
卵なしのため、「鶏肉と玉ねぎのスープ」となってしまったものをご飯にかけ、お箸で食べながら「親子丼ってこんなに食べにくいものだったかなあ」、と違和感を感じつつも完食しました。
なんとなくもやっとした不満が残ったものの、卵の入れ忘れに気づいたのは翌日になってからでした。

ついにアレかな、物忘れの激しいヤツが始まったのかな?と言われそうですが、いやいやたまたまです。その日は他のことで頭がいっぱいだったせいです。
それに親子丼に卵を入れ忘れたことは、私にとってはたいした問題じゃないのです。元々料理が苦手なのだから。
問題なのは、食べにくいと感じながらもスプーンを使わなかったことと、卵が入っていないのに親子丼だと思い込んででいたことです。
これは何だか、新型コロナ禍の中にあってもオリンピックを開催すると言っている今の政府の状況に似ているような気がする。

「オリンピックが開催されるとしたら、スーパー・スプレッダー・イベントになるだろう」と危惧する専門家の声もある中、政府や組織委は、「コロナに打ち勝つ、安心・安全なオリンピックを開催する」と、同じ文言をオウムのように繰り返しています。
オリンピックの開催と中止、どちらが政府にとって得か、どちらが9月の選挙10月の総選挙に有利か、おそらくそのことで頭がいっぱいなのかも。政府にとっては国民の命や生活よりもオリンピック開催の優先順位が高そうです。
そして、今のところ、無観客であっても開催した方が得だと思い込んでいるようです。観客の入らないオリンピックなんて、卵のない親子丼と同じなのに。

感染対策としてアスリートと一般人が接触しないように分断され、アスリートたちは厳しい行動制限を強いられる。その割にはアスリート以外の関係者たちの行動規制は緩くて、感染対策は穴だらけ。
参加できない国もあるし、参加を拒む国もある。こんな状況でオリンピックを開催する意義があるのかと疑問に思います。
昨年、政府はオリンピックを「完全な形で開催する」言っていましたが、今はもうオリンピックの形をしていないスポーツ競技大会を、「コロナに打ち勝った証としてのオリンピック」と言い張る人たち。嘘をついて招致したオリンピック。その後も嘘の上塗りを続ける政府や組織委の姿勢。私はしっかり見届けたいと思います。

とまあ、親子丼とオリンピックを無理やりこじつけてみましたが、、、、

日本人は新型コロナによる死者数が欧米やインドに比べると少ないとは言え、最近では一日に100人前後の人たちが亡くなってます。もし目の前で100人の人たちが亡くなるのを毎日見たら、ただ事ではないと大騒ぎになるはずですが、全国に数が散らばっているので、たいした死者数ではないとうやむやにされているような感じです。

ワクチンも行き渡っていない現状で、オリンピックが開催されれば、人の動きは全国に広がり、自粛生活も大義が見いだせず、なし崩しに崩れ、第5波と呼ばれる波は今まで以上のものになると思えて仕方がないのです。

「スポーツを通 して文化や国籍などの違いを越え、フェアプレイの精神を培い、平和でより良い世界を目指 す」というオリンピックの理念を考えると、別に4年に1回、一つの都市で世界大会をしなくたって、1年ごとでも、競技別でも、複数の都市でも、それなりの大会を開いて、世界平和を目指してもいいのでは?と思います。

「新型コロナ関連の情報提供:NHK」

パンくずリストをプラグイン無しで作る

今回はプラグイン無しでパンくずリストを作ったので、備忘録としてメモしておきます。

作成にあたって、とても分かり易い解説がされている下記サイトを参照いたしました。(感謝!)

WordPress】パンくずリストをプラグイン無しで自作する方法

オリジナルゲーム.com【WordPress】パンくずリストをプラグイン無しで自作する方法」参照

作成手順は、

  1. 作業前に変更するファイルのコピーを取っておく(※これ、大事です)
  2. functions.phpにコードを追記する
  3. パンくずを表示させたいファイルにコードを追記する
  4. style.cssでスタイルを整える
  5. category.phpとtag.phpの二重表記を修正(必要があれば)

2.functions.phpに追記したコード

「【WordPress】パンくずリストをプラグイン無しで自作する方法」に掲載されている完成版を、まるっきりコピーして使用させていただきました。

// ===========================
// = パンくず =
// ===========================
function mytheme_breadcrumb() {
    	//HOME>と表示
    	$sep = '>';
    	echo '<li><a href="'.get_bloginfo('url').'" >HOME</a></li>';
    	echo $sep;
     
    	//投稿記事ページとカテゴリーページでの、カテゴリーの階層を表示
    	$cats = '';
    	$cat_id = '';
    	if ( is_single() ) {
    		$cats = get_the_category();
    		if( isset($cats[0]->term_id) ) $cat_id = $cats[0]->term_id;
    	}
    	else if ( is_category() ) {
    		$cats = get_queried_object();
    		$cat_id = $cats->parent;
    	}
    	$cat_list = array();
    	while ($cat_id != 0){
    		$cat = get_category( $cat_id );
    		$cat_link = get_category_link( $cat_id );
    		array_unshift( $cat_list, '<a href="'.$cat_link.'">'.$cat->name.'</a>' );
    		$cat_id = $cat->parent;
    	}
    	foreach($cat_list as $value){
    		echo '<li>'.$value.'</li>';
    		echo $sep;
    	}
     
    	//現在のページ名を表示
    	if ( is_singular() ) {
    		if ( is_attachment() ) {
    			previous_post_link( '<li>%link</li>' );
    			echo $sep;
    		}
    		the_title( '<li>', '</li>' );
    	}
    	else if( is_archive() ) the_archive_title( '<li>', '</li>' );
    	else if( is_search() ) echo '<li>検索 : '.get_search_query().'</li>';
    	else if( is_404() ) echo '<li>ページが見つかりません</li>';
    }

3.パンくずリストを表示させたいファイルに追記するコード

<div class="mytheme_breadcrumb">
    <?php mytheme_breadcrumb(); ?>
       </div>

パンくずリストを表示させたいファイル
  ・single.php
  ・category.php
  ・tag.php

コードを追記する位置は各ファイルの<div id=”content” role=”main”>の下になります。<div>のクラス名は任意。

4.style.cssでスタイルを整える(一例:2021/03/27修正しました)

/* パンくず */
.mytheme_breadcrumb li {
    font-size: 90%;
    display: inline-block;   
}

5.category.phpとtag.phpの二重表記を修正

私が使っているテンプレートでは、カテゴリーとタグページに元々パンくずが表示されていたので、二重表記になってしまいました。スタイルを統一するために
category.phpとtag.phpのコードを一部削除しました。

category.phpで削除したところ

<h1 class="archive-title"><?php printf( __( 'Category Archives: %s', 'twentytwelve' ), '<span>' . single_cat_title( '', false ) . '</span>' ); ?></h1>

tag.phpで削除したところ

<h1 class="archive-title"><?php printf( __( 'Tag Archives: %s', 'twentytwelve' ), '<span>' . single_tag_title( '', false ) . '</span>' ); ?></h1>

新しいPCについて(その2)AdobeCCを購入する前に知っておくこと

Adobe Creative Cloudのプランを検討する

「新しいPCについて(その1)Google Chromeが削除できない!を解決!」にも書きましたが、先月から新しいPCを使い始めました。

新しく購入したPCはWindows 10なので、手持ちのIllustrator CS5とPhotoshop CS5のパッケージ版をインストールすることができなくなり、Illustratorを使いたければAdobe Creative Cloud(略してCC)のサブスクを利用しなければならない状況になりました。

https://www.adobe.com/jp/creativecloud.html?promoid=ZP46FD38&mv=other

20221年2月現在、Adobe CCのサイトでプランを検討したところ、すべてのアプリを完備したコンプリートプランは年間プランの月々払いー6,248円/月(税込)。
学生・教職員であれば、65%以上OFFー2,178 円/月(税込)。

残念ながら私は学生でも教職員でもないし、月々6,248円出せるほど太っ腹でもないので、欲しいアプリだけの単体プランを検討してみたところ、

Illustrator – 単体プラン 年間プランの月々払いー 2,728 円/月(税込)
Photoshop – 単体プラン 年間プランの月々払いー 2,728 円/月(税込)
Dreamweaver – 単体プラン 年間プランの月々払いー 2,728 円/月(税込)

単体で3つアプリ選ぶと年間プランの月々払いー8,184円/月(税込)。
コンプリートプランより高くなります。

仕方ない。この際Dreamweaverは代替のフリーソフトを探すことにして、IllustratorとPhotoshopの2つだけを購入すると、年間プランの月々払いー5,456円/月(税込)。これでもまだ高い。

何とかならないかとネット検索して見つけたのが下記の記事。

Photoshop、Illustratorのみを利用する最安のお得なおすすめプランは?[Adobe Creative Cloud]

上記の記事でお勧めしているのが、Photoshop – 単体プランでなくフォトプランという選択です。

フォトプラン 年間プランのみの月々払い — 1,078 円/月(税込)

フォトプランにもPhotoshopが入っていますが、単体での扱いでないことや料金の安さから、フルスペックのPhotoshopではないだろうと思い込み、うかつにもスルーしていました。単体プランより安いなんて驚きです。

ただ、フォトプランは年間プランのみしか扱ってないので1年間使うかどうか分からないという人は二の足を踏むところです。
Photoshop、Illustratorのみを利用する最安のお得なおすすめプランは?[Adobe Creative Cloud]では、解約した場合についても詳細に検討されているので、「AdbeCCを購入する前に知っておくこと」の一つだと思いました。

ちなみにAdobe CCの解約については、下記のように定められています。

注意 : 14 日以内にプランを解約した場合は、料金の返金を全額受け取ることができます。年間プラン月々払いの場合、それ以降は残りの契約期間で発生する料金の 50%が請求されます。

【ご購入・ご利用ガイド】プランの変更と解約方法

選んだプラン

検討の結果、選んだプランは下記の二つです。

  • Illustrator – 単体プラン 年間プランの月々払いー 2,728 円/月(税込)
  • フォトプラン 年間プランの月々払い — 1,078 円/月(税込)

インストールされたアプリは以下の10個。

  1. Photoshop
  2. Illustrator
  3. Adobe XD
  4. Lightroom
  5. Premiere Rush
  6. Fresco
  7. Bridge
  8. Lightroom Classic
  9. Aero
  10. Camera Raw

月々の支払いは通常なら3,806円(税込)となりますが、初売りキャンペーン中であったため、初年度の支払いは、Illustrator – 単体プランが32%オフの1,848円となりました。フォトプランは割引なしです。

Adobe CCのキャンペーンについて

Adobe CCの購入にはキャンペーンを利用することが望ましいと思いますが、キャンペーンがいつあるかは分からないそうです。

驚いたことにAdobe CCの割引セールは、Adobeの公式サイト以外に「AmazonのAdobeセール」や「Adobe提携スクールの割引キャンペーン」などがあり、そちらの方が割引率が高かったりするらしい。
下記の記事も「AdbeCCを購入する前に知っておくこと」を教えてくれます。

【2021最新】Adobe CC 割引セールの時期はいつ?価格は?

※Adobeの公式サイトのキャンペーンについては、1回限りしか利用できません。

140秒映画『viewers:1』のSF感。どうやって作ったの?

140秒のショートフィルム『viewers:1』がSNS上で話題になっています。

まだ観てないという方、まあ、ご覧ください。

この作品は、GEMSTONEクリエイターズオーディション第6回グランプリ作品だそうです。
第6回の募集テーマは140秒以内の「リモートフィルム」作品であること。

【リモートフィルム】の定義
リモートで企画され、リモートで撮影され、リモートで視聴する、すべての過程がリモートで作られたあらゆる映像作品群。リモート演劇、リモート映画、リモートコント、リモートMV、リモートアニメなど、すべてのリモート作品の総称。

第六回テーマ:「リモートフィルムコンテスト」参照

リモートで作るというと、部屋に閉じこもって独りパソコンカタカタとか、Zoomでミーティングとかいう感じですが、この作品はオールロケに映像加工をプラスしたもの。
ドキュメンタリータッチなので、観ている人は皆思うはずです。

ここはどこ?

ここはどこなんでしょう?
そしてあの巨大ロボットたち!どうやって作ったの?

その謎を明かしてくれている動画がありましたので、こちらもご覧ください。
意外な制作過程にも、出演俳優さんの素顔にも驚かされますよ。

https://www.youtube.com/watch?v=TtBbmtIDS8A

新しいPCについて(その1)Google Chromeが削除できない!を解決!

10数年愛用してきたPCが不調になり、illustratorにも不具合が出てきたので、昨年末修理に持っていきました。
OSがWindows7のままで劣化しているパーツを全て交換したところで、もう長く快適には使えそうもないという判断で、ついに継続使用を諦め、Windows10のOSでショップブランドPCを作ってもらうことにしました。

大晦日に新しいパソコンが出来上がり、年明けからは暇さえあればPCを自分環境にするために、あれやこれやソフトを入れたり試してみたり削除したりを楽しんでいます。
なので、Adobe Creative Cloudのことや使ってみたソフトのこと、経験したエラーのことなど、今後折々備忘録として書いていきたと思っています。
今日はGoogle Chromeの不快な事象についてメモしておきます。

PCを起動するとGoogle Chromeのログイン画面が勝手に立ち上がる

一昨日からPCを起動すると勝手にGoogle Chromeのログイン画面が立ち上がるようになりました。
Mozilla Firefoxを規定ブラウザに設定しているにも関わらず、しかもGoogleには既にログイン済みなのにも関わらずに、です。

一時的な現象かなと思っていたら、翌日もPCを起動すると勝手にGoogle Chromeが立ち上がるので、Chromeを削除して再インストールした方がいいだろうと考えたのですが、、、

ところが、これが簡単には削除できないのです。
通常であれば、PCのコントロールパネル「プログラム」を開いて、ここでアンインストールするだけで簡単にできるはず。

しかしアンインストールをクリックすると、以下のような警告ダイアログが出ます。

すべてのGoogle Chromeウィンドウを閉じてからもう一度お試しください。

え?クローム開いてないんだけど。

強力なデータクリーナーソフトで削除するという手もありますが、できるだけ穏健な方法で対処したい。
というわけで、ググっていくと答えを提供してくれているブログがありました。

Google Chromeがアンインストールできない方への解決方法【5秒で解決】

タスクマネージャーを立ち上げて、「プロセス」を見ると、クローム関連のファイルが10個くらいありました。全部終了させてから、Chromeをアンインストールすると通常通りに削除できました。
こんなに簡単なことだったんですねえ。

Google Chromeを再インストールして、設定を見直す。

下記記事を参考にGoogleChromeを設定しました。

ChromeがPC起動時”なぜか起動する”2つの原因

(1)Windows10の設定画面で「アプリ」を開いてGoogle Chromeをオフにする。

再インストール後にアプリのスタートアップ画面を確認したところ、今回はGoogle Chromeがスタートアップアプリに含まれていませんでした。

(2)Chromeの設定で「Google Chromeを閉じた際にバックグラウンド アプリの処理を続行する」をOFFにする

この設定画面は、うっかりすると見過ごしそうな場所にあるのが、ちょっとイラっとします。

設定画面の「詳細設定」を三角ボタンで展開して「システム」をクリックする。

PCをシャットダウンしてから起動させてみました。今度はGoogle Chromeが勝手に立ち上がることなく、すっきりした気分!

もっとも、Google Chromeを規定のブラウザにしていて、PCも一人で使っていて、勝手に起動してくれるのは逆にありがたい、という方にとっては設定する必要もない役に立たない話ですが。

「罪の轍/奥田英朗」20世紀と21世紀の東京オリンピックを比べてみる

罪の轍

著者:奥田英朗
発行:2019年/新潮社


奥田英朗のシリアスな犯罪小説。587ページの分厚い本です。

時は昭和38年、西暦で言うと1963年。アジア初となる東京オリンピックを翌年に控えている日本。
20世紀の東京オリンピック前年は、新幹線や高速道路や競技場などの建設ラッシュで、オリンピック景気に沸いている高度成長期真っただ中でした。
まだ60年安保闘争の熱も残る、そんな時代背景を緻密に描いているのが本書「罪の轍」です。

そして「罪の轍」が発行された2019年夏は、21世紀の東京オリンピックを翌年に控えた年でした。
20世紀と21世紀の、オリンピック前年の空気を比べてみると、今世紀のオリンピックは前世紀ほどの盛り上がりはないようです。

振り返れば、オリンピック開催都市を決める際の最終プレゼンテーションで、安倍首相が「福島はアンダーコントロールされている」と、ギョッとするような嘘をつき勝ち取った東京オリンピックです。

嘘で始まり、開催が決まったあとも、なにかとごたごた続き。
新国立競技場の建設費が膨らみに膨らみ、一度決まっていたデザイン案が白紙撤回される。
公募で選ばれたエンブレムデザインは盗作疑惑が浮上し、こちらも白紙撤回の上再公募。
オリンピック招致をめぐる贈賄疑惑。
開催の前年になって、マラソンと競歩の競技会場を札幌に変更。
「東京・札幌オリンピック」と呼んでもいい状況になったけど、誰もそうは呼ばない。
東京都知事と政府のバトル。
ごたごたによって暴露される利権の絡みは数知れず。

2020年。「復興五輪」という偽りの冠を被せたオリンピックイヤーが始まりましたが、まさかのパンデミック襲来。
東京オリンピックは1年延期されて、なんと今年2021年もオリンピックイヤーとなりました。
さあ!オリンピックだ!頑張っていこう!という祝賀ムードなどいっさいない。
あるわけない。
「お・も・て・な・し」など、できない状況なんだから。
それどころじゃないんだから。

しかし2021年1月24日現在、オリンピックは中止が決定しているわけではなく、どんな形で開催されるかも決まっていない。アスリートの方たちにとっては生殺し状態が続いています。
最初は、「東日本大震災の被災地を元気づける復興五輪」と位置付けていたものが、いつの間にか「コロナに打ち勝つ証としてのオリンピック開催を目指す」とコンセプトさえも書き換えられていますが、今日現在コロナに打ち勝っていないので、夏には間に合わないのではないでしょうか。

さて、話を本書「罪の轍」に戻しますと、この長い物語は3人の登場人物の視点で語られます。

・空き巣狙いの常習犯、宇野寛治(20歳)。
・警視庁刑事部捜査一課5係の刑事、落合昌夫:通称オチ(29歳)
・山谷で旅館を営む、朝鮮から帰化した一家の娘、町井ミキ子(22歳)

宇野寛治は、北海道のニシン漁が廃れ、かつての繁栄の面影もない礼文島から、空き巣を繰り返しながら命からがら東京へと逃げてきた若者。
落合昌夫は、警視庁捜査一課5係の正義感に燃える若手刑事。
この5係には癖のある刑事が7人います。
昭和の人気ドラマ「7人の刑事」を彷彿とさせる、刑事たちの執念の捜査。
それから、町井ミキ子を通して山谷という、オリンピックインフラの建設を支えた労働者たちの姿を書き、これぞ”昭和”というリアリティある犯罪小説となっています。

シリアスな犯罪小説とは言え、何といっても著者は奥田英朗です。そこかしこに小さな笑いを差し挟んできます。
奥田英朗は、笑いのない物語は書けない作家なのです。

「僕の人生には事件が起きない/岩井勇気」幸せというハンデ

「僕の人生には事件が起きない」

著者:岩井勇気
発行:2019年/新潮社


昨年の小晦日には米粒写経・サンキュータツオさんの「もっとヘンな論文」で締めくくりましたが、2021年の始まりもお笑い芸人繋がりで、ハライチ・岩井勇気さんの「僕の人生には事件が起きない」を紹介したいと思います。

岩井勇気さんといえば、ハライチの澤部”じゃない方”という認知のされかたで、腐れ芸人とも呼ばれる。漫才については、正直言って印象に残っていないのだけど、「マジ歌選手権」では、かなり毒のある替え歌が面白い人。というのが私の持っている知識の全てです。

本書を読むと岩井勇気さんは、

  • 都会でも田舎でもない埼玉出身。
  • 実家は多少貧しい時期もあったけど、自慢できるほどの貧乏はない。
  • 中高生時代、いじめられたこともなければ特にクラスの人気者でもなかった。
  • 芸人になって3年程度でテレビに呼ばれるようになり、下積みの苦労がない。
  • 30歳になるまで実家住まいで、家族仲もよい。
  • 実家を出て一人暮しを始めて現在に至るまで特に苦労はなく、アニメやアート鑑賞や音楽や料理など趣味を楽しんでいる。

一般人であれば、いい家族の元に育ち苦労なく社会生活を送り好きなこともできて幸せな人生と言えるけど、芸人としては面白い話や波乱万丈の苦労話もなく、バラエティ番組などにおいて語るべきエピソードがない。
不幸要素がないことは芸人にとってハンデとなる場合もあるようです。

しかし、岩井勇気さんは何もない人生に事件が起こることを望むわけでなく、話を盛ることもない。「普通に生活している日常を面白がる」という才能を開花させ、今では「ハライチの”じゃない方”が面白い」と評価されるまでになっています。

そういうわけで、本書「僕の人生には事件が起きない」は、ほんとに何でもない日常のささいなことを書き連ねているエッセイです。
いやいやホントにどーでもいい話ばかりなのですが、それが、ちょっとだけ面白い。
「ルイ・ヴィトンの7階にいる白いペンギンを見張る人」とか、「通販の段ボールを切り刻んで感じた後味の悪さ」とか、私は好きなエピソードでした。





「もっとヘンな論文/サンキュータツオ」私の憧れ-研究の世界!

中学生のころ、私は研究者という仕事に憧れていました。
大学に行って研究室に入り、誰も取り組まないようなニッチな研究対象をみつけ、生涯をかけ成果を出すこともなく死んでゆく、そんな無名の研究者になりたい。と夢見たことがありました。なんかロマンチックな憧れ。子供らしい!

けど、今思うと本当のところは、研究所を自分の部屋代わりにして引きこもっていたいだけなのかも。まあ、変種のニートライフ願望ですね。
〝成果を出すこともなく”というところに、研究に打ち込む本気度が感じられない、〝社会人になりたくないんだ”という本音が見えます。

そんな過去の記憶が、この『もっとヘンな論文』というタイトルに共鳴し、読んでみることにしました。
そう、“ヘンな論文”とは、世の中の人が研究しようと考えたことがないだろうと思われるニッチな事象に、人生のある時間を費やした人々の成果を、形に残したものです。

本書で紹介されている主要な論文は以下の10本

  1. 「プロ野球選手と結婚するための方法論に関する研究」
  2. 「『追いかけてくるもの』研究 -諸相と変容ー」
  3. 「縄文時代におけるクリ果実の大きさの変化」
  4. 「竹取の翁の年齢について」
  5. 「『起き上がるカブトムシ』の観察 -環境-行為系の創発」
  6. 「曖昧さが残る場所ー競艇場のエスノグラフィー」
  7. 「『過去生の記憶』を持つ子供について -日本人児童の事例ー」
  8. 「マンガの社会学:鍼灸・柔道整復の社会認知」
  9. 「花札の図像学的考察」
  10. 「『坊っちゃん』と瀬戸内航路」

番外編として

  1. 「男女の下着の嗜好性と印象の評価」
  2. 「デート中の性行動の期待と正当性についての男女の認知差ーデートの誘いとデート内容が及ぼす影響ー」
  3. 「青年期における恋愛と性行動に関する研究 デート状況と性行動の正当性認知との関係」
  4. 「片手袋研究」
  5. 「メロスの全力を検証」

以上の論文について著者のサンキュータツオさんが、芸人みたいなツッコミを交えて愛ある解説をされているので、楽しく読める本となっています。

サンキュータツオさんは、「研究は、なにも大学院に進学し、修士論文や博士論文を書いてどこかの組織に所属しなければできない、というものではない。
誰でも研究者になれる」と書いていて、私の子供時分の夢にも厳しくツッコミを入れられた気がしました。
検索してみると、実際に芸人さんで、漫才コンビ「米粒写経」のツッコミの方ということ。私が知らなかっただけで有名な方なのかもしれませんが。
YouTubeに公式チャンネルがあります。映画や書籍などについてのマニアックなトークが面白くて、さっそくチャンネル登録しました。

本書『もっとヘンな論文』の中で、よくぞ研究してくれました!と個人的に感動した論文があります。
2013年度に発表された「メロスの全力を検証」です。
これはメロスが妹の結婚式に出席して帰ってくるまでの3日間を、距離や行動、かかった時間などをまとめ、文学を数学的に検証した論文です。
そして検証の結果、メロスはほぼ歩いている!!

『走れメロス』は、たぶん中学の国語の教科書で読んだと思いますが、あの物語のどこが良くて教科書に載せられているんだろうと、ずっと疑問に思っていました。
メロスは自分の欲望のために親友を犠牲にする身勝手な奴だし、人間不信から国民を処刑しまくるサイコパスな暴君が二人の友情に「感動した!」とかで、あっさり改心するって話ですよ。中学生でもすんなりとは呑み込めない無理筋なストーリーだと思うのですが。
なのに私が受けた授業では、単に美しい友情物語として語られたような覚えがあります。
中学・高校の国語教科教員免許を持っている、サンキュータツオさんによると、「『走れメロス』は国語科でも教え方が複数存在する単元として有名」だそうです。「果たして友情に厚いだけの男なのかどうか」ということを考えてもらいたいとする先生もいるらしい。
先生から「君たちはどう思う?」という問いかけがあり、生徒同士でディベートするような授業だったら、『走れメロス』は中学生に人間について、いろんなものの見方を考えさせる、いい教材なのかもしれません。
この「メロスの全力を検証」を書いたのも、中学二年生です。
きっと私同様メロスに何かしら疑惑を感じていたに違いありません。

ウィキペディアによると、『走れメロス』の中に書かれている「距離については文学的言い回しに過ぎず、実際に計算することは不可能」という説もあるようです。私としては「メロス徒歩説」に納得しているのですが、本当に計算が不可能な話なら、メロスにとっては風評被害となる論文でしょうか。それだとちょっと残念です。

まあでも、何はともあれ、疑問を持ったら研究してみる。研究したら検証結果を論文という形にする。論文を書いたら世の中に発信する。それが研究者の使命です。
「成果を出さなくてもいいなんて、研究をなめんなよ」と、中学生のころの自分を叱りたくなった一冊でした。

ロックの名盤ランキングに興奮しました

ローリングストーン誌が発表した「2020年版最も偉大なアルバム500」の、1位から100位までを紹介している動画を見つけました。
解説が楽しい動画です。

懐かしい~、持ってたわ、そのアルバム、レコードで。
あぁ、それ!!今も聴いてる!CDで。
私の好きなのがたくさんはいってるじゃん!って興奮しながら動画を観ていたのだけど、、、
しかし冷静に考えれば、好きなのがランクインしているのは当然のこと。
音楽関係者でもない、マニアでもない、ただのロック好きが聴くようなアルバムは、そもそも名盤だから世界的に流通しているわけで。
日本の地方の町にいても聴くことができる、私は、そういう名盤しか知らないわけですね。

100位までなんかじゃなく、500位まで全部もっと知りたい、と思ったら下記ローリングストーンジャパンで見れます。(※会員登録が必要です。)

ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選 | 2020年改訂版

ここではジャケット全ての画像も見れるし、アルバムの視聴もできますね。
かなりの時間さえかければ、もっともっと好きな曲に出会えそうです。

「Google keep」にストックしたメモ

何か気になる記事や言葉を見つけた時、とりあえず「Google keep」にメモを取ったりします。
それは後でブログを書くときに役に立つはず、と思っているのですが、なかなかブログ化できないまま溜まっていく一方です。

今日はそのうちのいくつかを、メモのまま載せてしまいます。


「知ってるか、三人に一人は被害妄想を患っているって?」
「そんなに少ないのか?」
「あとの二人はその一人を監視してる」

    『わたしを探して』p28から抜粋

    


バナナは冷蔵庫で保存すると皮は黒くなるが、剥くと白いまま美味しいらしい。


西暦和暦簡単変換

・《新元号と平成》平成から「30」を引いた数字が新元号
・《西暦と平成の計算方法》平成の年数から「12」を引いた数字が、西暦の  下2桁の数字になります。
・《西暦と昭和の変換》昭和の年数に「25」を足した数字が、西暦の下2桁  の数字になります。


人間とは、徒労の情熱である
選択の余地はなく、ただ徒労な生存期間をつづけ、それを自覚することしかない(サルトル)

いかに生きるべきかに関心を抱く人間は、それだけで、おのずから「アウトサイダー」なのだ                (p117)

根本的に言って、ロレンスは人間に興味を感じていなかった          (p136)

たいがいの人は、肉体よりもはるかに早く魂が老けるからだ。人類は、労役から遂になんの儲けも得なかった。        (p141)

どこまでも愚かしさをつきつめてゆけば、馬鹿でも賢くなる  (p267 ブレイクの言葉)

「アウトサイダー(上・下)コリン・ウィルソン」から抜粋



ブラックに働ける人間は学校・部活が育てる!? 「耐えるのが美徳」「まるで奴隷根性」とさまざまな反応集まる


どこかで拾ったセリフ

・「盆踊り文化」の対語は「カップル文化」
・2,3日遅刻するかも
・恋のアップグレード、つまり乗り換えだ(TVドラマから)
・低空飛行しとけば落ちても痛くないわ、みたいな。(cakesから)
・マネキンさえ着こなせない服だわ(ZARAの前で)


『未必のマクベス』
この本、当たりかな?外れか?
と値踏みしているうちに、どんどん惹き込まれていった。
最初は、気取ったビジネスマン物語ぽくて、参加していくことにちょっと手間取ったけど。

ずっと忘れることができなかった人を探す、ラブストーリー。
意外と面白い。

でも、大企業に入社すると、人殺しまでしなくちゃならなくなるのか!?普通の営業マンが?
と疑問は残る。



「人間関係のリセット癖が直らない」と悩む女性 その理由に共感の声が相次ぐ


「嘘つきは、戦争の始まり」宝島社が出した新聞広告に注目集まる「嘘に慣れるな、嘘を止めろ。今年、嘘をやっつけろ」

「我らが少女A / 高村薫」と現代アートのこと

「我らが少女A」高村薫 発売日 : 2019/7/20 出版社 : 毎日新聞出版

「我らが少女A」高村薫
発売日 : 2019/7/20 
出版社 : 毎日新聞出版

高村薫のデビュー作は、1990年第3回日本推理サスペンス大賞を受賞した『黄金を抱いて翔べ』。銀行の地下深くに眠る金塊強奪を企てる男たちの物語です。
その作品を読んだとき、緻密な犯罪計画に圧倒され、そして物語のディティールの肌理細やかな描写に圧倒されました。
微に入り細に入り時間を掛けた入念な犯罪計画があり、登場人物の心情にも多くのページを割いているので、読み進めてもなかなか銀行襲撃の瞬間は訪れず、いったいいつになったら計画は決行されるんだ!?と焦れながら読んだ覚えがあります。
結末はもう覚えていません。銀行襲撃は成功したんだっけ?いや、そんなことはどっちでもいい。本を読んでいる間、一緒に銀行襲撃を目論んでいる時間がスリリングでした。

その1冊で高村薫という作家に嵌り、『マークスの山』や『レディ・ジョーカー』などの合田雄一郎刑事シリーズを読み、合田雄一郎刑事のキャラクターにも大いに魅了されました。

本書『我らが少女A』は合田雄一郎刑事シリーズ、『冷血』以来7年ぶりの新作です。
なんと合田雄一郎は57歳という年齢になっていました。
私が好きな『レディ・ジョーカー』のころは30代半ばだったはず。いつの間にこんなに年を取ったの?と小さくショックを受けましたが、合田雄一郎はきっちり現実の時間の流れに生きている刑事なのです。『レディ・ジョーカー』の後に出た『太陽を曳く馬』を読んでいないせいで、私は40代の彼の活躍を知らないのでした。

2017年で57歳ということは、今年は還暦でしょうか?
もし、国家公務員の定年延長法案法が可決されたとしても、彼には定年延長はないようですね。

さて、本書『我らが少女A』のストーリーはというとーーー
2005年クリスマスの早朝、元中学校美術教師が殺害された。
事件は未解決のまま12年が経った2017年の早春、風俗店アルバイト女性が、同棲している男から殺された。
その女性こそ、12年前の未解決事件の周辺にいた、当時中学生の上田朱美だった。
そして彼女が12年前の事件に関与していたのではないかという疑いが浮上し、未解決事件が再捜査されることになる。
上田朱美と接点のあった者たちの記憶を通して、2005年当時の東京が再現されていく。
ポップなヒット曲をBGMに、電飾に彩られたゲーセン、援助交際、ストーカーなど、思春期の少年少女たちの危うい日常と、街の風景が描きだされる。
27,8歳となった登場人物たちの現在と、15,6歳の彼らの姿が交錯する。
亡くなった上田朱美だけが何一つ語ることなく、「#少女A」として、ネット上で拡散していく。

我らが少女Aは、
「ひとつの事件が起こす、周囲の関係者へのさざ波、様々な反応の連鎖を書きたかった」
と、作者自身が「P+D MAGAZINE」のインタビューで語っているように、事件によってあぶりだされる被害者家族やその周辺の者たちの心情、家庭の問題が丁寧に書かれていて、そこに読み応えがあります。

ここからは余談ですが、本書の中盤あたりに現代美術家:会田誠のフアンだという男(電通マン)が登場します。
私は「会田誠」の作品のあれやこれやを思い出し、しばらくの間、本書のストーリーから外れて「現代アート」について考えていました。

性差別的な美術作品について思うこと

「会田誠」の名をネット検索に掛けると、四肢を切断された美少女が鎖を付けられて微笑む「犬」シリーズ、大量の裸の少女たちをミキサーに詰め込んでジュースにする「ジューサーミキサー」、少女が食べ物として描かれる「食用人造少女・美味ちゃん」シリーズ、少女が盆栽となって剪定される立体作品、キングギドラに美少女がレイプされる「巨大フジ隊員vsキングギドラ」、人間サイズのゴキブリとAV女優との性行為写真作品、などのエログロ画像が現れます。
こういう作品が現代アートとしてネットに流布し、公共の美術館でも展示されたりしています。

どんなに過激な作品であろうと実在しない少女を描いて個人的な妄想を表現したものであり、特定の誰かを中傷しているわけではないから、日本では「表現の自由」の範疇にある作品だと思う。
「表現の自由」は侵害されてはならない。規制されてもいけない。それは一国民として私も強く思っています。

でも、先に挙げたような作品は、女性の尊厳を踏みにじる、加虐的で侮蔑的な性暴力描写に見えて、私は不快に感じます。
それらは高い画力があり、一見、美しい日本画のような表層をしている作品もあって、芸術だと言われる。でも描かれている内容は児童虐待ポルノであり、サディスティックな性差別表現であり、日本に古くからある女性蔑視の文化を継承している時代錯誤な価値観の作品だと思います。

少女が凌辱されている性犯罪場面の描写を、女性蔑視的な、時代錯誤な価値観の作品を・・・常識にとらわれない独自の視点だ、タブーへの挑戦だ、現代アートだ、天才だ、と称賛する人たちの感覚が、私はどうにも理解できなくてモヤモヤします。

疑問に思うところを列挙してみると、

  • 女性の尊厳を踏みにじる作品を敢えて世に出すことが、タブーへの挑戦だということなのだろうか?
    女性の尊厳を踏みにじることは、人間の尊厳を踏みにじることと同じだとは考えないのだろうか?
  • 「犬」などの作品に対して、侮蔑的な性暴力と感じることの方が、過剰反応なのだろうか?
  • 会田誠の作品は全てがエログロだけではないのだから、他の社会批判性のある(ように見える)作品などと合わせて、”総合的俯瞰的観点から”会田誠の作品であればエログロ作品もひとまとめに肯定されているのだろうか?
  • 「食用人造少女・美味ちゃん」シリーズなど一連の作品は、男性の変態的妄想で描いた児童虐待ポルノ画に見えるのだけど、実は何かしらのテーマがあって、それを表現するために児童虐待的な描写が必要だったのか?
    その隠れたテーマを私が読み取れなかっただけなのだろうか?
  • 作品から女性蔑視などの差別表現を無くしたら、「表現の自由」は委縮してしまうものなのだろうか?
  • 政治的批判を含んだアート作品は「表現の自由」を侵害されやすいのに、政治性を含まない女性蔑視表現はなぜこうも肯定され野放しになるのだろうか?
  • 「現代アート」という分野は、女性蔑視以外の差別表現も容認しているのか?

まだまだ疑問がありますが、モヤモヤが膨らむばかりなので、今夜はこの辺でやめておきます。
「現代アート」は、作家側と、観るだけの一般人である側の私とでは、人権意識に相入れないところがあるのだなと思うしかない?

ギャラリー「銅版画」のサイト名とデザインを変更しました

当サイトでご紹介している通畠朋子さんの作品サイト名を「銅版画 TOMOKO・T・TORIBATTA」から「画 家 TOMOKO・T・TORIBATTA」に変更いたしました。

最近の通畠朋子さんは、銅版画以外の絵画制作にシフトしておられるので、「銅版画家」というご紹介がしっくりこなくなっていました。

ご本人にお聞きしたところ、最近は、ガラスペンを使った線描画を描くことが多いそうですが、画材や技法は特に決めているわけでなく、今後も変化していくかもしれません。そこでサイト名はシンプルに「画 家 TOMOKO・T・TORIBATTA」としました。

なお、サイトのデザインも変更しました。ぜひ、ご覧ください。

WordPressの「Fukasawa」というテーマを使用しています。
絵画に合うきれいなテーマだと思います。(無料なのに!)

イラスト素材ブログ「アトコンのMe-time」を始めました。

昨年2月から、フリー素材投稿サイト「イラストAC」に素材投稿を始めました。
以前はフリー素材サイトからダウンロードして、チラシやバナーを作る素材利用者側だったのですが、adobe Illustratorにはまって、自分でも素材を作りたくなってきました。

16ケ月経った現在、投稿数 150点。
ダウンロード数は、国内と海外を合わせて合計 5,130 DL 。

投稿数もダウンロード数も、まだまだ少ないです。
とてもブログで友人に紹介できるものではなく、作成した素材も「見て見て!!」と自信を持って披露できるものでもなく、こっそりと匿名で投稿を続け、そのうち素敵な素材が描けるようになり、DLも劇的に増え、いつかは堂々とポートフォリオサイトを作るのだ、と心に決めていたのですが、、、、

今月、イラストACサイトから「イラストAC以外のWebサイトに作品をアップしていると、著作者確認が取れて作品審査がスムーズに行えます」といった旨の案内があったので、思い切って作品サイトを作ることにしました。

そのうち素敵な素材が描けるようになり、DLも劇的に増え、、、、なんて夢みたいなこと言ってないで、その時その時のありのままをさらけ出すことが、もしかしたら上達の道になるかもしれません。

というわけで、これからは作成素材を「アトコンのMe-time」にアップしてから、イラストACに投稿することにします。
時々でも、どなたか見てくだされば嬉しいです。

XamppのPHPだけバージョンアップするつもりが、XamppもWordPressもインストールする事になった

初めはPHPだけバージョンアップするつもりだった

2020年5月現在、PHPのバージョンは7.4となっています。
PHPは7系になって数年経っているらしいですが、私がローカルで使用しているXAMPP(ザンプ)のPHPは5.6.19。
PHPが古過ぎるためにWordPress 5.4.1をバージョンアップすることができなくなり、他にも作動しないプラグインが増えてきました。

PHPのバージョンアップは、レンタルサーバーだとボタンをワンクリックするだけでできたりするのですが、ローカルサーバーのXAMPPは自力でバージョンアップ作業をしなければならないわけで、、、、、7年間見直すこともせず放っておいたけれど、WordPress を更新できないのは困るので、PHPを最新版にバージョンアップすることにしました。

PHPバージョンアップに際して参考にさせていただいたサイト

上記サイト等を参考に、最新版PHP7.4をインストールしました。あれこれ設定して、最後にXAMPPコントロールパネルのApacheを開いて、PHPが最新バージョンになっていることを確認しました。

PHPをバージョンアップしたらWordPressが表示されなくなった

なんだ意外と簡単~と喜んだのも束の間、ローカルのWordPressサイトにアクセスするとページが表示されないという致命的エラーが!
データベースを使ってないサイトは正常に表示されるので、問題はデータベースとの関係か?エラー構文を手掛かりにひたすら検索を繰り返しました。

検索の結果参考にさせていただいたサイト

上記サイトを読んで、私もPHPのみのバージョンアップは諦め、XAMPPの最新版をインストールしなおすことにしました。

XAMPPの最新版をインストールする

XAMPPのバージョンアップは実に7年振り。
前回、XAMPPのインストールって面倒!と実感したため、OSをWindows10にバージョンアップするまでは放っておこうと思っていたのですが、今回なりゆきでXAMPPインストール作業を始めることになりました。
結果的に言えばXAMPPのインストールは以前より簡単になっている印象です。
もちろんGoogleの参考サイトが無ければ自力ではできないわけで、多くのGoogle先生に感謝するばかりです。

XAMPPの最新バージョンは 7.46。現在は64bit版のみになっています。
シンプルになってダウンロードに迷うことがなくなりました。

XAMPPインストール作業工程

  1. 使用中のXAMPPのフォルダ名をリネーム(「古いXAMPP」とした)してデータをバックアップする
  2. XAMPPのアンインストーラを使ってXAMPPを削除
  3. PCを再起動(これが必要かどうかは分かりませんが、念のためにしました。)
  4. XAMPP最新版をダウンロードする(Windows向け7.4.6)
  5. XAMPP最新版をインストールする(⇒XAMPPをインストールしてみよう!参照)
  6. php.iniの編集(⇒XAMPPの文字化けをphp.iniの設定で直す方法【初心者向け】参照)
  7. XAMPPのセキュリティの設定(MySQLの管理者用IDのパスワードを設定する⇒XAMPPセキュリティの設定~データーベース(phpAdmin)編~参照)
  8. phpMyAdminの設定ファイル(config.inc.php)を編集する(⇒XAMPPセキュリティの設定~データーベース(phpAdmin)編~参照)

XAMPPインストールについて参考にさせていただいたサイト

WordPressも再インストールすることになってしまった

XAMPPのセキュリティ設定を終えたのち、ローカルのデータベースに新規にデータベースを作成し、
⇒WordPressのwp-config.phpを開いて、データベースの設定を書き直し、⇒WordPressのローカルサイトにアクセスしてみると、
⇒何故かどうしても管理画面に入れない。
という面倒な事態になりました。

http://localhost/scrapbook(当ブログ名)/wp-login.phpでログインしても
http://localhost/scrapbook/wp-adminでアクセスしても
ページは開かず、「お探しのコンテンツを見つけられませんでした。」というエラーが表示されるのみ。

ここにきて、原因を考えることを放棄し、新規にWordPressを設置しなおすことにしました。

  1. WordPressサイト「scrapbook」を「古いscrapbook」とリネームしてデータをバックアップする。
  2. WordPressの最新版をインストールしてXAMPPの「htdocs」の中に設置
  3. WordPressのフォルダ名を「scrapbook」に変更(※当ブログの名前です)
  4. http://localhost/scrapbook/」にアクセスしてデータベースの設定をする
  5. レンタルサーバーにある「scrapbook」からデータをエクスポートする
  6. XAMPP上にあるローカルの「scrapbook」にデータをインポートする

WordPressのインストールについて参考にさせていただいたサイト

XAMPPコントロールパネルの注意点

XAMPPのコントロールパネルは、今まではワンクリックで開くことができましたが、今回インストールしたXAMPPでは、右クリックで「管理者として実行」を選択して開かなければ機能しなくなりました。
間違って左クリックで開くとエラーを起こしてPCを再起動するはめになります。
面倒なことになったなあと思っていたら、常に管理者権限で開けるよう設定する方法が下記サイトに書いてありました。
XAMPPコントロールパネルのプロパティを開いて「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れるだけで、左クリックで開けるようになります。詳細は下記サイトで。

XAMPPコントロールパネルのプロパティ設定について参考にさせて頂いたサイト

語彙力抜群のキモくて可愛いアニメキャラクターにはまりました。

「はじめまして松尾です」のラインスタンプが送られてきて知ったキャラクターです。
このラインスタンプはクセが強いので使いこなすのは難しそうですが、もらうとちょっと”クスッ”となって楽しいスタンプです。
つい誰かに教えたい!というお節介心が動き出す。
はまる人ははまるし、はまらない人はスルーする面白さです。

作者の紹介動画↓↓↓↓

「最後の講義 完全版 福岡伸一/どうして生命にそんなに価値があるのか」

「最後の講義 完全版 福岡伸一」著者:福岡伸一/発行:令和2年3月/主婦の友社
動的平衡”を提唱する生物学者・福岡伸一教授は語ります。
「”昨日の私”と”今日の私”は少しだけ入れ替わっている」

新型コロナウィルス関連で、生物学者の福岡伸一教授という方が、ウイルスは“進化”の一つだと言っているという話に興味を持ち、amazonを覗いてみました。
数ある著書の中から、”昨日の私”と”今日の私”は少しだけ入れ替わっている!という帯の惹句に惹かれ、「最後の講義」を読んでみることにしました。

本書は、ウィルスの話は出てきません。
「生命」がなぜ、38億年もの長い間連綿と続いているのか、その謎を解く、といった内容になっています。

謎を解くキーワードが二つ。
エントロピー増大の法則」と「動的平衡」です。

まず、エントロピー増大の法則とは何か?
以前何かの本でこの言葉に出会い、気になってウィキペディアを訪れたことがありましたが、そこには見知らぬ数式が並んでいて理解を諦めたものでした。
しかし、今回本書を読んでみると、それは数式よりももっと身近で馴染のある“現象”であることが分かりました。
エントロピー増大の法則とは、

宇宙のシンプルな大原則で、秩序あるものは秩序がない方向にしか動かない

(第2章「1年前の自分は別人である」)

ということだそうです。
具体例として、「きれいに整理整頓した机の上も2、3週間もすればだんだん紙が積み重なってきたり、本が崩れてきたり、珈琲のしみがついたりして、乱雑になっていきます」ということを挙げています。
なんと机の上が散らかるのは、宇宙の大原則、自然の摂理だということなんですね。
ということは、私の作業用机の上がいつも、山積みの本やファイルや紙や布や何かの空袋やホコリやいろんなものでグチャグチャになっているのは、実はエントロピー増大の法則のせい。宇宙の大原則のままに放置した結果だということです。

もし私が机をきれいに長く使いたいと思うなら、エントロピー増大の法則に抗うことが大事なようです。
つまり、不要な物を捨て、必要な物をあるべき場所にしまい、汚れたところを拭い、ホコリを払って、常に秩序を保つようにしなければならない、というわけです。
それでも私の机は、私亡きあと粗大ごみとして捨てられ、10年そこらでボロボロの木屑となってしまうはず。そのうち跡形もなく無くなってしまうでしょう。
もっと頑丈で立派な石造りの建物であっても、数千年の時の流れの中でエントロピーが増大し、風化していく運命にあるのです。

しかし「生命」は滅びることなく、38億年連綿と続いている。
それはなぜなのか?
それは私たちの体というものが、常にエントロピー増大の法則に抗って、生きながらえているからだと、福岡教授はいいます。

エントロピー増大の法則が襲ってくるよりも先回りして、自分自身を積極的に壊し、作り替えるという動的平衡を繰り返すことによって、秩序を作り直している。

(第2章「1年前の自分は別人である」)

「生命」である私たちの体の中身は、流動的に、絶えず動いていて、合成と分解を繰り返すことでバランスをとるという特性があり、それを動的平衡と名づけています。

動的平衡によって、体の細胞の中身は常に少しだけ入れ替わっています。
1年もすれば今日の私とは、ほぼ別人にとなっているほどに入れ替わっているそうです。もちろんこれは物質レベルでの話ですが。

でも、「身体は絶えず入れ替わるのに、なぜ老けるのか?」
「脳も入れ替わるのに、どうして記憶は消えないの?」
とか、次々疑問がわいてきますね。
福岡教授は、数々の疑問に答えつつ、画家フェルメールについて熱く語ったりもして、「生命とは何か?」という宇宙規模のテーマを、楽しく読ませる本となっています。

「物件ファン」で見つけた「a day in the life」の彼

ネット不動産サイト「物件ファン」観てますか?
ご存知の方も多いと思いますが、サイトに書かれた「物件ファンについて」から抜粋して改めて紹介しますと、

物件ファンは、
住む、住まない、
買う、買わないにかかわらず、
物件をたしなむサイトです。
引っ越しの時だけでなく、
毎日でも見て楽しめる、
不動産エンターテーメントサイトです。
       「物件ファンとは(https://bukkenfan.jp/about)」から

アパート、マンション、一軒家、どれも、おしゃれにリノベーションされた物件が多いですね。ときどき見てはふうーとため息ついている私です。

過去幾度も、引越のたびに不動産屋を覗いて回りましたが、現実の部屋探しでは、おしゃれな部屋に当たったことがなかった。そりゃそうだ、いつだって予算で探していたからですね。

おしゃれな物件だけでなく、かなり個性的な間取りとかあったりします。
例えば「必見物件!ここはお風呂。(もう部屋じゃない。)ぎりぎり暮らせないお風呂。」は、お風呂のみの部屋。 トイレさえ無い、超シンプル。

三角形の間取りなんて、どうでしょう。「リアルタイム間取り図ナイト その29 」住めるか?住めないか?って観る人に問いかけてきます。
私はぎりぎり住めない気がしますが、何かから逃げる時の隠れ家として使えそうです。

「左右の壁は全部、棚。」ここには惹かれます。棚が少し多すぎる?その分家具を思い切り減らして住んでみたい。

分かれ道に建つ、とんでもなく渋い一軒家を」は、外観から内装まで、トイレ以外、 隅から隅まで昭和過ぎて既視感に頭がクラクラしてきます。

最近の物件だと、時勢に合った「リモートワークと共に新しい家も手に入れて」は、内と外のギャップがすごい。
外観は小屋としか表現のしようがないのですが、家の中に入ると明るくオープンな空間が居心地よさそう。
子どもたちが小さい頃は、こんな一軒家に憧れていました。
まあ、この家は、家族向きというよりは、別荘感覚の小屋なのかも知れませんが、、、、鉄製の薪ストーブに強い憧れを抱いていた夫が見たら、「住みたい!」と言ったに違いない物件です。

今の私は一人暮らしなので、「家と仕事場の切り替えスイッチ。」みたいな、手狭な部屋を気に入っています。

「物件ファン」の面白さは、物件の多様性はもちろんですが、物件案内人の妄想語りに依るところも大きいです。

「家と仕事場の切り替えスイッチ。」 を選んだ案内人は、実家を出て、初めて一人暮らしを始めた社会人(という設定?)のようです。リモートワークに最適な部屋として紹介していますね。

「駅までの道もちょっとスキップ。
転職した先も良かったし、部屋も
かわいいし。人生きっと大丈夫。」
っていうセリフから、一人暮らしへの期待と、未来へのちょっとした不安が感じられます。

ふっと、私の頭の中にビートルズの「A Day in The Life」が流れました。
私の好きな曲ベスト3に入る1曲なので、よく勝手に流れ出すのですが。
私の頭の中では、「A Day in The Life」 の主人公の彼は、こんな部屋に住んでいて、毎朝、駅への道を急いでいる。そんな妄想が始まりました。

「ドーン/平野啓一郎」読書途中の感想文

ああるの「映画と読書」に紹介されていた「マチネの終わりに」に触発されて、平野啓一郎さんの本を読みました。私にとっては、初めまして!の作家さんです。

ブックオフに赴き、数ある著作の中から迷った末購入したのが、本書「ドーン」。

『DAWN 』 講談社文庫:2012年 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。

舞台は2033年のアメリカ。近未来小説です。
その10年程前には東京大震災があった、という設定になっています。
タイトルの『ドーン (DAWN) 』とは、人類初の有人火星探査宇宙船の名前です。
主人公・佐野明日人(サノアスト)が、 この 『ドーン』 のクルーとして火星に行き、火星でのミッションを終えて地球に帰還した、ところから物語が始まります。

人類初の火星探査に成功し、一躍英雄となった宇宙飛行士・佐野明日人。
しかし、闇に葬られたはずの火星での”出来事”がアメリカ大統領選挙を揺るがすスキャンダルに。さまざまな矛盾をかかえて突き進む世界に「分人」という概念を提唱し、人間の真の希望を問う感動長編。

「BOOK」データベースより

『ドーン』を読んで私が気になったワードは、以下の5つ。
可塑整形、 散影 、添加現実 、無領土国、分人主義、 

可塑整形:顔の中に塑性シリコンという物質を埋め込んで、粘土を捏ねるように顔を自由に形成していくことができるというもの。
これによって、人はいくつもの顔を持ち、使い分けることができるようになる。

散影:防犯カメラの映像全てがネットに繋がって、誰でも(一般人でも)閲覧できるようになっているプログラムシステム。顔認証検索機能がついているために、誰がどこで何をしていたか、いま何をしているか、検索すれば一切丸見え。プライヴァシーなんて無いに等しい。

添加現実(AR) :現実に存在しないものをコンピュータの三次元映像として付け加えること。亡くなった人であっても、その人のDNA情報や解剖的データ、生活環境などの情報を駆使し、本物そっくりのAR人間として蘇らせることができる。

無領土国 :文字通り領土を持たない国家。
現物としてのお金が無くても通用する仮想通貨と同じように、現実の領土は無くても国家として統治権を持つ政治的共同体。

分人主義dividualism) : 略して ディヴ と言う。
個人は一つの人格をもっているのではなく、 対人関係ごとに異なる人格を分けることができ、それは意図的に創りだしたり使ったりするのではなく、その場に応じて ディヴ は自然発生する。複数のディヴ の集合体が個人であるという概念。
正直、分かりにくい概念です。、、、、自分自身に置き換えて考えると、私も対面する人によって、相手との関係性、場の空気などに左右され、異なる自分になっているとは思う。
それはキャラを作っているわけではなく、自分を断片化し、決して丸出しにならないよう自分で制御しているのだと、自分では思っているのですが、、、、分人主義とは真逆の考え方かもしれません。

本書は640ページほどの長編ですが、宇宙飛行の過酷さを考えたり、登場人物のセリフや大統領候補者たちの演説内容に惹きこまれたり、読み応えがあります。

そして未来小説を読むといつも思うのですが、人類社会は常に進化しているけれど、必ずしも「より良い方向に進歩している」というわけではなく、ただ後戻りができないだけなんだなあ、と。

現在、520ページ目を読んでいるところで、実はまだ読み終わっていません。
いつも読了したらブログに感想文を書こうと思って読み始めるのですが、結局いつも書けないまま次の読書に移ってしまいます。
そこで今回は、読み終わる前に感想文を書いてみようと思いました。
今夜は結末に向かって残りの100ページ余りを楽しもうと思っています。

『中田敦彦のYouTyube 大学 』が面白い

令和元年も足早に過ぎ去ろうとしています。
令和上半期は、忙し過ぎてあまり読書する時間がなかった。
秋からは新しく得た趣味作業に熱中しているために、さらに読書時間がなくなりましたが、代わりに作業BGMとしてYouTyubeを視聴することが増えました。

そこで今回は、今月聞いて面白かった『中田敦彦のYouTyube 大学 』を紹介してみます。

正直、タレントユーチューバーなんて、ヤラセのバラエティ番組みたいな動画を配信しているんでしょ、とこれまで観ることはなかったのですが、 申し訳ない、それは偏見でした。

『中田敦彦のYouTyube 大学 』は、オリエンタルラジオの中田敦彦さんが、あらゆる分野の専門書(もしくは専門書の解説書)を読み解いて、学校の授業みたく解説する動画です。
スタイルとしては、テレビの『池上彰のニュースそうだったのか!! 』に近く、 池上彰さんの著書を取り上げることも多いようです。もちろん、池上さんよりはうんと砕けた口調ですね。
テレビと違って、取り上げるテーマに制約が無いからか、政治、経済、情報文化、歴史、文学、芸術、などなど多岐にわたります。
どの分野も無知な人間としての立場で、好奇心を持って猛勉強しているようで、聞いている方も分かり易く楽しく聞けます。

最近、1年振りにあった友人が、自分のガラケー携帯をみつめながら、
「5Gになったら、ガラケー使えなくなるんだって」と言うので、「え?どういうこと?」と私。
そのあと二人とも無言。
私も友人も、5Gという言葉は聞いたことあっても、それが何だか説明することはできなかったのです。
私はスマホを使っているので、5Gになったらナンカ今より通信速度が速くなるんだろうな、ぐらいの認識であまり興味もなかったのですが、急に気になって家に帰ってからPCで検索。そして 『中田敦彦のYouTyube 大学 』 を知ったわけです。

5G、確かに通信速度が速くなるのだけど、それはただスマホが便利になるっていうだけの話ではなかった。まさしくこれからの世界が変わる話でした。
そう遠い未来じゃない。
孫たちが大人になっているぐらいの未来。
その未来は幸せなんですか?って考えてしまいます。
たぶん幸せの価値観も変わっていくのでしょうから、今の私には想像がつかない未来です。

5Gになるとガラケーが使えなくなるか?という疑問については、この動画では分からなかったので、さらに検索してみると、下記サイトに答えがありました。

【ガラケー終了はいつ?】廃止のお知らせは本当?使えなくなったらどうするの?ドコモ/au/ソフトバンクの現状を解説

これによると、「2022年でガラケー終了」というデマが出回っているらしいです。
2022年にauの3G回線を停波するために、そんなデマに繋がったようです。使えなくなるのは「auの3G回線端末」を使った機種のみということですが、ユーザーは極少数。マニアレベルだそうです。気になる方は上記サイトを参照してみてください。

追記: 『中田敦彦のYouTyube 大学 』では、原発についての解説動画もありました。
政治】まだ解決していない「原発問題」〜原発の歴史編〜①
政治】国家や大企業の利権が絡む「原発問題」〜真相追求編〜②
これも分かり易く、秀逸です。当サイトの「原発は要らない」ページに掲載しました。

追記:2020.07.13

上記の動画
【政治】まだ解決していない「原発問題」〜原発の歴史編〜①
【政治】国家や大企業の利権が絡む「原発問題」〜真相追求編〜②
は非公開になり、閲覧できなくなりました。

通畠義信氏、南日本美術展にて海童賞受賞しました!

画像は第74回南日本美術展カタログより転載

当サイトで紹介しています「鉄の作家」通畠義信氏が、第74回南日本美術展にて海童賞:空間造形部門優秀賞を受賞されました。おめでとうございます!
この賞は2017年、2018年に続き3回目の受賞となります。

今回の作品は「ハエの家2019 -冥界ニュース -」

会場には応募作品についてのコンセプトをまとめたファイル「一次審査用書類ファイル」が展示されています。
これから観に行かれる方には、是非そのファイルも手に取って開いて読んで欲しいです。
作品に関する基本コンセプトのほかに「仮想劇~冥界ニュース リアルタイム~」という寸劇の脚本がファイルされています。

舞台は「地底界放送局スタジオ」
出演者は、ニュースキャスター、コメンテーター、お天気屋お姉さん、そしてリポーターとしてハエ男が登場する劇です。
2ページくらいの短い場面でしたが、面白かったですよ。もっともっと読みたかったです。
通畠氏のマルチな才能を知ることができるファイルです。

第74回南日本美術展

2019年11月16日(土)~12月1日(日)
黎明館・鹿児島美術館


この「ハエの家シリーズ」は今回で最後になるそうです。
また新たな作品の登場を心待ちにいたしましょう。

「絶叫委員会(著:穂村弘)」を再読した

穂村弘さんの「絶叫委員会」を再読しました。
再読と言っても本棚から取り出して読み直したわけではなく、ブックオフで見つけて、愚かにも2冊目を購入してしまったわけで。

「未読の穂村弘発見!」と小躍りしてレジでお金を払い、寝る前に読み始めて1ページ読むごとに既視感を感じながらも読み進め、「読んでいる」「いや、読んでない」と自問自答を繰り返しつつ読み終わりました。

読書リスト」で確認すると、どうやら3年前の2016年11月に既読しているようです。二重購入を避けるために作成した「読書リスト」だったのに、頼りにならないヤツです。

本棚を見直してみると、1冊目の 「絶叫委員会」 が見当たらない。
おそらく3年前の11月と言えば、職場が辛くてもう辞めたい!けど辞められない!って時期だったから本を読みながら暖まろうと、お風呂読書に使ったため、ボロボロになってしまって捨てざるを得なかったに違いありません。
取り敢えず、本棚に同じ本が2冊並ぶことは避けられました。

それはともかく、何度読み直しても、穂村弘さんのエッセイは面白い。
お風呂が冷えた体を温めるように、穂村弘さんのエッセイは私の心を温めてくれます。

「絶叫委員会」は著者が日常の中で遭遇した印象的な言葉について書かれたエッセイです。
普段は聞き逃してしまいそうな何気ない言葉や、パニックに陥った時に思わず発してしまう意外な言葉、あるいは「それを言っちゃあお終いよ」的な致命的発言などなど。
一見、無意味にしか聞こえない言葉であっても、無意味さの中から面白さや愛や悲しさを取り出したりして、世界の奥行を垣間見せてくれる一冊です。

日頃、何かの言葉に違和感を持っても、それを言語化できない私はモヤモヤしながら、そのうち忘れてしまいます。
例えば、
「万一ご満足いただけない場合は全額ご返金致します」
というフレーズ。何だか不快に感じるのだけど、どこがどう嫌なのか言葉にすることができなかった。このフレーズについて誰かと意見交換することもなかった。それを本書の中で見つけたときには、あっ、と思いました。

「他人の主観に対してそこまで強気になれるのは自信の現れというレベルを超えている。サービスの顔をした恫喝に思えるのだ。」

P161「サービストーク」

そうそう、それ。私もそれを言いたかったのです。

「償いの雪が降る」健気な主人公を応援しながら読んだミステリ

大学生のジョーは、授業で身の回りの誰かの伝記を書くことになった。適当な身内がいないため訪れた介護施設で、末期がん患者のカールを紹介される。カールは30年前に少女暴行殺人で有罪となった男で、仮出所し施設で最後の時を過ごしていた。カールは「臨終の供述」をしたいとジョーのインタビューに応じる。話を聞くうちにジョーは事件に疑問を抱き、真相を探り始めるが……。バリー賞など三冠獲得、衝撃のデビュー・ミステリ!

(「BOOK」データベースより)

小説というのはシリーズ物でなければ、主人公が魅力的な人物なのか、自分好みなのか、読んでみるまで分からない。
テレビドラマだったら、好きな役者が出演しているとか、配役情報だけで観る気になったりするのだけど、小説はそうはいかない。

特に本書のようにこれが作家のデビュー作となれば、登場するのは全員未知の人物ばかりです。
読みながら登場人物の顔や性格を、書かれている情報を元に自分なりに想像して新人俳優に育てていくのは、これも読書の楽しみ方の一つです。
本書『償いの雪が降る』の主人公ジョーは、結構魅力的な若手俳優でしたよ。
イケメンではないけど、健気で勇気があって、優しく、まっすぐで。
性別こそ違え、ジブリ映画に出てくる女の子みたいに、応援したくなるキャラクターではないかと思います。

酒とギャンブルと男に溺れている母親。今で言う「毒親」の元で育ち、自閉症の弟の面倒をみながら、自立し明るい未来を手に入れるために、孤軍奮闘する主人公。私も応援しながら読み進みました。

同じ主人公で2作目も書かれているということなので、シリーズ化されるかもしれませんね。

シリーズ物と言えば、私は以前、パトリシア・コーンウェルの『検屍官シリーズ』と、スー・グラフトンの『キンジー・ミルホーンシリーズ』に嵌って、新作を見逃さず読んでいた時期がありました。
でも、『検屍官シリーズ』の方はある時から、たぶん10作目かその前あたりからか、全く読まなくなってしまいました。何故か主人公のケイ・スカーペッタに魅力を感じなくなってしまったのです。
ケイ・スカーペッタが人気女優に育ち過ぎたのか、私の好みが変わったのかは分かりませんが、シリーズ物といえど惰性で読み続けることはできないようです。

一方、女探偵『キンジー・ミルホーンシリーズ』については、キンジ―に飽きることはなく、1作目『アリバイのA』から始まって、18作目『ロマンスのR』まで読みました。
『S』で始まる次回作の刊行をずっと待ち続けたけれど、何故か日本では『S』から後は翻訳されることはなく、2017年、スー・グラフトンは亡くなってしまいました。
今では既刊分も全て絶版だということです。本当に残念です。
できることなら、アメリカでは既に刊行されている『S』から『Z』までを、日本でも翻訳刊行して欲しい。

女探偵キンジーは社交的なことが苦手で、人と会った時天気のことぐらいしか話題がない。キンジ―が「この世にお天気があって、ホントに良かった」と自嘲気味に思う場面が、何故かいまだに妙に忘れられない。

『選んだ孤独はよい孤独(山内マリコ)』

まず表紙の絵に惹きつけられました。
「装画:長谷川潾二郎 タイトル:アイスクリーム」
存じ上げないお名前だったので画像検索してみると、他にも心惹かれる絵が多く、嬉しい発見となりました。
勝手に若いイラストレーターを想像していましたが、 長谷川潾二郎は明治生まれの画家であることに驚き、さらにウィキペディアによる長谷川潾次郎の生涯について、あまりにも簡素な記述に驚きました。

1904年、父・長谷川清(後に淑夫に改名)、母・長谷川ユキの二男として函館に生まれる。長兄に、牧逸馬・林不忘・谷譲次の三つのペンネームを用いて活躍した作家の長谷川海太郎がおり、弟には、ロシア文学者で詩人の長谷川濬(三男)、作家の長谷川四郎(四男)がいる
旧制函館中学(現・北海道函館中部高等学校)卒業。中学の同級生に、探偵小説家・編集者の水谷準がいた。その後、画家を志して1924年に上京し、松本泰が大家をつとめる下宿で、水谷と共同生活を送る[2]
1931年、画の勉強のためパリへ渡る。数年滞在する予定だったが約1年で帰国。
1988年、84歳で死去。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E3%82%8A%E3%82%93%E4%BA%8C%E9%83%8E

表紙の装画も彼の生涯記述同様に「簡素」というイメージがぴったりです。
たぶん私が惹きつけられたのも、その飾り気の無さかも知れませんが、はっきりしたことは分かりません。簡素な絵は他にいくらでもあるのですから。
ただ本書のタイトルにある「孤独」という言葉が上乗せされることで、1個のアイスクリームと1冊の本と1冊のノート(かな?)、ピンクの色鉛筆とメガネと煙草が、誰かの人生の孤独を象徴しているかのように見えてくるから不思議です。

とは言え本書「選んだ孤独はよい孤独」には、「選んだ孤独」というのがどんなものなのか、いま一つはっきりとは書かれていません。

地元から出ることなく遊び仲間とつるむ失業中のヨシオとか、自己中な女子に振り回される男子高校生とか、同棲生活が1年で破綻した理由が分からない彼とか、仕事ができない男の話とか、、などなど、日常をちょっとだけ切り取った、物語と呼ぶには断片過ぎる19個のお話です。

そして、どのお話もまた孤独と呼ぶには日常的過ぎる。
それは、孤独が特別なものでなく日常そのものなのだ、とでも言っているかのようです。

19個のお話の中の一つ、「おれが逃がしてやる」は、ちょっと泣けました。

人は、その時々にどこかのコミュニティに所属していて 、そこに順応しきれない自分を感じながら順応した振りをして生きていくんだよなあ。
それは私だけではないんだよなあってことを、今さらながら、しみじみ思いました。

ブラウザを『Firefox Quantum』に変えてみた。

ブラウザを変えたい理由

インターネットを利用していてストレスに感じることの一つに、閲覧しているサイトに、ちょいちょい表示される「広告」の存在があります。

中でも 「追跡型広告」と呼ばれるアレ。Webサイトで閲覧した商品画像や広告が、何の関係もないはずの他のサイトでも表示されるアレです。

通販サイトなどでちょっと閲覧したことのある商品画像が、他のWebサイトまでストカーのように追いかけてくる。「知っているよ、あなたはこれが欲しいんでしょ。」みたいな感じで煽ってくる。

いやいや、私の好みを勝手に推測しないでください。買う気はないんだから。ってちょっとイラッときます。

トマス・スウェターリッチ作のSF小説『明日と明日』(ハヤカワ文庫)に描かれる未来は、「アドウェア」というアプリを頭部に装着することでwifiに自動接続され、頭の中に直接Web配信される電脳社会。

ニュースもメールもSNSも、あらゆる情報、データが頭の中でやりとりされ、3Dのヴィジュアルが目の前にポップアップされる。

広告もスパムも勝手にストリーミングされるので、車で走っていると、彼の思考をトラッキングして、関連した広告やサイトに誘導する煽り映像が、次々と行く手に現われる。ビキニの女性が、飲料水が、チョコレートが、有料パーティへのお誘いが、絶え間なく現われる。
主人公は思わず叫ぶ。「やめろーー何もいらないー-今は何も買いたくないーー」

そんな3D広告にストーキングされる未来がこないとも限らない。
だって、選挙の時に名前を連呼するだけの立候補者に投票する人たちがいて、しつこくすればその気になるでしょ、と信じている広告業者が絶滅していない現状なのだから。
というわけで、トラッキング防止に特化したブラウザに乗り換えることにしました。

参考サイト
『Chromeはランク外? 安全で信頼できるベストなブラウザ4選

https://www.lifehacker.jp/2019/08/the-best-privacy-and-security-focused-web-browsers.html

上記サイトを参考にして、今回は『Firefox Quantum』をインストールしました。
https://www.mozilla.org/ja/firefox/

 

 

インストール後、画面の右端上部にあるメニューアイコンを開いてオプション、アドオンの設定をします。

『 Firefox のオプション設定 』を参照しながら設定していきました。

アドオン(拡張機能) にある 『Privacy Badger』については、Chromebookのある生活サイトのChrome拡張機能、『Privacy Badger』という記事を参考にさせていただきました。

設定後 『Firefox Quantum』 と今まで使っていた 『Chrome』と両方で、いろんなサイトを開いてみて、表示される広告を比べてみました。その結果、 『Firefox Quantum』 では「追跡型広告」がしっかりブロックされていることを確認しました。
しかし、喜ぶのも束の間、表示がおかしいサイトを発見!

サイト表示がおかしかっのでリフレッシュした

ヤフージャパンを開いたらこんな色気の無いサイト表示になってびっくり!

原因は分かりませんが、、、 おそらく私が設定を変にいじり過ぎたせいなのかと。
『 Firefox をリフレッシュする – アドオンや設定のリセット』 ページにあるリフレッシュボタンをクリックしたところ無事解決。
その後、特に問題は見つかりませんでした。

Firefox Quantum』に変えて良かったところ

「追跡型広告」をブロックできるのはもちろんですが、そのほかにちょっと嬉しい機能がありました。

①右クリックで簡単にスクリーンショットが撮れる。
キーボードでもスクリーンショットは撮れますが、画面全体だけでなく撮りたいところを選択して撮れます。これはちょっと便利です。

②アドオンにある『Worldwide Radio』
アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、世界各国のFMラジオが視聴できます。
機能を追加すると、画面右上にラジオのアイコンが表示されます。
チャンネル数が多くて、一つ一つ視聴していくといったい何日かかるやら、、、作業用BGMとして使えそうです。

③画像変更表示が素早い
ホームページ作成をしていて、画像の差し替えをアップした時、『Chrome』では一度キャッシュを削除しなければ、差し替えた画像がすぐには表示されなかったのですが、『Firefox Quantum』では瞬時に表示されるので気持ちがいい。

追記

後から気が付いたのですが、以前『 web作成にちょっと便利なGoogle Chromeのカラーピックアイドロッパー 』で紹介しました“カラーピッカー”は使えなくなりました。『 Chrome 』の拡張機能なのだから仕方ないけど、ちょっと残念。

追記2

TVerやYouTubeも『Firefox Quantum』で開くと、広告無しで観れます。
ストレスフリーでありがたいです。

でも、途中で止まってしまう動画サイトが、たまにあったりします。ある種の広告が出るタイミングではじかれてしまうようです。(※後日、広告無しで難なく見れるようになりました。Firefoxの更新で修正されたのか?YouTube側の問題だったのか?理由は分かりませんが、とりあえず現在動画も快適です。)

【追記】動画が途中で止まってしまうことはなくなりましたが、TVerを観ていたら、最初から動かない動画がたまにあります。これは広告を表示しなければ動かないぞ!という作りになっているらし。仕方ないので、『GoogleChrome』と両方使っている現状です。

アドオンとしては、『Notes by Firefox』が気に入っています。
すごく便利なメモ作成機能です。WEBを閲覧している間中、画面にサイドバーを固定表示できて、メモとして利用できます。

しかし、サイドバーを表示させていると、イラストACの投稿管理画面ではソート機能が使えなくなる、といった問題もあったり、(※後で分かったことですが、これはブラウザの問題でなく、使ってるモニタの画面サイズ、縦横比が原因)

Firefoxを推奨していないサイトもあったりで、、、、やはりWEBは『GoogleChrome』を基本にサイト作りがされているのだろうと思います。


「ザ・バニシング―消失-」真相を知りたいという好奇心

1988年製作の映画ですが、日本公開は初めてという埋もれた名作。

「サイコ・サスペンス映画史上№1の傑作、ついに解禁 !」
スタンリー・キューブリックは本作を3回観てこれまで観たすべての映画の中で最も恐ろしい映画だと言った。

http://www.thevanishing-movie.com/ 映画『ザ・バニシング -消失-』オフィシャルサイトより

という煽り文句にしっかり煽られました。
ホラー映画の金字塔と称される『シャイニング』を生み出した、あのキューブリック監督が恐ろしいと言い放つ、それはいったいどんな映画なのか、どうしても知りたくなりました。

予告編を観る限り、おそらく血液の量で恐怖を表現するようなスプラッターホラーの類ではなさそうです。
そこのところは一応確認して、『シャイニング』 も怖いからと観れなかった超ビビリのくせに、恐ろしい結末が待っていると分かっていながら、好奇心に抗えず観に行きました。

オフィシャルサイトに紹介されているストーリーはいたって簡素。

「7月、オランダからフランスへと車で小旅行に出掛けていたレックスとサスキア。立ち寄ったドライブインで、サスキアは忽然と姿を消してしまう。必死に彼女を捜すも手掛かりは得られず、3年の歳月が経過。依然として捜索を続けるレックスの元へ、犯人らしき人物からの手紙が何通も届き始め…。」

http://www.thevanishing-movie.com/ 映画『ザ・バニシング -消失-』オフィシャルサイトより

3年前、忽然と姿を消した恋人(妻?)サスキアを探し続けるレックスだが、3年という歳月が過ぎた頃には、もはや彼女の生存を信じることは難しくなった。
『喪失感』から立ち直るには、3年という歳月が必要だったのでしょう。
そんなところへ彼女の失踪について知っているらしい人物からの手紙が届く。
レックスは彼女に何が起こったのか真相を知りたい、ただただ知りたいという好奇心に抗えず、待ち受ける恐怖へ足を踏み出してしまう。

携帯電話もなかった30年ほど前のフランスの、のどかな村の美しい景色と日常。
登場人物も少なく、派手な演出もない。
あるのは3者の好奇心だけ。
サスキアに何が起こったか知りたいというレックスの好奇心。
自分の中にある異常性と正常性を立証したいという男の好奇心。
結末を知りたいという観客の好奇心。

知りたいと言う好奇心に抗えない人間の性(サガ)を描いた作品とも言えそうです。

39席だけの小さな劇場に観客は10人ほどでした。
観客の少ない映画館で席を選ぶとき、いつも悩みます。どの席が一番「最適」なのか。

前方の席だと見上げる感じになるから首が疲れそう。自分の目線と水平なところがいいのか。それとも階段を上がった後方からスクリーンをちょいと見下ろすくらいがちょうどいいのか。
迷いつつも結局は、最初に目についた誰も座っていない列の中ほどに座ることにしました。

そういえば、私は物事の「最適」がよく分からないなあとふと思いました。
人との「最適」な距離感とか、TPOに「最適」の服装とか、場に「最適」な言葉遣いとか、、、、

つらつらそんなことを考えていましたが、館内が暗くなりいよいよ映画が始まると、何を考えていたかすっかり忘れて、これから始まるであろう恐ろしい物語への好奇心でいっぱいになるのでした。

「2019 宮崎国際現代彫刻・空港展」のご案内

6/9(日)-6/23(日)

開催会場:宮崎ブーゲンビリア空港1階 オアシス広場

主催:2019 宮崎国際現代彫刻・空港展開催実行委員会

宮崎県内を中心とした全国、海外の彫刻家グループによる国際彫刻展です。
今年は国内作家55名、海外作家9カ国15名、合計70名の彫刻作品が一堂に並びます!
30回記念展 2019宮崎国際現代彫刻・空港展 より)

また、今年は30回記念展特別企画として、「彫刻家の小さな世界~ひむかの神のはなし~」と題して「神話」をテーマにした小作品の展示販売も行っております。( 30回記念展 2019宮崎国際現代彫刻・空港展 より)

当サイトでご紹介しています通畠義信氏が出品されています。

「鉄のオブジェ」YOSHINOBU TORIBATTA

今年は30周年だそうです。30年続けられるというのは、本当にすごいです。
案内ハガキのデザインも今年は新しくなっています。

「宮崎国際現代彫刻・空港展」

「令和」がレイラに聞こえる4月

「新しい元号は『 令和 』であります」と発表された途端、頭の中で「いとしのレイラ」が鳴り響いたのは私だけではない。

新元号「令和」で「いとしのレイラ」が脳内再生される人たちhttps://www.itmedia.co.jp/news/articles/1904/01/news115.html

レイワ、惜しい!
しかしレイラを漢字表記するのは難しい。
思いつくのは「麗羅」だけど画数が多過ぎて、役所で書くとき面倒です。
そこで思うのだけど、役所もいい加減西暦表記統一を採用してくれたらと。

まあたぶん時代の流れとか、総理交代とかで、いつかはそうなっていくだろうとは思います。なんてったって、日本人は利便性を優先して発展してきた国なのだから。

ただ庶民の生活感覚では、時代を元号で一括りして振り返ることも多い。
西暦では毎年1年ずつ増えて「過去から続く終わりの無い時の流れ」が、日本では元号が変わると時代がリセットされたような、そんな感覚にもなります。

西暦と和暦の二つの時代感覚を持った日本の文化は面白いと思う反面、元号が変わることで過去の歴史を無いものにしてしまう「リセット癖」もあるように思うのは考え過ぎでしょうか?

平成の時代は戦争の無い「平和」の時代であったけど、大きな災害に見舞われ多くの不幸を生み出した時代でもありました。
「令和」はその不幸を救う時代になって欲しい。


「●REC from 311~復興の現在地」

テレ朝ニュース」サイトに「●REC from 311~復興の現在地」というサイトがあるというニュースを観て、早速サイトを覗いてみました。

2011年3月11日の震災から現在に至るまでの記録サイトです。

3.11後の風景の変化を定点カメラによって撮り続け、復興の歩みが目に見える形になっています。また、復興関連のニュース企画も地図上にマッピングされており、とても貴重な記録サイトです。

サイトオープニング動画

「東日本大震災以降の震度6弱以上の地震」という記事によると 2011年以降、『 震度6弱以上の地震は25回発生。うち、震度7以上は4回。』だそうです。
地震以外にも、台風、火山の噴火、土砂災害、酷暑、雪崩、、など大きな災害が絶えることありません。

昨日も北海道で震度6弱の地震が起こりました。
ニュース速報が流れたとき、正直言うと、 熊本地震の時ほどの衝撃はありませんでした。
自分や自分の関係者が被災地の当事者にならない限り、やはりどこか他人事というか 、関心が薄くなってきているのを感じます。

こんなとき私は、「我々は皆、他人の不幸に耐えるだけの強さを持っている。」というラ・ロシュフコーの皮肉な言葉を思い出します。

「猫展2019」のご案内

2019.2.16(土)~3.5(火)

11:00~18:00

定休日(水曜日)最終日(17時)

2月22日は「猫の日」。

ギャラリー白樺では、毎年「猫展」が開催されます。

今年は総勢48人の作家が出品されます。
現在ご活躍中の作家たちが創りだす、48匹(たぶんそれ以上)の猫たち。
見応えありそうですね。

当サイトでご紹介しています、通畠義信さん通畠朋子さん山田利喜子さんも毎年参加しています。
猫好きな方はもちろん、犬派の方もぜひ覗いてみてくださいませ♪

ギャラリー白樺/〒892-0822 鹿児島市泉町14-9
TEL/099-226-4518

我が家de個展 ギャラリーときどき    『通畠朋子・山田利喜子 二人展』

『通畠朋子・山田利喜子 二人展』開催中

2018.12.2(日)~12.9(日)

時間:am11:00~pm5:30
於:我が家de個展 ギャラリーときどき

ただいま、『ギャラリーときどき』で開催中の二人展に行ってきました。
通畠朋子さんは今回、新しい試みとして、ガリ版刷りの版画を出品されていました。

ガリ版刷りと言っても、もう若い世代の方は知らないツールかもしれませんね。
私は小学生の頃、新聞部だったのでロウ紙を鉄筆でガリガリと削って学級新聞を作っていました。先生たちも週報(だったと思うが記憶はあやふや。。。)などガリ版を使って作成していたので、原稿を用紙に刷る作業を手伝った思い出が懐かしい。

通畠朋子さんが若い頃創った人形たちもありました。

山田利喜子さんは今年の美展入賞と入選作品を展示されています。
常連入賞入選の実力派ですね。

 

革のバッグのほか、珍しい革のベストがありました。ベレーとセットで小粋に!

ギャラリーときどき:鹿児島市薬師2丁目16-18
Tel:099-255-5575

[mappress mapid=”37″]

 

「第13回いずみものづくり8人展」のこと

「第13回いずみものづくり8人展」
会期:12月2日(日)まで

出水市在住の『ものづくりたち8人による展示会です。
当サイトでご紹介しています鉄の彫刻家通畠義信氏、銅版画だけでなくいろんな素材を混合して(ミクストメディア)作品を創りだすTOMOKO・T・TORIBATTAさんも、毎回参加されています。
陶芸・織・染め・編み物・
木工・彫刻など、多種多彩な作品が展示されていて、販売もしています。
場 所:「東雲の里あじさい園」
入場料:12月9日まで「もみじ祭り」開催中に付き、入場料500円。


 

「東雲の里あじさい園」とは、「鹿児島県観光サイト/かごしまの旅」サイトによると

四季折々の花や木々を楽しめる
約4万坪の敷地には、沢が流れ、上流には「東雲の滝」、自然の地形を活かした遊歩道や展望台がある日本最大級のあじさい峡。春は桜、夏は紫陽花、秋は紅葉など四季折々の花や木々などが楽しめます。鹿児島県観光サイト/かごしまの旅」サイト

だそうです。

いままさに紅葉が見ごろですね。紅葉とアートを楽しむ一日を過ごしてみたいものです。

ところで、「東雲」をシノノメとすんなり読めたあなたはかなりの漢字力。
難読漢字としてクイズ番組に出題されるレベルの読み方ですね。
昔古典の授業で習ったはずだけど、もうすっかり忘れていました。

東雲は、「日本の古語で闇から光へと移行する夜明け前に茜色にそまる空を意味する。(ウィキペディアから)」そうです。たった2文字から美しく壮大なロケーションが目に浮かんできます。

第9回 1000の小箱展 (2018年)

宮城県大崎市の「感覚ミュージアム」が開催する、「第9回 1000の小箱展 (2018年)」に、当サイトでご紹介しています「銅版画」TOMOKO・T・TORIBATTAさんの作品が展示されています。
出品作品は「TOMOKO・T・TORIBATTA」のギャラリーにアップしましたので、是非ご覧ください。

主催する「感覚ミュージアム」とは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚といった、”感覚”をテーマとする、日本で初めてのミュージアムだそうです。
来館者も鑑賞するだけでなく、五感をつかった感覚体験ができる仕掛けになっているようです。
「1000の小箱展」は、一つ一つの作品が約1000個の小さな引き出しに収められ、来館者が引出しを一つ一つ開けて作品と対面する仕掛けですね。

自分の机以外の引出しを開けるって、ちょっとワクワクしますね。

感覚ミュージアム

〒989-6434
宮城県大崎市岩出山字100

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第29回 2018宮崎国際現代彫刻・空港展のご案内

2018 宮崎国際現代彫刻・空港展

平成30年9月2日(日)~9月17日(月・祝)(最終日は15時まで)
会場:宮崎ブーゲンビリア空港 1階 オアシス広場

当サイトでご紹介しています、通畠義信氏が毎年参加されています。
「鉄のオブジェ」YOSHINOBU TORIBATTA

宮崎県内を中心とした全国、海外の彫刻家グループによる国際彫刻展です。
国内から45名、海外から7ヶ国13名、合計58名の
彫刻作品が一堂に並びます!

彫刻といっても、木や石、鉄やガラスなど多様な素材を用いた
具象・抽象彫刻など様々な作品です。
会場では、一部の作品には触れることができます。
実際に触れてみて素材の違いを手触りで体感してみませんか?

彫刻といっても、木や石、鉄やガラスなど多様な素材を用いた
具象・抽象彫刻など様々な作品です。
会場では、一部の作品には触れることができます。
実際に触れてみて素材の違いを手触りで体感してみませんか?

宮崎ブーゲンビリア空港のサイトから引用

「宮崎ブーゲンビリア空港」は、いかにも南国っぽい名前がインパクトありますね。
「宮崎ブーゲンビリア空港」のサイトには、こんな面白動画もアップされています。
ついでにこちらもご紹介します。

「驚きI!滑走路で踊ってみた 現役空港スタッフ 踊る宮崎ブーゲンビリア空港」

 

ー通畠義信・朋子「まがり角の二人」展ー観てきました!

12月1日から開催していました、通畠義信・朋子「まがり角の二人」展を観に行ってきました。と言っても、観に行けたのは終了日間際の11日。
諸事情でなかなか時間が思うようにならない今日この頃です。もっと早くブログにアップしたかったのだけど、あれから2週間も経ってしまいました。
クリスマスも過ぎ、今は来年に向けての最終助走中です。
今年のうちに画像だけでもアップしておきたい。

今回の二人展も前回と印象の異なる作品がいくつもありました。停滞することなくいつも新しい作品を創り続けているお二人の日々が感じられました。

前回の「二人展」はこちらをご覧ください。「通畠義信・朋子二人展ー彫刻と絵ー」行ってきました!


第72回南日本美術展空間造形部門優秀作品「ハエの家 2017-収束の刻-」より


←左「Chalynien チャリニアン」

上↑「Nyamp ニャンプ」上↑「Nyailien ニャイリアン」

左←「花咲く鳥」

上↑「Mermaid hunter」

上↑「水の在処」

左←「Last mermaid」

上↑「スフィンクスの谷」

 

 

左、下、キャンドルシリーズ 

 

 

「きよしこの夜」-ラファエロ聖母像より-

「12月の孤島」-モン・サン・ミシェル-

「沈黙」

「海の星」

「魚に飲み込まれた男」

「セイレンの歌声」

「星屑」

「海の怪獣」-ピエロ・ディ・コシモの絵より-

通畠義信さんのギャラリーはこちらから

通畠朋子さんのギャラリーはこちらから 「銅版画」TOMOKO・T・TORIBATTA

 

ー通畠義信・朋子「まがり角の二人」展ー開催のお知らせ

2017.12.1(金)-12(火)

(休館日:木曜日) 11:00-17:30 最終日16:00
ギャラリーセージにて

今月、南日本美術展にて海童賞:空間造形部門優秀賞を受賞された通畠義信さんと、9月に西脇市サムホール大賞展受賞作家展を開催した通畠朋子さん。お二人の「二人展」が開催されます。
展覧会のテーマが「まがり角の二人」というのは、何だか意味深ですね。
案内状によると

60歳を過ぎて新たな方向性を模索して行くという意図と様子を「まがり角」と呼ぶとして、そのひとつの契機としての展覧会になればと思います。

とのこと。
どんな作品が見られるか、楽しみです。

ギャラリートーク:12月3日(日)15時から

ギャラリーセージ:〒890-0041鹿児島市城西2丁目10-22(城西中学校体育館近く)
TEL:099-210-5802
営業時間
11:00 ~ 17:30
水・木曜は定休日
( ※企画展中は木曜のみ)

通畠義信氏、南日本美術展にて海童賞受賞しました!

当サイトで紹介しています「鉄の作家」通畠義信氏が、南日本美術展にて海童賞:空間造形部門優秀賞を受賞されました。おめでとうございます!!

作品は『ハエの家2017ー収束の刻ー

一幕の舞台装置のようなこの「ハエの家」。10年ほど前、ハエ男の遅刻』という作品がありましたが、ここは、あのハエ男の家なのでしょうか?

 


← 『
ハエ男の遅刻』(2008年)

南日本美術展会場には「作品コンセプト」ノートが置かれていて、その中にハエについての考察が書かれています。
会場に行かれた際は、「作品コンセプト」ノートも開いてご覧ください。

南日本美術展は11月26日、今度の日曜日まで開催です。

『我が家de個展 ギャラリーときどき』にお邪魔しました。

友人と誘い合わせて『我が家de個展 ギャラリーときどき 秋色の手仕事展』にお邪魔しました。
友人にも、
『ギャラリーときどき』店主(?)にも久しぶりに会ったので、ついついお喋りに夢中になり、作品全部の写真を余すことなく撮る、という目的を忘れてしまいましたが、、、、楽しい時間を過ごさせていただきました。

11月12日、日曜日まで開催しています。




「秋色の手仕事展」開催のお知らせ

皮革染色工芸作家の山田利喜子さんは、ご自宅で個展やグループ展を不定期的に開催されています。
ギャラリー名は『我が家de個展 ギャラリーときどき
今回は7人参加のグループ展を開催します。
出品作品は、ポプリ、エコたわし、子供服、刺し子、なべつかみ、人形、布小物、革バッグ、・・・・etc
ぜひ、通りすがりにふらりと覗いてくださいませ。

山田利喜子さんの作品サイトは⇒こちらから

期間: 11月3日(金)~11月12日(日) 

時間: 11:00am~17:30pm
会場: 鹿児島市薬師2-16-18
連絡先: 099-255-5575

 

 

第10回全国公募西脇市サムホール大賞展受賞作家展VOL.7 「通畠朋子展」会場写真

第10回全国公募西脇市サムホール大賞展受賞作家展VOL.7 「通畠朋子展」の作品画像と会場風景写真をいただきました。

この展覧会のために制作された、シリーズ「いとも豪華なる時禱書」の作品を10点、通畠朋子さんのギャラリーページに掲載しました。
是非、「銅版画」TOMOKO・T・TORIBATTAをご覧になっていただきたいです。色彩も美しく見応えあるシリーズです。

 

第10回全国公募西脇市サムホール大賞展受賞作家展VOL.7 「通畠朋子展」が開催されます。

2014年、当サイトでご紹介しています銅版画作家、通畠朋子さんが、「第10回西脇市サムホール大賞展」にて大賞を受賞しました。
22.7cm×15.8cm×6cmの片手に乗るほどの小さな作品なのに、豊かな発想高度なスキルがあれば、こんなにユニークな造形作品が生まれるのだなあと、私は感動を覚えたものでした。

通畠朋子さんのギャラリーはこちらから⇒「銅版画」TOMOKO・T・TORIBATTA

あれから3年、西脇市サムホール大賞展は、2年に一度の開催から、3年に一度のトリエンナーレ方式にスタイルを変え、今年、第11回西脇市サムホール大賞展が開催されます。それに併せて、前回の入賞者の作品展「通畠朋子展」が開催されます。

西脇市岡之山美術館にて
http://www.nishiwaki-cs.or.jp/
開催日時:9月20日(水)~10月9日(月)
10:00~17:00(入館16:30まで)
最終日は15時まで
休館日:9/25、10/2

第11回全国公募西脇市サムホール大賞展は
平成29年10月29日(日曜日)から12月3日(日曜日)まで

『夢の断片(かけら)』モーラ・ジョス・・結末を知りたくない物語

2004年/ハヤカワ・ミステリ
英国推理作家協会賞・シルヴァー・タガー賞受賞

7月に入ってから、職場の休憩時間を使ってちまちま読み進めてきたこの本(367ページ2段組み)も、残すところ58ページとなりました。
いよいよ、ここから結末に向かって物語は、新たな局面を見せるに違いない、と思うところですが、今回は結末を読む前に本書を紹介してみたい。

物語の主役は、留守番派遣会社に勤める64歳の女性、ジーン。
長期不在の家に住み込みで留守番をすることがジーンの仕事だった。
18年間、57軒の家に住み込んできたジーンだが、高齢を理由に解雇を言い渡されていた。
58番目のこの家、ここが彼女の最後の仕事場となる。
ここで8か月間留守番係を勤め終えると、そのあと彼女にはもう行く所はない。ジーンには身寄りがなく帰る家もないのだった。

そんなジーンにとって、この最後の仕事場であるウォルデン・マナーの古くて美しいマナーハウスは、これまでで一番気に入った理想の屋敷だった。趣味の良い年代物の調度品にあふれ、時が止まったような静かな美しさがあった。
ジーンはいつしか自分がこの家の所有者であることを夢想するようになる。

偶然、屋敷中の鍵を手に入れてしまったことから、ジーンの夢想は現実的な欲望となった。
ジーンは開けてはいけない扉を次々と開けていく。
使ってはいけない客間の暖炉に火を入れる。
鍵のかかった部屋のバスタブに、たっぷりお湯を張る。
衣装戸棚に仕舞われている上等な衣服や靴を身に着ける。
ジーンの欲望は膨れ上がり、今までの人生で得られなかった幸福を、この家で手に入れたいと思うようになっていった。幸せになりたい。愛する家族が欲しい。息子とか、孫とか。
運命の糸に手繰り寄せられて、その日暮らしの男マイクルと、男に捨てられた若い身重の女ステフがジーンの元に現われた。三人は家族として暮らし始める。
やがて、ジーンと偽家族の欲望は暴走を始める・・・・・

読み進むほどにじわじわと、恐怖が増してくる物語です。
ジーンとマイクル、ステフの偽家族が、毎日一緒に食事をしたり、ワインを楽しんだり、庭の手入れをしたり、三人で赤ちゃんの面倒を見たり、とても穏やかで幸せな日常生活を営むほどに、読んでいるこちらの方が不安な気持ちに胸が苦しくなってきます。
間違いなく破綻の時がやってくるっていうのに、気づかないふりをして日常生活を続けている彼らの姿は、何だか身つまされて、他人事と言い捨てることができないのです。

この物語は、果たしてこのあとどんな展開を見せるのか?
決してハッピーエンドに終わるはずがありません。読み終わったとき、きっと、救いようのない後味の悪い思いをすると思う。
いやいや、もしかしたら読者の浅い読みを裏切って意外などんでん返しが用意されてるかもしれない。
だけどもし、すべてが狂人の戯言であったと言うような結末だとしたら?
それはそれで茶番をみせられたようで、がっかりするかも。

まあ、とにかく、結末を先延ばしにするのはほどほどにして、明日の昼休みに続きを読んでみることにします。
どんな結末であれ、本書が優れた作品であることは間違いないのです。

「ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女」ダヴィド・ラーゲルクランツ“国民を監視する者は、国民によって監視される”


2015年発行/早川書房

 

 

 

職場に新しく入ったアルバイトの女性が、前職場を辞めた理由を話してくれました。
そこは従業員用のロッカーがなく、従業員はバッグなどを籠に入れて休憩室に置いておくだけ。
あるとき現金の盗難が相次いだため、防犯対策として休憩室に監視カメラが設置され、映像も音声も本社へ送られるようになったという。それがすごく嫌だった、と。

それまで、会社側は従業員には物を盗む人などいないと、信用していたのだろう(たぶん)。だから、ロッカーなんか無くても構わないと考えていたのだろう(たぶん)。
ところが現実に盗難が起こると一気に、休憩中の従業員を監視するという極端な選択をする。
その選択の前に、従業員のために貴重品ボックスを設置するとか、職場環境の改善を考えてもよかったのではないかと私は思う。

しかしまあ、実際にはロッカーを置かないのは経費節約のためであり、ロッカーや貴重品ボックスを人数分設置するよりも、監視カメラを1台追加設置する方が安上がりだろうし、休憩室にいる従業員を監視することに何らかのメリットが会社側にあるということなのだろう。
常に監視していれば、人はよく働くと考えているのかもしれない。
休憩時間に共謀して何かよからぬ企みをすることを、阻止できると考えているのかも知れない。
あるいは、従業員には職場において寛ぎも息抜きもプライバシーも必要ない、と考えているのかもしれない。

更衣室やトイレなどでなければ、休憩室に監視カメラを設置すること自体、違法ではないらしい。でも、労使間の信頼関係を損なうことは間違いないと思う。
休憩時間が息抜きにならない職場は、ストレスが溜まる。

しかし、この話題で一番気になるポイントはというと、世の中には他人の財布の中身を盗む人もいるが、監視カメラのデータを盗む人もいるっていうことです。そして、そっちの方が、はるかに被害が大きい。例えばこんなニュースがあります。

防犯カメラ映像、ネット「だだ漏れ」のリスク

先月もランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー犯罪が多発して、世界中に多大な被害をもたらしました。インターネットには高度なスキルと悪意を持ったハッカー(これをクラッカーと呼ぶ)がいます。防犯カメラのデータを盗むくらい容易いに違いないのです。

というわけで、ここからが本題。
天才ハッカーリスベットが活躍する『ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女』の話です。
『ミレニアム』の前作を読んだ方はご存知のことですが、今回の『ミレニアム 4』の著者はスティーグ・ラーソンではありません。
スティーグ・ラーソンは生涯のパートナー、エヴァ・ガブリエルソンと共に『ミレニアム』を1,2,3部と4部の途中まで執筆していましたが、第1部が発売される前に心筋梗塞で急死してしまいました。
彼の死後発売された『ミレニアム』シリーズは大ベストセラーとなり、ファンの間ではエヴァ・ガブリエルソンによる続編が出るのでは、と期待する声もあったようですが、意外なことに『ミレニアム 4』はスティーグ・ラーソンとは全く無関係のダヴィド・ラーゲルクランツという作家が執筆することになりました。
登場人物は同じだけど書き手が違うという作品です。
私の感想としては、テレビ版の「ドラえもん」と劇場版の「ドラえもん」では登場人物にちょっとした変化がみられる、その程度の違いはあるような気がしました。
シリーズのテーマとなっている<女性に対する蔑視および暴力>を憎む姿勢は相変わらずですが、リスベットよ、少し手加減していないか?と物足りなさを感じた部分もありました。ま、私がリスベットに過激さを求め過ぎているかもしれませんが。

余談ですが、『ミレニアム』が<女性に対する蔑視および暴力>をテーマとすることと、リスベットの名前の由来には、深い理由があります。興味のある方はウィキペディア「ミレニアム (小説)」を読んでみてください。

さて、今回の『ミレニアム』は、“ドラゴン・タトゥーの女”ことリスベットが、ネットワークの中をかけめぐり、謎の犯罪組織と対決するサイバー・サスペンスストーリーとなっています。
手始めにリスベットは、監視国家アメリカの象徴と言えるNSA(国家安全保障局)のイントラネットに侵入し、自作の遠隔操作プログラムを使ってデータを根こそぎ盗んだりします。
NSAから見ればリスベットはハッカーではなく、クラッカーだと言いたいところでしょうが、テロ対策を大義名分に掲げ、その実、権力を濫用して企業スパイ活動にいそしみ、国内外のテロとは無関係な人々の日常を監視してきたNSAこそクラッカーと言えるでしょう。(「暴露」スノーデンが私に託したファイル/グレン・グリーンウォルド参照)
リスベットはNSAのセキュリティー管理最高責任者エドのPCに痛快な警告を書き残していきます。

「違法行為ばかりするのはやめろ。簡単なことだ。国民を監視する者は、やがて国民によって監視されるようになる。民主主義の基本原理がここにある。」

と。
今月15日我が国で、「組織的犯罪処罰法改正案」(通称「共謀罪法」)が強行採決によって成立しました。とても他所の国の話だと面白がってはいられない警告ですね。

11歳の少年がテディベアをハッキングして「オモチャが武器になる危険性」を語る

といった記事を読むと、この子のような天才たちが正当なハッカーとなって、どうか世の中を正しい方向に導いてくれ、と願わずにはいられません。

東日本大震災関連の動画を地図上から探せる検索サイトのこと。

「動画でふりかえる東日本大震災公開動画検索ファインダー」というサイトでは、インターネット上に公開されている東日本大震災に関連した動画を、地図上から検索することができます。

動画でふりかえる3.11とは
1) インターネット上に公開されている動画から,東日本大震災に関連するものだけを選んでリンクしています.
2) 「どこで」撮影されたものか分かるように,撮影された「場所」を地図上にプロットしています.

サイトの作成者は「東北大学災害科学国際研究所」。
東日本大震災後に設立された研究所だそうです。
検索できる動画の数は、2017年2月現在で約1,700件!
そのうち約1,000件については、正確な場所もしくはおおよその場所の情報が示されているそうです。これは、「動画の内容から目視で場所を同定する」ことによって得られた情報だということです。とても地道な人力的作業の積み重ねで作られていて、リンクされた動画の一つ一つが、震災の被害実態を記録した貴重な情報となっているサイトです。

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先ごろ、今村復興大臣が「東日本大震災東北で良かった」などと発言して、物議を醸す事態になりました。東日本大震災の復興は国の重要課題(のはず)なのですから、大臣が辞任させられたのは当然のことでしたが、一方で、震災を被災地だけの問題、もしくは被災者個々人の問題だと考えている人たちも多くいるのでしょう。

今見ても衝撃が強く、辛くなる映像ですが、震災からまる6年経過した現在、震災の記憶を風化させないためにも、震災をふりかえり、3.11を語り継ぐことが大事だと思います。

「絶叫」/葉真中 顕“たまたま、同じ家に降ってきた人を家族と呼ぶ”

光文社/2014年発行

この歳になると、何歳で死ぬことになるのかよりも、私はどこでどんな死に方をするのか、そのことの方が気になります。
室内か、野外か、病院か。自然死なのか、病死なのか、事故死なのか、災害によってか。

厚生労働省の「平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」、第7表 死因順位(1~5位)別死亡数・死亡率(人口10万対),性・年齢(5歳階級)別 によると、私の年齢層では、女性の死因1位から3位までが病死です。4位が自殺、5位が不 慮 の 事 故。
95歳以上になって初めて老衰が1位となる。
人間が自然のままに死ぬことは、かなり難易度が高いことのようです。

私のこれまでの人生から考えると、平凡に生きて平凡に終わる。大多数の人と同じように病死というのが一番ありそうな終わり方だなと思えます。そして現在一人暮らしなので、部屋の中で孤独死する可能性が高い。

孤独死予備軍の私としては、本書『絶叫』のプロローグに登場する孤独死体には、少なからず衝撃を受けました。
気密性の高いマンションで一人暮らし。人付き合いもなく、公共料金は自動引き落としだから誰にも不審がられることなく。4カ月経ってようやく発見されたそれは、11匹の猫の骸骨と大量の蠅や蛆の死骸に囲まれ、猫や虫のエサとなり、もはや人間の形をなしていない状態だった。
グロテスクとしか言いようのない光景ですが、そう珍しい事ではないそうです。
飼い主に先立たれたペットは、密閉された部屋の中で必死に生きようとするわけで、ペットのためにも我が身のためにも、ペットより先に死んではならない。そう思いました。

とまあ、『絶叫』は、いきなりインパクトのある死体から始まる濃厚な犯罪小説です。
ただ、本書で扱われる犯罪そのものは、そう特異な事件ではなく、似たような題材で他のミステリ作家も優れた作品を書いています。
しかし、同じリンゴを描いても、セザンヌとマグリットでは、まったく印象が異なる作品になるように、この『絶叫』も既存の作品とは随分違った世界が見えてきます。

物語は、鈴木陽子という女性の転落していく人生が、その孤独な過去と現在が、二人の人物によって交互に語られていくというスタイルで進みます。
鈴木陽子は1973年生まれ。 サラリーマンの父と専業主婦の母と弟との4人家族。当時で言えば、割と普通の家庭に育ち、平凡でぱっとしない容姿、特別な才能もない、どこにでもいるような地方都市の少女だった。
何故彼女の家庭は崩壊したのか。何故彼女は東京で一人、頼る者もなく生きていかねばならなかったのか?

根底にあるテーマは、時代とともに変遷する日本の家族の姿です。
いつの時代に、どこの場所で、どの家族の元に生まれるか、それによって、人生の粗方は決まってしまう。それを私たちはよく、『運命』とか『宿命』とか言うけれど、この物語のなかでは、それを「降ってくるもの」と表現します。
「この世に選んで降る雨がないように、選んで生まれてくる人もいない。たまたま、同じ家に降ってきた人を家族と呼ぶ」と言う。
そして、
「姉さん、人間って存在はね、突き詰めれば、ただの自然現象なんだ。どんなふうに生まれるか、どんなふうに生きるか、どんなふうに死ぬか。全部、雨や雪と同じで、意味も理由もなく降ってくるんだ。」と。

500ページ超えの大作ですが、その語り口に惹きこまれて一気読みしてしまいました。
また、随所に伏線が張られていて、それが次々と現在にリンクしていき、最後には過去と現在がループのように繋がっていく感じが、ちょっとした快感を与えてくれる読了感でした。

作者の葉真中 顕(あき)について言えば、最初児童文学でデビューしており、ミステリー作家としての活動はごく最近になってからのようです。
2013年に1作目「ロスト・ケア」で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、本書「絶叫」が2作目の作品になります。

久しぶりにブログを復活、の前にWindowsアップデートに手こずった話

久しぶりにブログを書こうとPCを起動したら、Windows をアップデートしてください、とおなじみのメッセージが表示されました。
Windowsのアップデートは手動設定にしているのですが、最後にアップデートしたのがいつだったか思い出せない。ずいぶん長いことほったらかしにしていたようです。

まずは、コントロールパネル⇒システムとセキュリティ⇒Windows  Updateと開いていき、「更新プログラムのインストール」をクリックしたところ、何故かインストールが始まらない。いつまで待っても「更新プログラムをインストールしています….」の文字は表示されない。

検索してみるとWindows 7 SP1の場合、Windows Updateに非常に時間がかかるという症状が確認されているようです。長いことほったらかしにしていたことも原因の一つらしい。
下記のブログに解決法がありました。

「Windows7のWindows Updateが終わらない、遅い、進まない問題の解決方法」

それによると、Windows Update Client なるものの最新版をインストールすると良いとのこと。

2017年1月11日時点、Windows Update Client の最新版は KB3172605 に含まれています。
「Windows7のWindows Updateが終わらない、遅い、進まない問題の解決方法」より抜粋)

「Microsoft®Update カタログ」ページからWindows6.1-KB3172605-x64.msu(windows 7の64ビット対応)をダウンロードしてインストール。するとまたもやインストールできない。「スタンドアロンインストーラー」というダイアログが出るだけで一向にインストールが始まる気配がありません。

「Windows7のWindows Updateが終わらない、遅い、進まない問題の解決方法」には、

※ KB3172605 のインストールが出来ない場合は KB3177467 (2016年9月21日配信)のインストールも必要です。

と親切に注意書きがあったのに、それを読み飛ばしてしまった私は、焦って検索を続けたところ、

windows7更新プログラムを確認していますを劇的に改善KB3138612

スタンドアロンインストールについての注意点が紹介されていました。

スタンドアロンインストールが終わるまで、下記2つの作業をしたほうがいいかもしれません。

Windowsアップデートの自動更新は停止してあるので、インターネットの無線接続を切断して再度Windows6.1-KB3172605-x64.msuをインストールしてみると、今度はあっけなくインストール完了。

Windows Update ClientのインストールができたところでPCを一旦再起動して、改めてWindows  Updateページを開いて更新プログラムをインストール。
無事Windows  Updateが終了しました。

久しぶりにブログを書くつもりでしたが、Windowsアップデートに手こずって時間切れ。
下記サイトの方に感謝しつつ、今夜はここまで。

『猫展2017』のご案内

2017年(木)~26日(日)11:00~18:00
20日(月)定休日 最終日17時

昨年に引き続き、この日にちにちなみ「猫」をモチーフとした作品を集め「猫展」を開催致します。可愛らしい猫、凛とした猫など作家の愛情こもった猫たちが今回も皆様をお待ちしております。  (案内状から)

ギャラリー白樺にて
〒892-0822 鹿児島市泉町14-9
TEL 099-226-4518

生活を彩る革の作品展

山﨑恵子グループwith山田利喜子

2016年10月1日(土)~10月10日(月) am11:00~pm5:30

我が家de個展
ギャラリーときどき にて

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原口倫子先生に師事して革工芸の手ほどきを受けた、仲間たちの作品展。
木の葉ブローチの手作り体験もできるそうです。(要材料費:100円)

追記:写真を追加しました。

山田利喜子さんよりコメント欄に写真をいただきましたので、追記掲載致します。
コメントによると、革の小物やバッグがかなりたくさん搬入されたそうです。
山田さんの新作バッグも9個~10個出品するとのことですので、見応えのある作品展になりそうですね!
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我が家de個展
ギャラリーときどき/鹿児島市薬師町2-16-18 TEL/099-255-5575

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